rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

『直球表題ロボットアニメ』を観た

 唐突にアニメの話。

 とある筋から『直球表題ロボットアニメ』というアニメの存在を知り、第一話をニコニコ動画鑑賞したところ、こらおもろいやんけ、となぜか関東人のくせに関西弁で思弁し、そのまま全話をニコニコ動画で視聴してしまった次第。

直球表題ロボットアニメ vol.1[CD付] [Blu-ray]

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 ストーリーは、人類が滅びてもなお戦争をやめない戦闘用ロボットたちを止めるため、非戦闘用ロボット三体が、かつての人類が持っていた「笑い」という感情を見つけようとする、というもの。

 こう書くとガチガチのシリアスものみたいだが、実際はギャグアニメである。本編冒頭でアニメ『じょしらく』のパロディの

このアニメは
ロボットのかわいさを
お楽しみいただくため
邪魔にならない程度の
差し障りの無い調査を
お楽しみいただく
番組です

 という字幕が出てくることからわかるように、三体の女の子型ロボットがまったりトークするという、ゆるゆるのギャグアニメである。

 内容を一言で言えば、昨今のバラエティ番組などにおける「お笑い」というものをネタにしたアニメである。どうやら監督の石舘光太郎氏はバラエティ番組などで放送作家をしているらしく、そこから生まれたアイデアが投入されているのだろう。

 番組は三パートに別れている。まずAパートは、荒野に集まった三体のロボットが、お笑いにおける定石(「ボケ」「ものまね」「一発ギャグ」など)を学習・実践しようとするものの、無知ゆえにどんどんズレていく、というギャグパート。

 Bパートではシミュレーションマシンを使い、三体が笑いで戦争を無くす方法を探るため、戦場にお笑いアイテム(「ローション相撲」「アツアツおでん」「ぐるぐるバット」など)を投下するシミュレーションをする…という体で、オープニングテーマで流れるロボットが戦うかっこいいアニメに、お笑いアイテムを紛れ込ませて台無しにするという、一種のセルフパロディコーナー。プロが本気で作った極めてシュールな映像はなかなかのインパクトである

 Cパートは、歴史資料館に保存されている、かつて人類が作った施設(「ホームセンター」「スーパーマーケット」など)で使われていた道具の使い道を学ぶ…という体でロボットたちがいわゆる「モノボケ」をする…という体で声優がアドリブでモノボケする、というコーナー。ずいぶん複雑だから実際そのとおりだから仕方ない。

 特にこのCパートが斬新で、ずいぶん変わった収録方法をしたらしい。スタジオで三体のロボット役の声優にスケッチブックを使ってモノボケをしてもらい、それに合わせて後からアニメーションを作成するという「プレスコ」と呼ばれる手法をとったという。そのため、声優の「素」の笑い声などもそのまま使われているのだ。常識破りである。

 また、アニメーションは全編3Dなのだが、制作には「MikuMikuDance」というフリーソフトが使われている。しかも実際にアニメを作っているのは、ニコニコ動画で有名な動画投稿者たち。現代ならではの手法と言える。

 このような斬新な手法を駆使して作られているので、実はスゴいアニメに違いないのだが、自分は今の今までその存在を知らなかった。まさしく「もっと評価されるべき」作品だとであろう。

 個人的な感想で言うと、自分のように「萌え」をあまり解さない人間でも面白く見られたのがよかった。

 あと、冒頭のじょしらく(原作:久米田康治)のパロディもそうだが、最終話での、今までの伏線を回収して強引につじつまを合わせていく手法といい、TV版とネット版でオチが異なるという多段オチとも言うべき展開といい、同じく久米田康治の「さよなら絶望先生」を彷彿とさせた。意図したオマージュなのか、それとも偶然なのか、久米田ファンとしてはちょっと気になるところである。

 ともあれこのアニメ、第一話が無料なので、気になる人は是非見てみるべし。ハマる人にはハマるはず。