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モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

『ストV』『マキブon』にオススメのアーケードスティックについて考えたかった

 『ストリートファイターV』が2020年9月のPSプラスのフリープレイ対象タイトルとなった。

 また先日発売された『機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON』も人気が高まっている様子。

 これらのタイトルをアーケードスティックでプレイしたい人も多いのではないかと思う。


 自分は以前からPS4のアーケードスティックについてまとめた記事を更新してきたんだけど、製品数が多いために記事が長大になってしまっている。

rhbiyori.hatenadiary.jp

 なので昨今の状況に絞ってまとめた記事を書いてみたい、と思った。

 思ったんだけど、実際に書こうとすると筆が、というかキーボードを叩く指が進まなかった。なぜか。

 まず第一に、自分自身が今はアーケードスティックを全く使わず、もっぱらコントローラー(「ファイティングコマンダー」という製品)で格闘ゲームをやるようになり、アケステ界隈に疎くなりつつあること。

 コントローラーの方が音が静かだし、場所も取らない。操作性に関しても、多くのゲームの操作システムが家庭用機向けになっている昨今、アケステを使うメリットはかなり薄くなっている。

 第二の理由は、現在多くのアーケードスティックが品薄状態にあり、通販などではプレミア価格になってしまっていて、具体的な機種についてオススメしにくくなっていること。

 アケステの需要が減ったことに加え、コロナ禍で生産や物流が滞っていることも影響しているんだろう。自分も、秋葉原に寄ったついでに新作アケステ触りに行ったりすることも無くなった。

オススメのアーケードスティックメーカー

 なので、とりあえず確実に言えることから言っていく。細かい情報については各自で調べていただきたい。

 現在、アーケードスティックメーカーで信頼性が高いのは以下の4メーカー。

ホリ

Victrix

 これらのメーカーのものを買っておけば、耐久性や操作性において不満が出ることはないハズ

 ただしこれらのメーカーの中には「エントリーモデル」として廉価なモデルも併売しているところがある。決して悪いモデルではないが、操作性などはゲームセンターにあるものと比べると一段落ちる。

 なおこれを書いている現在(2020/09/07)、上記の4モデルの内で定価のものはVictrixのみで他は定価の1.5倍近いプレミア価格がついている。が、それでも元々の定価が高いVictrixのものが最も高価となっている。

その他のメーカー

 これら以外のメーカーのものは、安価な分、信頼性においてはやや下回る。

 ゲームプレイそのものに支障は無いが、細かいフィーリングの部分で不満が出るかもしれない。特に今アケステが欲しい人は「ゲームセンターの操作感そのままでプレイしたい」という人が多いと思われるが、そういう人にはあまり向いていない。

中古アーケードスティックについて

 自分の経験から言うと、中古品のアケステであっても多くの場合、コンディションに問題は無いことが多い。

 アーケードスティックは堅牢さがウリであり、構造も通常のコントローラーと比べるとシンプルなので壊れにくいためで、特に上記の信頼性が高い4メーカーの製品はパーツの耐久性も高い。

 中古ハードショップなどで手頃な価格のものを見かけたらゲットしておくのが個人的なオススメ。ただしもちろん自己責任で。

PS5への対応

 今年の末に発売予定のPlayStation 5は、純正コントローラーを除くPS4用周辺機器の動作をサポートすることを公式にアナウンスしている。

blog.ja.playstation.com

 個別の機種について正式に対応が発表されているわけではないが、基本的にPS4用のアケステはPS5でも使用可能と考えていいだろう。

PS3のアーケードスティックが使えるタイトル

 また、冒頭に挙げた『ストリートファイターV』と『機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON』は、PS3のコントローラーにも対応している。詳しくは「レガシーコントローラー」で検索。

 他のゲームもPS3アケステ対応のタイトルはいくつかある。それらのゲーム以外プレイしない、と断言できるなら、PS3のアケステを中古で買うという選択肢も無くはない。

 「ホリ」に加え、「MAD CATZ」というメーカーもかつてクオリティの高いPS3用アケステを販売していた。なお現行のMAD CATZ製品はほぼ別物。詳しくは検索。

 ただし流石にPS3の発売から結構な年月が経っているので、質のいい中古品はなかなか見つからないかもしれない。自力でのパーツ交換が必要となる場合もありうる。

 またPS3のアケステがPS5で使える可能性はおそらくかなり低い。そのへんの覚悟も必要。

2020年のPS4用アーケードスティック事情とオススメモデルについて考える

 現在グラブルVSに向けて格闘ゲームの練習中。ここ2年程パッドプレイヤーだったけど久しぶりにアーケードスティックを使ってみたらやっぱり楽しかったのでグラブルVSもアケステでプレイしようと思う。

 以前からアケステについてまとめた記事をコツコツ更新していて、この機会にまた手を入れようと思ったんだけど、文量が長大になっている上にここ2~3年でずいぶん事情が変わっており、そのまま追記し続けるのが難しくなっているので、ひとまず新しく記事を立ち上げることに。

rhbiyori.hatenadiary.jp

 昨今のアケステ事情は高級モデルの普及とカスタムパーツの登場が主な趨勢。そのあたりについて書きつつ、これからアーケードスティックを使いたい人向けのオススメモデルについて考えてみたい。

2020年のアーケードスティック事情

 数年前までアケステメーカーといえば「ホリ」「Mad Catz」の2強状態だったが、Mad Catzの倒産を経て現在は「Qamba」「Razer」「Victrix」など、比較的新規参入の海外メーカーのアケステがプロプレイヤーなどを中心に人気を集めている。

 特に人気が高いのは「ホリ ファイティングエッジ刃 」「Qanba Obsidian」「Razer Panthera」「Victrix Pro FS」など。いずれも競技シーンに適した機能を備えた高級モデル。Razer製品は「Panthera EVO」が後発の新モデルであるが、ボタンパーツ変更や天板開閉機能のオミットなどの理由で旧モデルの方が人気が高い。Victrixはタッチパッド搭載モデル「Victrix Pro FS アーケードファイトスティック」を2020年3月に発売予定。

【SONYライセンス商品】ファイティングエッジ 刃 for PlayStation (R) 4/PC【PS4対応】

【SONYライセンス商品】ファイティングエッジ 刃 for PlayStation (R) 4/PC【PS4対応】

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ホリ
  • 発売日: 2018/01/25
  • メディア: Video Game
Victrix Pro FS アーケードファイトスティック タッチパッド付モデル for PS4(051-083-JP)

Victrix Pro FS アーケードファイトスティック タッチパッド付モデル for PS4(051-083-JP)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: PDP
  • 発売日: 2020/03/31
  • メディア: Video Game

 アケステに搭載されるパーツについても変革が起こっている。これまではゲームセンターのアーケード筐体で主に使われている「三和電子」製のレバーおよびボタンパーツが人気だったが、三和レバーを改良するパーツ「OTTO DIY V5」や、メカニカルキーボードと同等のスイッチを用いたボタン「Gamer Finger」を使用しているトッププレイヤーが増えている。いずれも「千石電商」などの電子部品ショップで購入可能。カスタム作業はドライバー程度の工具で行えるが細かい手順はネット記事や動画などで自ら調べる必要がある。

 そもそも三和電子パーツの人気が高かったのは耐久性の高さなどに加え、ゲームセンターと同じ操作感を再現できることが主な要因だった。格闘ゲームのメインシーンが据置ハードに移ったと言っていい状況になった昨今に、より操作性を追求したパーツが登場するようになったのは自然な流れと言える。

 なお鉄拳プレイヤーの間では「ゴールデンレバー」などのカスタムパーツが注目されているらしいが、筆者はあまり鉄拳界隈には詳しくないので割愛。

 さらにプロゲーマーのウメハラ氏がレバー部分の代わりにボタンを配置したレバーレスコントローラーコントローラー「Hit Box」を使用し始めたことでも注目を集めた。レバー操作よりもスピーディーに方向入力できることなどが優位とされている。

hitBOX PS4 & PC対応 レバーレスゲームコントローラー

hitBOX PS4 & PC対応 レバーレスゲームコントローラー

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: hitBOX
  • 発売日: 2018/11/22
  • メディア: Video Game

