一つ、大変に困ったことがある。というのは僕が一向に働こうとしない、働きたいと思おうとして思えないということで、本当のところ僕自身は大して困らないのだけれど、そのまさに困らないこと、なかなか困ってくれないということが大きな問題だったりする。
つまり僕としては、毎日日々を暮らしてゆければ御の字、あとはやりたいことをやるだけ、というような感じなのだけれど、うちの母、世間体、及び僕の内なる世間体はそれにノーを突きつけてくる。
それはなぜかというと、人が生活を営むためには生活手段というものがこれ必要となるのであり、自ら生計を立てる、つまり自活せねばならないとされていて、特に男子の場合はそれが強い。
でも僕なんかは生来のなまけものゆえに、困ったときに頑張ればええんちゃう?などと思ってしまう。
ほんだら、おまえがなまけもんで働かんならかめへんやん。かってに困ってかってに死んでけばええやん。とあなたはおっしゃるかもしれない。
しかし、僕が本当に困っている問題がひとつだけある。それは自尊心の問題だ。
まっとうに職を得て自活することが男子のステイタスとされている現代において、仕事が無いということは落ちぶれているということと同義である。
落ちぶれている。人間のクズ。ダメダメダメ人間。
それらの言葉、僕の内なる言葉によって僕は日々煩悶し、鬱々とし、うわーと叫んだり、むやみに歩きまわったり、やたらとかき氷を削ったり、こうして文章を書いたりしている。
にもかかわらず、冒頭に書いたように働きたくならないのであって、それは僕がなまけものだから。でもそれって本当?本当なの?本当になまけもだから?違うんじゃない?
僕はなにかが不安で不安でしかたなく、なにが不安なのかもよくわからず、その不安から逃れようとして文章を書いたりしているんじゃないか。
根本的に不安。根源的に不安。なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ、と、十回くらい言ってもそうそうわかるものではないということだけはわかっている。なんなんだろう、この気持ち。グズグズの毎日。