rh日和(仮)

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『ブレードランナー』を観た

 リドリー・スコット監督の映画『ブレードランナー』を観た。前々から気になっていたのだが、最近再読した町田康『真実真正日記』にブレードランナー作中のセリフへの言及があったのをキッカケに、そろそろ観よう、と思い立ったのである。

 ブレードランナーにはいろいろなバージョンが存在していて、内容が微妙に異なるらしいが、最新の「ファイナルカット版」のDVDが売っていたのでそれを選んだ。

ブレードランナー ファイナル・カット [DVD]

ブレードランナー ファイナル・カット [DVD]

 最初は難解そうな映画だな、と思って見始めたのだが、全然そんなことはなかったぜ。面白いし、美しいし、ドンドン引き込まれる。ただちょっと説明が少ないので、ある程度予備知識を入れて見たほうがいいと思う。このへんが公開当時ウケなかった理由なのだろう。

 近未来の、日本や中国や東南アジアや中東などの「土着」な感じをごたまぜにした街が舞台で、非常に作りこみが細かい。主人公のデッカードがいきなりうどん屋の屋台に入るトコロは、日本人としては思わずニヤリとせざるを得ない。

 デッカードの目的は人間そっくりの人造人間である「レプリカント」を抹殺すること。どうでもいいが、アメリカ映画では「一度引退したプロフェッショナルを呼び戻す」というパターンが多い気がする。ランボーとかもそうだし、メタルギアソリッドの一作目もその辺へのオマージュだろう。

 人為的に寿命を縮められたレプリカントに感情が芽生えて…というような展開自体は結構ベタだが、陰影を駆使した圧倒的映像美で観たものに深い感動をもたらす。っていうか僕が感動した。切なくなった。

 全体のストーリーよりも、印象的なシーンが多い。とにかく多い。っていうか全シーンが印象的で、息をつく隙がない。特にラストの追いかけっこなんかは、痛々しくてとても見ていられないほど。その後の美しいシーンにカタルシスがあるので頑張って見ましょう。

 「命とはなにか」という重いテーマを扱っているし、バイオレンスも多めで、観たあとに明るい気分になれる感じではないかもしれないが、一度見たら決して忘れられないようなスゴ素晴らしい映画である。後世に多大な影響を与えたのも納得できる。

 あと、ハリソン・フォードの困った顔の演技は、さまぁ~ず三村の「ムムム顔」にちょっと似ていた気がする。どうでもいい。

 Blu-ray版はもっと画質がいいらしいのでぜひ見たいところ。iTunesでHD版を見るのもアリかな。

ブレードランナー ファイナル・カット 製作25周年記念エディション [Blu-ray]

ブレードランナー ファイナル・カット 製作25周年記念エディション [Blu-ray]

ブレードランナー: ファイナル・カット (字幕版)

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