オススメのアケステ

 じゃあこれからアケステを使いたい人にオススメのモデルはどれなのさ? という問題について考えたいわけだが、昨今のプロ使用アケステはとにかく高価。2万円超えはザラで、PS4本体はおろかPS4 Proすら買えてしまうものも。初めての人が選ぶにはちょっとハードルが高い。

 これは決してメーカーが価格を釣り上げているわけではなく、もともとアーケードスティックがニッチな商品である上、昨今は純正コントローラー等でも遜色なくプレイ可能な格闘ゲームが増えているため、高級路線で勝負するようになったのだろう。

 かと言って上記以外のメーカーの安価なモデルには操作性や耐久性、入力遅延などの不安がつきまとう。個人的な意見としては、中途半端なアケステを使うくらいなら純正コントローラーを使ったほうがマシだと考えている。

 そんな中で価格と性能のバランス的にオススメするとしたらホリの「リアルアーケードPro.V HAYABUSA」「リアルアーケードPro.N HAYABUSA」の2モデル。「N HAYABUSA」は鉄拳シリーズのゲームセンター筐体と同じボタン配置(ノアール配置)になっているのでそれを基準に選ぶのも良い。ホリは静音性を高めた「リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA」もラインナップしている。国内メーカーゆえにサポートを受け易いのもポイント。ただし上記3機種は三和電子製とは異なるホリオリジナルのパーツを用いている。

【PS4/PS3/PC対応】リアルアーケードPro.V HAYABUSA ヘッドセット端子付き for PS4 PS3 PC

【PS4/PS3/PC対応】リアルアーケードPro.V HAYABUSA ヘッドセット端子付き for PS4 PS3 PC

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ホリ
  • 発売日: 2016/12/22
  • メディア: Video Game
【PS4対応】リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA ヘッドセット端子付き

【PS4対応】リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA ヘッドセット端子付き

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ホリ
  • 発売日: 2017/07/01
  • メディア: Video Game
【PS4対応】リアルアーケードPro.N HAYABUSA for PS4 PS3 PC

【PS4対応】リアルアーケードPro.N HAYABUSA for PS4 PS3 PC

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ホリ
  • 発売日: 2017/07/01
  • メディア: Video Game

 アケステに出資を惜しまないのであれば冒頭に書いた高級モデル4機種の中から好きなものを選ぶのが良いだろう。基本的に高価なものほど付加機能が多くなっている。自分の好きなプロプレイヤーが使っているものを選ぶのも一興。

 Hit Boxは「理論上最強」と称されることもあるが習熟に時間がかかるとされており、トッププレイヤーでも使用者は一握り。ゲームタイトルや使用キャラによっても向き不向きがあるとの意見もある。まだアケステに慣れていない初心者だからこそHit Boxで最強を目指す、という考え方もアリっちゃあアリだがそれなりの覚悟が必要だろう。

『ドラゴンボール ファイターズ』、アケステでやるかパッドでやるか問題について

 あまりモンハンのことばかり書くのも、脳内がモンハンだらけになって健全じゃない気がするので、今回はもうすぐ発売の『ドラゴンボール ファイターズ』の話をする。って結局ゲームの話かい。

【PS4】ドラゴンボール ファイターズ

【PS4】ドラゴンボール ファイターズ

 ドラゴンボール初と言っていいであろう、本格的な対戦ツールとしての2D格闘ゲーム、それがドラゴンボール ファイターズ。略してDBFZ

 格闘ゲームをプレイする上で常に問題となるのが、入力デバイス、つまりコントローラーについて。

 これまでは、格ゲーをやるならレバー型のコントローラーである「アーケードスティック(アケステ、別名アケコン)」を使用するのが有利とされてきた

 ではDBFZも、真面目にやるならアケステを使ったほうがいいのか? PS4純正のようなパッド型のコントローラーでは、オンライン対戦でサイバイマンに例のアレをされたヤムチャみたいになってしまうのか?


 結論から言うなら、DBFZのためにわざわざアケステを買う必要は無いと思う。特にDBFZで初めて本格的に格闘ゲームの対戦をやるような人の場合

 まずDBFZのゲーム性自体が、パッドでの操作を前提に作られているように見受けられる。実際自分もβ版をプレイしてそう感じた。

 必殺技のコマンドは簡単だし、それ以外の技もボタン同時押しなどで出せるものがほとんど。そして同時押しのショートカット機能も搭載している。

 そもそもアケステの主なメリットは、レバーやボタンの複雑な入力をやりやすいことなのだが、DBFZはそういった要素を排除し、比較的カンタンな入力で対戦出来るようになっている。

 過去の格ゲーがアーケード(ゲームセンター)でのプレイを前提に作られていたのに対し、DBFZは始めから家庭用のみの展開なので、パッド操作に最適化されているのだ。


 またアーケードスティックはかなり高価なシロモノ。一定以上のクオリティのものは2万円近くの値段がする。

 そしてアケステの操作に慣れるには結構な時間がかかる。今風に言えば「学習コストが高い」といったところだろうか。最低一ヶ月、完全に慣れるにはそれ以上を見込んだほうがいいだろう。

 それだけ長い期間DBFZを遊び続けられるならアケステに手を出すのもアリだろうが、そうでなければ宝の持ち腐れ状態になってしまう可能性もある。


 それと、最近は他の格闘ゲームタイトルの大会でも、パッドを使ったプレイヤーが活躍する機会が増えている。

 具体的には『ストリートファイターV』の大会「カプコンカップ」で過去2年に優勝した「NuckleDu」「MenaRD」の両名は、いずれもPS4の純正コントローラーを使用し1000万円以上の賞金を手に入れている。ついでに言えば二人ともかなりの若手。

 実際、格ゲープレイヤー達の間でも、パッドとアケステの有利不利はタイトル次第であり、基本的に一長一短であるという評価が定着しつつある。

 つまり慣れさえすれば、そしてどちらかでなければ困難な特殊な入力などが無ければ、好きな方を使えばいいということ。


 それでもアケステを使いたい、という人は、DBFZデザインのモデルが発売予定なのでそれがオススメ。老舗の国内周辺機器メーカー「ホリ」が作っているので品質は間違いないだろう。

 それ以外のモデルについては、別の記事にまとめているのでよろしければご覧ください。露骨な宣伝。

rhbiyori.hatenadiary.jp


 また、PS4純正のコントローラーが使いにくい人は、同じくホリの「ファイティングコマンダー」がオススメ。自分はコレの一個前のモデルを使っているが、前面に6つボタンがついており、L2R2がアナログトリガーではなく普通のボタンなので、かなり使いやすい。

【PS4対応】ファイティングコマンダーPro for PS4 PS3 PC

【PS4対応】ファイティングコマンダーPro for PS4 PS3 PC

HORI『リアルアーケードpro.』シリーズの歴史と現行モデルを整理してみる

 現在、国内メーカーでは唯一ハイクオリティなアーケードスティックを継続的に販売している「HORI」。

 そんなHORI製アケステの主力商品が『リアルアーケードPro.(略してRAPシリーズ』である。

 しかしこのRAPシリーズ、バリエーションが無駄に多い。特にPS4世代になってからはラインナップの多さに拍車がかかっている感がある。

 これから始めてRAPを買おうという人の多くは、プロ格闘ゲーマーに憧れて格ゲーを始めた初心者なんじゃないかと思うが、ただでさえ複雑な格ゲーを始めようという人が、さらに複雑なRAP選びで迷ってしまいかねない。

 そんなわけで今日はRAPシリーズの歴史、および現行であるPS4世代のモデルについてものすご~く簡単にまとめてみたい。主に自分の記憶で書いてるので間違いがあったらご指摘頂けると幸い。

PS2時代

リアルアーケード Pro.
 リアルアーケードPro.

 RAPの歴史に始めてその名を刻んだのは『リアルアーケードPro.』。対応ハードはPlayStation2だった。

 発売は2004年。13年前かー。下手したらコレ読んでる人がまだ生まれてないかもしれない。最も自分も当時はRAPなんて知らなかったけども。

 ゲームセンターに置かれているアーケード筐体を模した形状、そしてなによりレバーにアーケード筐体と同じ「三和電子」というメーカーものを使用していたのが最大のウリだった。

 つまりアーケードに忠実(リアル)だからリアルアーケード。ちなみに「Pro.」がついているのはおそらくそれ以前に『リアルアーケード』という名前を別のアケステに使ってしまっていたからだと思う。

 その後HORIは、ボタンの配置を業務用と同様にした『リアルアーケードPro.2』、ボタンパーツにも三和電子製のもの採用した『リアルアーケードPro.2 SA』、当時は三和電子と並んで主流だった「セイミツ工業」のパーツを使用した『リアルアーケードPro.2 SE』などを発売していった。この時点でけっこうややこしい。

 以降しばらくは、三和電子パーツ搭載RAPの名称にSA、セイミツ工業パーツ搭載RAPにSEがつくのが慣例となった。「SANWA」の「SA」、「SEIMITSU」の「SE」と覚えよう。ここ、テストに出ます。何の?

 特に人気の高かった『リアルアーケードPro.2 SA』は、時代がすっかりPS3・Xbox360主流になった2012年にまさかの再販がなされたのだが、流石に現在は生産終了となっている。

 また当時から、格闘ゲームとコラボした天板のデザイン違いのRAPが複数あった。いずれも基本的な仕様はRAPと同等だったが、鉄拳系統のものはアーケード準拠でボタン配置が微妙に異なっていた。詳しくは「ノアール配置」でググろう。

PS3・Xbox 360時代

リアルアーケードPro.3
 リアルアーケードPro.3

 PlayStation3で最初に出たRAPは2007年の『リアルアーケードPro.3』。その後「SA」と「SE」も登場。

 また、特に『ストリートファイター4』の関係で需要が高かったXbox 360向けのRAPも作られた。2008年に『リアルアーケードPro.EX』。こちらもSAとSEが後から発売した。

ビュウリックス筐体再現モデル

リアルアーケードPro.V3 SA(PS3用)
 リアルアーケードPro.V3 SA

 「3」と「EX」はいずれも『リアルアーケードPro.2』とほぼ同じ筐体・ボタン配置を採用していた。これは当時主流だった「ブラスト筐体」というアーケード筐体がモチーフだった。

 しかし2007年に出た「ビュウリックス筐体」がアーケードで徐々に主流になりはじめ、こちらをモチーフとしたRAPが登場。

 それがPS3用の『リアルアーケードPro.V3 SA』とXbox360用の『リアルアーケードPro.VX SA』。「VEWLIX」だから「V」と覚えよう。覚えなくてもいいです。いずれも後に「SE」がラインナップに追加された

 その後2017年現在まで、微妙に形を変えながら「Vシリーズ」のデザインは継承され続けている。

 さらに幅・厚みまでビュウリックス筐体を忠実に再現した『リアルアーケードPro.3 Premium VLX(PS3)』と『リアルアーケードPro.EX Premium VLX(Xbox360)』も「VLXシリーズ」として初登場。そのあまりのデカさと3万円のお値段により「お三万コン」という愛称で一部に親しまれた。

 またビュウリックスとは別の『ノアール筐体』のボタン配置を再現した『リアルアーケードPro.N3 SA』もこの頃登場。いわば「Nシリーズ」。主に鉄拳やガンダムとのコラボモデルが発売された。

ファイティングエッジとHORIオリジナルパーツ

Fighting Edge Xbox 360 - ファイティング エッジ
 ファイティングエッジ(Xbox360用・白モデル)

 RAPからRAPVへ進化したHORIのアケステだが、2012年にRAPとは別の新たな流れが生まれた。RAPではないが重要なので紹介しておく。

 その名は『ファイティングエッジ』。HORIが独自に開発したオリジナルパーツ「隼」レバーと「玄」ボタンを採用し、ボタンアサインなどの新機能を搭載。プロ格闘ゲーマーが監修したいわばお墨付きスティックである。

 RAPシリーズのコンセプトであった「アーケードの再現」というコンセプトからの脱却を図った意欲作と言える。あとデザインもシャープで光るのがカッコイイ。

 さらに2014年にはRAPとして初めて「隼」レバーと「玄」ボタン搭載した『リアルアーケードPro.V3 隼』も登場。オリジナルパーツの使用を更に推し進めていく。

 またこの頃、無線接続が可能な『ワイヤレス リアルアーケード PRO.V3 SA』と隼・玄搭載『ワイヤレス リアルアーケード PRO.V3 隼』も発売されるが、接続の安定性に敏感な格ゲープレイヤーの評価はあまり芳しくなかった模様。

PS4時代

【PS4/PS3対応】リアルアーケードPro.V4 隼
 リアルアーケードPro.V4 隼

 そして現行であるPS4世代。なおXbox One用のRAPも存在するが、ハード自体が日本ではほとんど売れてないので割愛する。

 これ以降、三和電子やセイミツ工業といったアーケード同等パーツを使用したモデルは完全に姿を消し、全てのモデルがHORIオリジナルパーツ搭載となる。またそのオリジナルパーツも改良が重ねられている。

 さらに通常モデルの他に静音モデルが併売されるようにもなった。レバーに光学式スイッチ、ボタンの内部に緩衝材を使用したもので、家族の冷たい目や隣人からの壁ドンに気兼ねせず夜中のプレイが可能に。親世代になった格闘ゲーマー達にも好評な模様。

 まず2014年に発売されたのが「隼」レバーと「玄」ボタン搭載の『リアルアーケードPro.V4 隼』と静音の『リアルアーケードPro.V4 サイレント隼』。スペックはRAPV3隼とほぼ同様。

 また「お三万コン」ことVLXシリーズの後継機『リアルアーケード Pro.4 PREMIUM VLX』もちゃんと(?)発売。

 翌2015年には『リアルアーケードPro.V 隼』と静音の『リアルアーケードPro.V サイレント隼』が登場。タッチパッド搭載・筐体薄型化などの改良が施されている。名前から「4」が取れた形だが、ここからややこしさが加速していく。

 2015年の年末に出た新モデルが『リアルアーケードPro.V HAYABUSA』と静音の『リアルアーケードPro.V サイレント HAYABUSA』。隼からHAYABUSAへ。

 パーツが大幅に改良され、名称も「HAYABUSA」レバーと「HAYABUSA」ボタンに変更された。その後VLXシリーズに「HAYABUSA」レバー・ボタン搭載の『リアルアーケードPro. Premium VLX HAYABUSA 』も発売されたが、お値段は残念ながら(?)三万五千円に値上がり。

 そして2016年末に出た現行機種が『リアルアーケードPro.V HAYABUSA(2017年モデル)』と静音の『リアルアーケードPro.V サイレント HAYABUSA(2017年モデル)』。

 主な変更点はイヤホン・ヘッドセット端子が搭載されたこと。「2017モデル」という味気ない名称をつけたあたり、どうやら新しいネーミングは考案できなかった様子。

 今年に入ってからはノアール配置のNシリーズ『リアルアーケードPro.N HAYABUSA』も登場。スペックは2017年モデルと同様。

 また来年には待望のPS4対応『ファイティングエッジ』も発売予定。アルミ天板採用、レバー入力のアサイン機能搭載など、最先端(エッジ)モデルに相応しいスペック。

PS4用のラインナップを整理する

 以上、RAPの歴史についてざっくりとまとめたが、PS4世代になってから新型iPhoneの如く毎年アップデートを重ねた結果、紛らわしいネーミングが増えてしまっている。

 まず「Vシリーズ」が、

  • 2014年:リアルアーケードPro.V4 隼
  • 2015年:リアルアーケードPro.V 隼
  • 2016年:リアルアーケードPro.V HAYABUSA
  • 2017年(現行):リアルアーケードPro.V HAYABUSA(2017年モデル)

 という流れで、かつそれぞれに静音モデルが存在している。


 次に「VLXシリーズ」が、

  • 2015年:リアルアーケードPro.4 Premium VLX
  • 2016年(現行):リアルアーケードPro.Premium VLX HAYABUSA


 そして、それらとは別系統として

  • 2017年(現行):リアルアーケードPro.N HAYABUSA
  • 2018年(発売予定):ファイティングエッジ

 以上がRAP(とファイティングエッジ)のラインナップ。他に小型軽量モデルもあるが割愛。


 個人的な要望を言えば、オリジナルパーツを使い始めた時点で「リアルアーケード」ではないのだから、何か独自の新しいネーミングを考えてナンバリングをしたほうがわかりやすくて一石二鳥な気がする。対は「ハヤブサスティックV5」にするとか。ちょっとダサいか。


 ストリートファイターシリーズのアーケード撤退が物語るように、ここ数年のゲームセンター退潮の流れには歯止めがかかっておらず、アーケードスティックの需要も確実に減っているだろう。

 新作格ゲーの中にも純正コントローラーでの操作を念頭に置いたものが増えてきている。『BLAZBLUE CROSS TAGBATTLE』は製作者がそれを公言していた。

 自分も最近はパッド型コントローラープレイすることが増えているが、やっぱりアケステ操作は楽しいし、指先のみのパッドと違って腕などの大きい筋肉を使うので意外と疲れにくいというメリットもある。

 そんなわけで今後もHORIさんには新型のアーケードスティックを作り続けてもらいたい。くれぐれもMad Catzの二の舞にはならないように。


 出典:株式会社 HORIトップページ - 家庭用アーケードスティックWiki - アットウィキ

IKEAのラップトップサポート『BYLLAN』を購入 アケステ膝置き台として使用

f:id:rhbiyori:20170823123640j:plain

 IKEAのラップトップサポート『BYLLAN』を購入した。

www.ikea.com

アケステの膝置き用テーブルが欲しかった

 買った理由はゲーム用のコントローラーである「アーケードスティック」を膝置きするため

 これまで直接膝の上に置いて主に格ゲーをプレイしてきたが、明らかに手を置く位置が低く背中や肩が凝りがちであった。特に最近のアケステはどんどん薄くなっているのでそれが顕著になっている。

 数年前にはアケステを置くためだけの台をスチールラックで組んだこともあったが、操作音がヒジョーにうるさくなるため使用を断念。今はただの棚になっている。

rhbiyori.hatenadiary.jp

 どーしようもないとガマンしていたのだが、ちょっと前にある格ゲー大会のネット配信を見ていた所、ノートパソコン用の膝置きテーブルの上にアケステを置いてプレイしている人を発見。

 その様子がかなり良さそうに見えたのだが、実際買ってみてうまく合わずに無用の長物と化してしまう(=家に要らないものが増える)のを恐れて躊躇していたのを、今回思い切って購入に至った、という流れ。

第一印象

 家からいちばん近いイケアに直接買いに行ったのだが、実物を見ても買うかどうか迷った。

 なぜかというと、公式サイトの画像から受けるイメージとの齟齬があったから。ありていに言えばかなり安っぽかったのである。

 天板の素材は手で曲げられる程度の薄さのプラスチック。イメージ的にはポリバケツのフタよりちょっと硬いくらいの感じ。

 クッションの中材はビーズ状の発泡ポリスチレン(発泡スチロール)で、量も少ない。印象としては公式画像の半分くらい。

 これは流石にやめたほうがいいかと思ったが、最悪河原でフリスビー代わりにぶん投げて遊べば元はとれるんじゃないか、などとわけのわからないことを考えつつダメ元で購入。

 しかしそのような見た目の印象は良い意味で裏切られることになった。後述。

画像ギャラリー

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 実際の使用感の前に外見を紹介。こちらが裏側のクッション部分。布地自体はわりとしっかりしている。


f:id:rhbiyori:20170823124329j:plain
 クッションは天板から取り外すことが出来る。布部分だけ洗ったりすることも可能と思われる。ただ脱着部分が小さいプラスチックのため壊れやすそう。


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 実際にアケステを置いた所。画像だとわかりにくいが「リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA」の筐体がピッタリ収まるサイズ。これより大きい筐体のアケステだと全体が乗り切らない可能性アリ。

使用感

 で、不安だった使用感だが、先に結論を言うと全く問題ナシであった。

 二時間ほどアケステを乗せてネット対戦をしたが、激しく操作してもズレたりすることもなく、高さがちょうどいいので疲れも少なくなった気がする。

 自分のアケステは底面に百均で買った滑り止めシートを貼り付けているため、コレのおかげで安定感が増した可能性もある。

 上で安っぽいと書いた天板の素材だが、薄さのおかげで軽くなっており、長時間使っても太ももへの負担が少なくなっている。ちゃんと理由があったのだ。

 操作音もうるさくなく、むしろクッション部分で音を吸ってくれているような印象すらある。

 特にいいと感じたのが、クッションの位置を動かして水平になるように調節できるという点。これにより自然な姿勢で座ってプレイが可能になった。

 気になったのは、横幅が意外と大きいため、一般的なデスクチェアだと肘掛けと干渉する可能性が高いこと。

 しかし自分のデスクチェアだとちょうど肘掛けの間にハマる感じになって、むしろ安定してくれている。思わぬ副作用。

 あと真夏に使うにはさすがに暑くて蒸れる。エアコンとの併用を推奨。


 こんなにフツーに使えるならもっと早く買っておけばよかった、というのが一番の感想。アケステ膝置き派には是非オススメしたいグッズである。

 似たような製品は他のメーカーでも作っているので、そちらを試してみるのもいいだろう。ただアケステがキッチリ収まるサイズのものはあまり見つからなかったりする。

 ちなみにノートパソコン(MacBook Air)も使ってみたが、足がひとつ壊れているせいもあって滑って上手く使えなかった。なんか本末転倒。

追記(2017/12/17)

 その後、なんとなくテーブル部分が要らない気がしたので外して使ってみたところ、問題無く操作できたのでそのまま使っている。これだったら別にフツーのクッションで良かったんじゃ……。

PS4用のアーケードスティックまとめ(2019/07/03更新)

 現在日本における格闘ゲームのプラットフォームとして主流になっているPlayStation 4対応のアーケードスティックの情報をまとめる。

 主に国内販売を行っている製品を中心に紹介していく予定。発売日が新しい物が上になるよう追記していく。また「ホリ」製品は世代交代が早いので、正確ではないが便宜的に現行モデルと旧モデルに分けた。

 なお気になる人が多いみたいなので書いておくと、既存のPS3専用アーケードスティックのPS4での使用は基本的に動作保証対象外

 なのだが、ソフト側でPS3用アケステに対応しているタイトルもある(レガシーコントローラーというドライバを搭載している)。詳しくは各タイトルの公式サイトなどを調べてみよう。

 現状では『ストリートファイターV』『ウルトラストリートファイター4』『ギルティギア イグザード レベレーター』などわりと多くのタイトルがレガシーコントローラーに対応している。

 逆に現時点で発売されているPS4向けアーケードスティックは、そのいずれもがPS3でも使用可能となっており、いわゆる後方互換性を持っている。これからPS3用でアーケードスティックを使いたいという人も、今後のことを考えてPS4向けを買っておくことをオススメする。→追記:「Panthera EVO」などPS3互換を廃止したモデルも登場してきたので注意。

 (注:各タイトルとコラボした限定販売のアーケードスティックに関しては、記事が長くなるので基本的に割愛しています。)

オススメのモデルについて

 とりあえずひとつオススメするならホリの「リアルアーケードPro.V HAYABUSA 2017年モデル」。価格・性能のバランスがいい。深夜のプレイなどのために操作音を抑えたい人は静音モデルの「リアルアーケードPro.V サイレント HAYABUSA」を選ぶといいだろう。

 2018年現在は、競技志向のハイスペックモデルが増えてきた。ホリの「ファイティングエッジ 刃」、Razerの「Panthera」、Qanba「Obsidian」などはプロゲーマー達も愛用するモデル。

 操作性よりも価格やコンパクトさを優先するという人は、小型軽量の「ファイティングスティック mini4」がオススメ。

発売予定

CYBER・アーケードスティック (SWITCH/PS4用)(2019年8月下旬)

www.4gamer.net
 サイバーガジェットのアケステ。同メーカーは以前レトロフリーク対応のものを発売しており、それと同じ筐体と思われる。Nintendo SwitchとPS4に両対応しているのはかなり珍しい。

レトロフリーク用 アーケードスティック

レトロフリーク用 アーケードスティック

 天板のアクリルパネルを外してデザインを変更可能、ボタンパーツにファストン端子を使用しており交換が可能とのこと。タッチパッドはおそらく非搭載。

ホリ(現行モデル)

ファイティングスティック for PlayStation®4 / PlayStation®3 / PC(発売日:2019/6/20)

 リアルアーケードProとファイティングスティックminiの中間的なサイズ・価格のモデル。PS3世代のファイティングスティックとは全く異なる新しい筐体デザイン。前面8ボタン、ケーブル収納などの機能を搭載。ステレオヘッドホン/マイク端子を搭載。タッチパッド非搭載。

 レバー・ボタンのパーツはHAYABUSAユニットとは異なるホリオリジナル。「自己責任の範囲」でのパーツ交換が可能とされているのでおそらく三和製パーツなどに交換可能と思われる。

ファイティングエッジ刃(発売日:2018/1/25)

 かつてPS3、Xbox 360用として発売された『ファイティングエッジ』がPS4対応となってリファイン。レバー・ボタンユニット「HAYABUSA」を使用し、タッチパッド、ヘッドセット端子を搭載。

 最大の特徴はレバー入力を他のボタンにアサインすることが可能である点。例えば「押すと上入力になるボタン」などを設定することが出来る。

 その他、OPTION・SHARE・PSボタンを無効にするトーナメントモードを設定できたり、あえて連射機能をオミットするなど、大会での使用を前提とした仕様となっているのがうかがえる。

リアルアーケードPro.N HAYABUSA(発売日:2017年7月6日)

【PS4対応】リアルアーケードPro.N HAYABUSA for PS4 PS3 PC

【PS4対応】リアルアーケードPro.N HAYABUSA for PS4 PS3 PC

 「ノアール配置」という、レバーとボタンの感覚が広くボタンが右下がりの配置を採用したアケステ。ノアールだからN。アーケード筐体における『鉄拳』シリーズの配置と同じ。

 RAPVシリーズよりも筐体が大きめで、スタートボタンの誤操作防止の為に開閉可能なカバーの下に配置されている。

 また底面にすべり止めマットが貼られているとのことで、膝置きした時にズレにくくなっているハズ。

 使用パーツはホリ独自のHAYABUSAレバー・HAYABUSAボタン。アーケード筐体のものとは異なるので注意。ヘッドセット端子搭載など、その他仕樣は「リアルアーケードPro.V HAYABUSA 2017年モデル」と同等と思われる。

リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA 2017年モデル (発売予定日:2017年7月1日)

 ホリの静音モデルの最新版。下記の「リアルアーケードPro.V HAYABUSA 2017年モデル」に静音パーツを搭載したもので、その他の仕様は同等。

リアルアーケードPro.V HAYABUSA 2017年モデル(発売日: 2016/12/31)

 「リアルアーケードPro.V HAYABUSA」の2017年モデル。

 基本的な仕様は旧HAYABUSAと同じだが、”電子回路/レバーユニットの設計を見直し、更に高次元の応答速度/コマンド入力精度を実現しました。”とのこと。またヘッドホン・マイク端子が追加されたため、ヘッドセットを使用してのプレイにも対応。余談だがデザインが若干昔のMadCatzスティックに似ている。

ファイティングスティック mini4(発売日: 2015/11/26)

【PS4/PS3対応】ファイティングスティック MINI4

【PS4/PS3対応】ファイティングスティック MINI4

 超小型・廉価版のアーケードスティック。PS3用だった「ファイティングスティック mini3」と同形状だが、レバーが改良されているとのこと。PCにも正式対応。

 小型軽量であるため、リアルアーケードPro.シリーズと比べるとどうしても操作時の安定感に欠ける。ボタンも小型なので押しやすいとは言い難い。

 個人的な意見として言うならば、少しでもマジメに格闘ゲームをやろうという人は、このサイズのアケステを使うべきではないと考えている。

 しかし「どうしても大きいアケステを置く場所が無い」とか「操作性は気にしないのでアケステの使用感を味わいたい」とか「家族と遊ぶのに安いのが二つ欲しい」というような人には、このアケステが向いているだろう。

ホリ(旧モデル)

リアルアーケードPro.V HAYABUSA(発売日: 2015/12/03)

【PS4/PS3/PC対応】リアルアーケードPro.V HAYABUSA

【PS4/PS3/PC対応】リアルアーケードPro.V HAYABUSA

 下記「リアルアーケードPro.V 隼」のボタンを改良したモデル。さらにPCにも正式対応*1。今後はこのHAYABUSAがホリの主力モデルになると思われる。

 近年のホリアケステに使用されていた「玄ボタン」は、縁が角ばった形状にすることで押した時の安定性を高めていたが、爪でこするような連打方法をするときに角が引っかかってしまうというデメリットがあった。

 今回このHAYABUSAに搭載された「隼ボタン」は、角を丸く、全体をドーム状にし、かつボタン表面にマット加工をすることで、こすり連打をやりやすくなるよう改善された。マット加工によって指紋が目立ちにくくなるというメリットも。

 またホリ広報がニコニコ生放送で語った話によると、ボタンの内部構造を改良することで、ゴミやホコリが溜まりにくくなり、掃除の手間が減ったという。さらに静音モデルの販売も検討中とのこと。

 個人的には、HAYABUSAという名称が他の隼パーツ搭載アケステと紛らわしいのが気になるが、まぁ些細な事である。

 ちなみにホリは「EDGEシリーズ」という名称で、PC用周辺機器のブランドをスタートさせた。HAYABUSAがPC対応になったのもその一環なのだろう。

www.edge-gaming.jp

リアルアーケードPro.V サイレント HAYABUSA(発売日: 2015/12/17)

 上記「リアルアーケードPro.V HAYABUSA」の静音化モデル。環境に配慮したい場合はこちらを選ぼう。

 ボタンに初期不良がある場合があり、無償修理が可能とのこと。詳しくはホリのホームページへ。

リアルアーケードPro.Premium VLX HAYABUSA(発売日: 2016/02/18)

 下記の「リアルアーケードPro.4 Premium VLX」に、上記「リアルアーケードPro.V HAYABUSA」と同じ隼ボタンを搭載したモデル。「お三万コン」ならぬ「お三万五千コン」。ストリートファイターVと同じ2016年2月18日発売。

 ただしこちらは現時点でPCへの正式対応が発表されていない。接続すれば動く可能性はあるが、ホリのドライバに対応するかどうかは不明。

リアルアーケードPro.V 隼(発売日: 2015/02/15)

【PS4/PS3対応】リアルアーケードPro.V 隼

【PS4/PS3対応】リアルアーケードPro.V 隼

 下記の「リアルアーケードPro.V4 隼」に、ボディの薄型化、タッチパネル搭載、コントロールパネルの側面への移動など、細かいブラッシュアップが施されたモデル。

 基本的には上位互換モデルなのだが、ボタンアサイン機能の「一ボタンに複数ボタンの機能を割り当てられる」という部分が、格闘ゲームの対戦会などでルール違反になる可能性が指摘されている。大会に出るほどのガチ勢の方は注意。ホリの公式品だから大丈夫だとは思うけど。

 ちなみに非常に紛らわしいが、製品名に「4」がついている「リアルアーケードPro.V4 隼」およびその静音モデルは、既に生産終了済みの旧機種。今から買うなら「4」がついていない「リアルアーケードPro.V 隼」およびその静音モデルの方がオススメ。→「リアルアーケードPro.V HAYABUSA」の登場に伴い、「リアルアーケードPro.V 隼」も生産終了の模様。新品価格が値上がりしている。

 「4あり」と「4無し」の違いはこちらを参照。

 http://www.hori.jp/products/ps4/ps4_rap_vh/special/

リアルアーケードPro.Vサイレント隼(発売日: 2015/04/23)

 上記の「リアルアーケードPro.V 隼」に静音パーツを積んだもの。パーツ以外の仕様は同様で、タッチパネル、ボタンアサイン機能などを搭載している。

 ついでに静音パーツの特徴について説明しておくと、レバーは入力時の「カチカチ」というスイッチ音が無くなる(シャフトがガイドに当たるときの「ガコガコ」という音は無くならない)。ボタンは中にスポンジが挟まっているため従来の「パチパチ」という音が「トントン」という感じになる。

リアルアーケードPro.4 Premium VLX(発売日: 2015/04/23)

 アーケード筐体「VEWLIX」のコントロールパネルをそのまま再現したPremiumシリーズのPS4対応版。タッチパネル、ボタンアサイン機能などの仕様はリアルアーケードPro.V 隼に準拠している。

 画像だけだとわからないかもしれないが、こいつはとにかくデカイ。かつて「お三万コン」と呼ばれたPS3用のものを家電屋で触ったことがあるのだが、その存在感たるや圧倒的であった。そのへんはこいつも同じだと思われる。重量も5.4kgとかなり重く、膝置きプレイは難しいだろう。

 その巨大さと増税によって三万円を超えてしまった価格は、とても素人にはオススメできないが、それに見合うだけの安定操作性と所有欲の充実を使用者にもたらしてくれることは間違いない。まさにプレミアムなスティックである。

DEAD OR ALIVE 5 LAST ROUND 対応スティック(発売日: 2015/02/19)

【PS4/PS3対応】DEAD OR ALIVE 5 LAST ROUND 対応スティック

【PS4/PS3対応】DEAD OR ALIVE 5 LAST ROUND 対応スティック

 「リアルアーケードPro.V 隼」にアナログスティックを搭載したもの。初めて見たときは「RAPシリーズのあの謎のくぼみはアナログスティックを付けるためだったのか!」と思わずガッテン。

 「とりあえずくっつけてみました」感のあるアナログスティックは本来、DOAで美少女を鑑賞するモードのカメラ操作に使用するためのものらしい。

 しかし自分は、操作がシビアなアクションゲームをやるとき「アケステでやりたいなぁ」と思うことがあるので、そういうときコレを使ったら面白そう。DMC4とか。バージル出るらしいし。

デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション - PS4

デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション - PS4

 ただこの位置のアナログスティックでアクションゲームをどの程度快適に操作できるかは未知数。そもそも格ゲー以外でこのコントローラーを使えるのかどうかもよくわからない。オマケに在庫少数なためかプレミア価格がついている。現状、キワモノ好きの人にしかおすすめできないスティックとなっている。

リアルアーケードPro.V4 隼(発売日: 2014/05/01)

【PS4/PS3対応】リアルアーケードPro.V4 隼

【PS4/PS3対応】リアルアーケードPro.V4 隼

 ホリのリアルアーケードプロVシリーズのPS4版。PS3のRAPV3SAと比べると、これといった新機能はないが、スイッチを切り替えることでPS3・PS4の両方で使用可能。

 特徴は、レバーに隼ユニット、ボタンに玄ボタンという、ホリオリジナルのパーツを使用しているという点。オリジナルパーツはいずれも多少好みは分かれるものの、格闘ゲームのプレイに関しては高評価が多い印象。

 以前はパーツ単体の購入が出来なかったが、最近になってホリストアで購入可能になったので、パーツが消耗してしまったときの心配も減った。もっとも、普通にプレイしていてパーツが消耗することはまず無いが。

 なお、なぜかホリは従来まで主流だったサンワのパーツを使ったPS4向けのアケステを、今日に至るまで全く発売していない。今後も出さない方針なのだろうか。

リアルアーケードPro.V4 隼 静音(発売日: 2014/07/31)

 こちらは静音仕様の隼ユニット・玄ボタンを使用している。それ以外の機能は上記RAPV4隼と同様の模様。静音パーツを使っている分、お値段も若干高めになっている。

 静音なので、深夜のプレイや集合住宅での使用に向いているわけだが、音がしないということは操作した時の手への感触も少なくなる、ということを意味する。格闘ゲーマーならわかると思うが、コンボなどでは手の感触でタイミングを測っている部分もあるので、その辺を気にする人は注意が必要。

 自分は普段、三和製の静音ボタンに換装したアケステ使っているが、たまにゲームセンターに行って非静音のボタンを使うと、感触が非常にキモチよかったりする。キモチよさ重視の人には静音パーツは向かないかも。

 家庭用ゲーム機を用いた対戦会などでは「相手の操作音を聞いて対応する」ということが行われているらしいので、その点において静音は有利である。普通のプレイヤーにはあまり関係ないことだが。

 ただし現時点で静音パーツの単体販売は行われていない。

リアルアーケードPro.4 改(未発売)

 (追記:プレオーダー数が既定に達しなかったため、発売中止が決定した。残念)

 2016年9月2日に突然発表されたモデル。海外では似た名称の「Real Arcade Pro 4 Kai」が既に発売しており、デザインは違うが機能面は同等と思われる。

http://www.hori.jp/products/p4/rap_kai_series/www.hori.jp

 現在は情報が少ないが、おそらく下記「リアルアーケードPro.V HAYABUSA」のバージョンアップ版。

 今のところわかる改善点は、底面にすべり止めマットを貼り付けている点と、レバーとボタンの間隔が広がっているという点。ちなみに過去に発売された名称に「改」がつくアケステも同様の改善がなされていた。

 あと名称から「V」の文字が無くなったのも変更点。元々は「ビュウリックス筐体と同じボタン配置」を意味するVだったのだが、レバーとボタンの間隔がビュウリックスより広いこのアケステに関しては妥当な変更と言える。

 現在ホリストアでプレオーダーを受付中。それ以外の情報は分かり次第追記する。

Razer

Panthera Evo(発売日:2019/01/15)

 Pantheraの改良版。主な変更点としてボタンパーツにRazerオリジナルの「Razer Mechanical Switch」を採用している。同社はメカニカルキーボードのスイッチも開発しているので信頼性は高いと思われる。レバーは引き続き三和電子製。

 他には天面の開閉機構の廃止、タッチパネルやoptionボタン周辺の配置変更、ヘッドセット端子追加、ケーブルを着脱式から収納式に変更、PS3互換の廃止、底面のレバーボール調整用ホール追加など、ユーザーの意見を取り入れた様々な改良が施されている。

Panthera(発売日:2017/07/28)

Razer Panthera【日本正規代理店保証品】RZ06-01690100-R3J1

Razer Panthera【日本正規代理店保証品】RZ06-01690100-R3J1

 国内正式販売が発表されたPC用ゲーミングデバイスメーカー「Razer」のアケステ。

 現在プロゲーマーの中でも愛用者が多く、天板ワンボタン開閉機能、ケーブル着脱機能、内部にパーツ収納可など、ツアープロにとって嬉しい機能が満載。その分お値段も本格的。パーツは三和電子のものを使用。

Qanba

Obsidian

attasa.shop
 以前から海外で展開していた中国のアケステメーカー「Qanba」が日本での展開を開始。その第一号が上位モデルの「Obsidian」。

 三和電子製レバー・ボタン採用、PS4/PS3/PC対応、ヘッドホン/マイク端子搭載、底面に滑り止め付きなど、フルスペックと言っていい高機能。ただし内部の開閉はネジ式なのでメンテナンス性はそこそこか。

 レバーボールにオリジナルのメタリック製ボールを使用していたり、3パターンのLED発光機能があったりと、ルックスも個性的。

Drone

 こちらはQanbaのエントリー向け的なモデル。軽量・コンパクトボディが特徴。

 レバー・ボタンはオリジナルパーツ。海外サイトによると、ボタンはそのまま三和電子製パーツに換装可能とのこと。一方三和電子製レバーに換装するためにはケーブル接続の加工が必要らしい。

三和電子

SANWA STANDARD ARCADE STICK for PS4 MoNo (現在売り切れ中)

sanwadenshi.shop-pro.jp
 アーケード用のレバー・ボタンを製造している三和電子製のアケステ。レバー・ボタンも当然アーケードと同等の三和電子製。ボタン配置はおそらくブラスト配置と思われる。現在ネット通販のみで販売中とのこと。

 底面滑り止め付きで、メイン以外のボタン・スイッチ類にも三和電子製の製品が使われている模様。かなりの高耐久性が期待できる。ただしタッチパッド非搭載なので注意。

Mad Catz

 先日倒産が決定したMad Catzのアケステは、輸入元であった「アタッサ」というショップで現在も販売中。生産は終了しているはずなので欲しい方はお早めに。


 追記(2019/03/03):アタッサによるサポートも終了したため、購入には注意が必要。 

アーケード ファイトスティック トーナメント エディション 2+(発売日: 2016/05/26)

 下記「アーケード ファイトスティック トーナメント エディション 2」の改良版。

 改良点はL3・R3ボタン、およびタッチパネルが搭載されたこと。お値段据え置きなので今から買うならこちらをオススメ。

アーケード ファイトスティック トーナメント エディション S+(発売日: 2016/02/18)

 こちらはPS3またはXbox360対応だった「アーケード ファイトスティック トーナメントエディション"S"」をPS4/PS3対応にしたもの。2+(ツー)とS+(エス)で紛らわしいので注意。

 ボタン配置、タッチパッド搭載など操作性は上記の2+と同様で、違う所はサイズや重量の他、ボタンによる天板開閉機能やベルト取り付けなどが無いことなど。2+がプレミアムモデルなのに対し、こちらのS+が通常モデルといった印象。

 機能が少ない分、価格も安くなっているので、家庭内で普通にゲームをプレイするならこちらを選ぶといいだろう。

アーケード ファイトスティック アルファ(発売日: 2016/02/18)

 おそらくMad Catz初の小型軽量アケステとなるであろうモデル。ホリの「ファイティングスティックmini4」に相当するモデル。ただしこちらは前面4ボタン6ボタン。

 完全新規モデルであるため使用感などは不明だが、本格的な小型モデルを求めている人には適しているかも。

アーケード ファイトスティック トーナメント エディション 2(発売日: 2014/08/07)

 アーケード筐体と同じサンワパーツを使用しており、PS3・PS4両対応。ウル4、GGXrd、ペルソナ4Uなどのゲームタイトルとのコラボとして、天板のデザインが違うものが複数存在するが、今のところはいずれも機能は同一。

 特徴は、ボタンひとつで天板を開けてメンテナンス可能だったり、天板がアクリルシートなのでデザインをカスタマイズしやすかったり、ケーブルが着脱可能だったり、ショルダーストラップ取り付け用のフックがついていたりと、なにかと機能が豊富な点。そのぶんお値段もかなりお高くなっております。

 いずれの機能も格闘ゲームの大会に出るような人に向けたものなので、家庭用ユーザーには若干オーバースペックな感はあるが、本格志向の人、Mad Catz所属のプロゲーマーのファンの人にはオススメである。

おまけ・Xbox One向けアーケードスティックについて

 (以下は数年前の古い情報ですが、現状が不明なのでそのまま残しておきます)

 上記のリアルアーケードPro.V隼とアーケードファイトスティックTE2には、PS4と同じ次世代機であるXbox One用のバージョンが存在する。

リアルアーケードPro.V隼 for Xbox One Mad Catz Arcade FightStick Tournament Edition 2 (Xbox One) (MCX-FS-MC-TE2) (マッドキャッツ所属プロゲーマー「ウメハラ」、「ときど」、「マゴ」使用モデル)

 ただしいずれもPS4用のような後方互換性はなく、Xbox360には対応していない。おそらくMicrosoftの意向であろう。ビル・ゲイツめ…アイスバケツなんかかぶってる場合じゃなかろうに。

 また「Razer Atrox」というアケステも存在している。海外製であり、日本から買えるのかどうかもよくわからないが。

 Xbox One™用Razer Atroxアーケードスティック

 追記:Xbox One・Xbox360・PCに対応したリアルアーケードPro.が8月に発売中。

 
 Xbox One用のアケステが欲しい人だけでなく、Xbox 360用の新品アケステが欲しい人にもオススメ、というかほぼ唯一の選択肢だろう。

更新履歴

 2015/02/09 「リアルアーケードPro.V 隼」追加)
 2015/04/24 「リアルアーケードPro.Vサイレント隼」「リアルアーケードPro.4 Premium VLX」「DEAD OR ALIVE 5 LAST ROUND 対応スティック」追加、その他大幅に加筆修正)
 2015/06/06 ウル4のPS3スティック対応について追記)
 2015/11/08 RAPV HAYABUSAについて追記)
 2015/11/19 「リアルアーケードPro.V HAYABUSA」「ファイティングスティックmini4」「リアルアーケードPro.V改 XboxOne」を追加、「オススメスティック」を修正、ホリ製品を、新しい物が上に来るよう並び替え)
 2015/12/10 「リアルアーケードPro.V HAYABUSA」追加
 2016/01/04 「リアルアーケードPro.V サイレント HAYABUSA」「アーケード ファイトスティック トーナメント エディション 2+」「アーケード ファイトスティック トーナメント エディション S+」「アーケード ファイトスティック アルファ」追加
 2016/02/18 ストリートファイターVにおけるPS3アーケードスティックについて追記
 2016/04/11 「リアルアーケードPro.V サイレント HAYABUSA」の初期不良について追記
 2016/04/25 「アーケード ファイトスティック トーナメント エディション 2+」の通常モデルについて追記
 2016/06/23 PS3用アーケードスティックのPS4対応についての記述を修正
 2016/09/02 「リアルアーケードPro.4 改」を追加
 2016/09/09 見出しに発売日を追記、その他加筆修正
 2016/09/20 「リアルアーケードPro.4 改」が発売中止となった件を追記
 2016/11/01 「アーケード ファイトスティック アルファ」の記載ミスを修正
 2016/12/06 「リアルアーケードPro.V HAYABUSA 2017年モデル」を追加、「オススメスティック」を変更
 2017/04/03 「鉄拳7対応スティック」を追加、Mad Catz倒産について追記
 2017/04/26 「鉄拳7対応スティック」を「リアルアーケードPro.N HAYABUSA」に差し替え
 2017/06/02 「リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA 2017年モデル 」を追加
 2017/07/10 「リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA 2017年モデル 」「リアルアーケードPro.N HAYABUSA」のリンクを変更
 2017/07/20 「Panthera」を追加、オススメスティックを変更、ホリ製品を現行モデルと旧モデルに分類
 2017/10/18 「ファイティングエッジ刃」を追加
 2018/01/08 「ファイティングエッジ刃」の発売日を1月25日に変更、Qanba「Obsidian」「Drone」追加
 2018/01/25 「オススメのモデルについて」とMad Catzに関する情報を修正
 2018/04/11 三和電子「SANWA STANDARD ARCADE STICK for PS4 MoNo」を追加
 2018/11/21 Razer「Panthera Evo」追加
 2019/03/03 Razer「Panthera Evo」のリンクを追加 「オススメのモデルについて」を修正 MadCatz製品サポート終了について追記
 2019/06/04 「発売予定」の項目、および「ファイティングスティック for PlayStation®4 / PlayStation®3 / PC」「CYBER・アーケードスティック」を追加
 2019/07/03 「ファイティングスティック for PlayStation®4 / PlayStation®3 / PC」を発売予定から移動

*1:これまでのホリのPS4スティックもPCに繋げばそのまま使えるが、正式にPCでの使用をサポートしたのは今回が初めて。

中古の『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA』を購入

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 またしてもアケステを買ってしまった。静音仕様の『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA』。だって中古で安かったんだもの。

購入の経緯

 現在PS3で『ギルティギア イグザード レベレーター』を絶賛プレイ中。わりと毎日ランクマッチにこもる程度にモチベーションが高い。

GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR- - PS3

GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR- - PS3

 その際使っているアケステが『リアルアーケードPro.V3SA』。これまた中古で購入したもの。よく考えたらアケステを新品で買ったことが一度もない。定価が高いものだし、壊れてたとしてもパーツ交換で大抵なんとかなるからね。

rhbiyori.hatenadiary.jp

リアルアーケードPro.V3 SA(PS3用)

リアルアーケードPro.V3 SA(PS3用)

 で、そんなさなかに件の『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA(以下、RAPVSHと略する)』が某中古ハードショップに売っているのを発見。お値段8,000円プラス消費税8パーセント。現在の新品相場の半額である。大変お安い。

安く買えた理由

 なぜそんなにお安いのか。僕は理由を知っている。ほぼ間違いなく、Amazonカスタマーレビューの評価が大変お低くなっておられるからだろう。

 ではなぜそんなに評価が低いのかと言えば、レバーやボタンの操作性にのクセが強かったからというのも一因ではあるだが、最大の理由は初期不良があったから。

 その主たる症状は「ボタンが押しっぱなしになってしまい操作不能になる」というもの。あくまで憶測だが、静音仕様のための独自機構を採用したために生じた症状だろう。現在はメーカーに修理を依頼すれば無償で新品に交換してくれる。

 当然、初期不良がある個体なんじゃないかと警戒したわけだが、自分はボタンを交換するスキルを持っている(っていうかドライバーで裏蓋開ければ誰でも出来る)し、最悪自力でどうしようもない不具合があっても返品すればいい、と思って買ってしまったのである。

開幕5分で異常発生

 で、さっさと話を進めるが、買って帰って早速トレモ(トレーニングモード)で使用感を確かめてみた。

 したところ、なんとなくものの5分も経たないうちに、R1ボタンが押しっぱなしになるという不具合が発生。Amazonレビューに書かれていたのと全く同じ症状である。後ろ入れ中の攻撃がFDに化ける。困る。

 症状はR1ボタンを少しグリグリと押し込んだだけですぐに治まったが、もし対戦中に発症したら由々しき事態である。これでは安心してオンライン対戦など望むべくもない。

 ボタン交換をしようかと考えたが、すぐに思いとどまった。

 ボタンが押しっぱなしになるということは、ボタンキャップが何かに引っかかって上がってこなくなることが原因である可能性が高い。

 ということは、ボタンキャップが引っかからないようにすれば症状は起こらないはず。以前別のアケステのボタンキャップにグリスを塗ったら動きがスムーズになったことがあるので、今回もそれを行えば症状が改善されるのではないか、と考えた。

グリス塗りで症状回復(今のところ)

 そこでさっそくグリス塗りを敢行。使用したのは長らくお世話になっている『セラグリスHG』。

タミヤ メイクアップ材 セラグリスHG 87099

タミヤ メイクアップ材 セラグリスHG 87099

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 裏面。封印シールがあるはずなのだが、跡形もなく剥がされている。中古屋が剥がしたのだろうか。


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 裏ぶたを開けたところ。独自パーツの隼レバーとHAYABUSAボタンが見える。


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 ボタン裏側。左右のツメを押すとボタンキャップを外すことが出来る。三和ボタンよりもキャップを外しやすくなった。


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 ボタンキャップを外したところ。左がボタンキャップ。空洞が少ない構造で音が小さい。この側面にグリスを塗った。右がシート状の消音材。不具合の元凶?


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 最後に静音化のためにホームセンターで買ってきた梱包材を詰めて裏ぶたを閉じた。今回は取り回しの良さを優先してポリスチレン素材のものを選んだが、静音性で言えばRAPV3SAに入れていた綿のほうが高いと思われる。


 グリスを塗ってからオンライン対戦を数十試合やっているが、今のところはボタンが埋まるような自体は発生していない。とりあえず症状は抑えられたと言っていいだろう。

改めてRAPVSHのレビュー

 当座の問題が一段落したところで、改めてRAPVSHのレビューをしたいと思う。

 まず最も重要な操作性だが、自分的にはかなり気に入っている。特にレバーユニットの「サイレントHAYABUSAレバー」。

 とにかくガタツキが少なく動きがスムーズでコマンド入力しやすい。自分は三和通常レバーしか使ったことがないので、三和の静音レバーや隼レバーとの比較は出来ないのだが、少なくとも他と比べて使いにくいということは無い。

 光学式のスイッチを使用しているので通常レバーのようなクリック感は無いのだが、引っかかりがないぶんむしろ素早く入力できるような気がする。感覚的にはちょっとアナログスティックに似ている。

 特に感じたのが、シャフトがガイドに当たったときの「カコッ」という感触が三和のものよりクッキリしているということ。これによりクリック感がなくても入力がわかりやすい。隼からHAYABUSAになるに当ってガイドが改良されたらしく、そのおかげかも知れない。

 ただよく指摘されているとおり、バネがやや固めで入力に力が要るのは間違いない。特に静音モデルはスイッチが無い分より固めに調整されているらしい。

www.4gamer.net

 レバーにもセラグリスHGを塗ったら多少は動きが軽くなったが、もっと軽くしたいなら分解してバネを縮めるなどの加工が必要かもしれない。

 あとガイドに当たる感触が良いと書いたが、その分当たったときの音も大きめ。筐体の構造なども関係しているのだろうが。

 細かい点だと、分解しなければ見えない金属部分のパーツであるシャフトやCリングまでが黒く塗ってあるところに、作り手のこだわりが感じられた。黒ってカッコイイじゃん?(中二病)


 ボタンユニットである「サイレントHAYABUSAボタン」の方は、表面がマットでサラサラなのが好印象。単純に押しやすく、ピアノ押し(自分は実戦で出来ないけど)もやりやすい。

 ボタンキャップとボタンカバーのスキマを少なくしてガタツキを抑えた、と商品説明で謳っているが確かにその通りで、ボタンの中央でも端でも押したときの感触が変わらない。ただ、これが上記の押しっぱなし問題を産んだ原因である可能性はある。

 また分解してわかったことだが、ボタンキャップそのものが他メーカーのものと比較して小さく、内側の余分なスキマが少ない。

 これにより他のボタンよりも打音が抑えられている、というか音の傾向がより軽くなっている。三和の静音ボタンが「チャカチャカ」という音だとすると、このボタンは「パカパカ」という感じ。

 それとキャップの軽さにより、押したときの指への負担が減り、疲れにくくなっている感じもある。

 もうひとつの特徴として、ストロークが短く、ボタンが反応するまでの押し込み量もかなり少ない。平たく言えば、ほんの少し押しただけで反応する。

 入力速度の向上に寄与しているのは間違いないが、このストロークの短さも不具合に関係しているものと思われる。

 「指をボタンの上に置いただけで反応するので使いにくい」というレビューも見たことがあるが、自分はそもそも指を乗せないスタイルなので全く問題無い。むしろ押したはずなのに入力されてないということが減った気がする。

 ちなみにメーカーであるホリに無償修理を頼んだ人のネット上での声を見ると、ストロークが長くなった代わりにちょっとうるさくなった、という人と、普通のボタンみたいにパチパチ音が鳴るようになったという二通りの意見が見られる。

 前者に関しては、おそらくボタン内に入っている静音用のシートをより薄いものに交換したのだろう。ということは僕が持ってる(多分)修理前のボタンの方が静音性自体は高いということになる。別に嬉しくないけど。

 一方後者の方は、通常のHAYABUSAボタンと交換した可能性がある。まさか通常版とサイレント版を間違えて交換したのでは……。見た目も似てるし。だとしたらわりと問題。まぁ真偽の程は定かではないけれども。


 筐体についてだが、薄型低重心化によって確実に安定性はRAPV3よりも増している

 ただ膝置きだとより腕から遠くなったため、姿勢が悪くなりやすいかも。

 使用頻度が低いL3・R3や各種切り替えスイッチが右側面にあるのは、誤操作防止という観点からは良い。ただPS3モードでSELECTボタンの機能を持つSHAREボタンが横にあるのはほんの少し微妙に感じた。ギルティギアならL1・L2同時押しでトレモリセットできるからマシだけど。

 天板表面の素材がビニール系のシートになったっぽく、擦れて印刷が消えることは無くなったようだが、RAPV3SAよりヒンヤリした感触になり、冬場は手が冷たい。そもそも寒いとこでアケステ使う事自体が厳しいから問題ないと言えばないんだけども。

 あと膝置き主流の昨今において、相変わらず底板が鉄板むき出しで滑り止めがごく小さい4本の脚しかないというのも辛い。コストカットの為らしいが、そこはカットしちゃいけないところではないのか。おかげでアケステを買う度に100円ショップですべり止めを探さなければならない。

 そもそもあらゆる家電製品のデザインが洗練されている昨今において、底板が「鉄板切り出して加工しました」感丸出しなのがオシャレじゃないし、ネジ穴がプラスチックなのも分解前提の「リアルアーケード」の名にふさわしく無いんじゃないかとも思うし、ケーブルを収納するスペースの蓋がやけにカパカパして立て付けが悪いし、そんなコストカットの形跡がいたるところに見受けられるにも関わらず新型アケステが出る度に定価が上がっているのも困ったことではある。

 ただゲームセンターにおけるビデオゲームの存在自体が風前の灯状態の現在において、同様に需要が減り続けているアーケードスティックを作り続けてくれているだけでも、感謝せねばならないだろう。ストリートファイターシリーズが無くなったらアケステ市場自体が消滅する危険もあると思う。あ、天板のデザインは結構カッコいいっすよ。


 と、大変長い記事なってしまったが、結論を一言で言えば、いい買い物だった、と言い切ってしまっていいだろう。操作性も静音性も文句なし。問題点も自力で解決できたし。

 これでいつPS4を買っても大丈夫。まぁ今のPS4の格ゲーって、大抵PS3のアケステも使えるんだけどね(詳しくは「レガシーコントローラー」でググるべし)。そこはまぁ、気分の問題、ということで。と、自分の買い物癖を正当化していく。