rh日和(仮)

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映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の感想

 本を読む気がしない。ゲームをやる気もしない。こんなときは何をしたらいいだろう。そうだ、映画だ!と常々思っていたことを思い出したので映画を観ることにしようと思った。

 iTunesストアでいろいろ漁ってみて、最初は「スタンド・バイ・ミー(もちろんドラえもんの方ではない)」を観ようかと思ったのだが、ふと「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(GotG*1)」のことを思い出したので、そっちを観ることにした。字幕版で。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー (字幕版)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー (字幕版)

  • James Gunn
  • アクション/アドベンチャー
  • ¥2000

 自分は、めったに映画を見ないくせに毎週「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」を聴いている、というおそらくかなり奇特な人間なのだが、宇多丸師匠がこの映画を大大大絶賛していたことはとても印象に残っている。


ガーディアンズ オブ ザ・ギャラクシー ビッグブラスティン ロケット・ラクーン/Guardians of the Galaxy Big Blastin' Rocket Raccoon
↑タヌキじゃないよ、アライグマだよ。

 しかしそれ以上にこの映画はぼくにとって意義深いものだったりする。なぜならあの「アルティメット マーヴル vs. カプコン3(アルカプ)」に出てきた「ロケット・ラクーン」が主役級で登場しているのだ!

ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM(R) 3(アルティメットマーヴルバーサスカプコン3)

ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM(R) 3(アルティメットマーヴルバーサスカプコン3)

 じゃあなんで公開時に見に行かなかったのか?と思われるかもしれないが、だからぼくには映画を見る習慣がないんだって言ってるじゃん。って誰にキレてるんだ、ぼくは。

 アルカプ参戦時は海外のゲーマーすら「……誰だコイツ?」という程度の認識だったロケット・ラクーンが、本作のおかげで日本での知名度が爆上がりになったというのはちょっと感慨深い。そういえば「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」にもGotG出てたなぁ。と、ぼくがここまでマーベルびいきになったのはひとえにアルカプのおかげである。

 で、映画を観た感想だが、面白かったです。とても。

 何度も書いている通り、普段映画を見ないので大きいことは言えないんですが、「燃えるエンタメSFヒーロー映画」として、傑作と言っていいんじゃないかと思います。ええ。以下、ネタバレありで感想を書いていきます。




 まず映像が大変よろしい。宇宙船バトルやSF的ギミックのクオリティはもちろんのこと、アライグマのロケット・ラクーンや「木人間」のグルートといったキャラクターのCG表現がきわめて自然で、無心に見ているとCGであるということを忘れてしまうほどのレベルに達している。技術の進歩ってスゲー。

 ストーリーはならず者の5人が「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」というチームを組んで悪を倒す、というわかりやすいものだが、金や復讐のために集まっていただけの彼らが徐々に絆を深めていくという過程は非常に胸を熱くさせる。チームものの醍醐味であろう。

 幼いころに宇宙へと連れ去られ故郷を失った「スターロード」ことピーター・クイル、自分の親を殺した悪者に兵器として育てられたガモーラ、知性を植え付けられ怪物となることを余儀なくされたロケット・ラクーン、生まれつきの異形であり「私はグルート」としか話せないグルート、妻と娘を殺され復讐だけを生きがいとしてきたドラックス。彼らはお互いの「弱さ」を知ることで、始めてお互いを理解し「仲間」となるのである。いい。実にいい。


 そんなGotGの面々は、それぞれがカッコよく、かつどこかに愛嬌も感じさせる、魅力あるキャラクターが揃っている。


http://www.flickr.com/photos/26767541@N00/17126038351
photo by ShellyS
 主人公の「スターロード」は、他のマーベルヒーローと比べると少々地味な見た目であり、普段はちょっとマヌケでチャラチャラしているのだが、迫り来るピンチをとっさの機転で切り抜ける知性と、仲間をまとめあげるリーダーシップを有するナイスガイである。こういうキャラ、好きです。


http://www.flickr.com/photos/26767541@N00/17244426340
photo by ShellyS
 「ガモーラ」はいかにもなクール系女戦士だが、クールすぎてロマンスシーンに水を差してしまったりと、ちょっと融通の効かない一面も。キャストは「アバター」でヒロインを演じた「ゾーイ・サルダナ」。色塗り美人である。


ムービー・マスターピース ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ロケット 1/6スケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア
 「ロケット・ラクーン」はその小さな見た目に似合わず、チーム一の凶暴さと、チーム一のメカニック知識を併せ持つ。また、実は自らの出自に悩んでいたり、悲しみに沈む仲間に檄を飛ばしたりと、この映画で最も人間臭いキャラでもある。アライグマらしく(?)いたずら好きの一面も。


http://www.flickr.com/photos/23301167@N05/14938247537
photo by sharkhats
 ならずもの揃いの5人の中で、木人間の「グルート」は最初から終わりまでずっと「いいヤツ」であり、子どもに花をプレゼントする心優しい「癒やしキャラ」。そして植物の身体を自在に変形させて戦うスゴイやつ。まさに「抱かれたい木」ナンバーワンである。


Guardians of the Galaxy Drax The Destroyer (61cm x 91,5cm)
 見た目通り「脳筋キャラ」の「ドラックス」は、暴れることしか考えていないようなフシがあるが、比喩表現を理解できない、空気も読めないという脳筋を超えた「おバカキャラ」な行動で観る者を和ませてくれる。復讐のためだけに生きてきた彼が、戦いを通じて仲間の素晴らしさを知るという展開には思わずグッと来る。本作中で最も成長を遂げたのはしたのは彼であろう。演じるのはWWEで活躍したあの「バティスタ」こと「デビット・バウティスタ」である。

 GotGの敵であり惑星ザンダーの消滅を目論む「ロナン」は威厳たっぷり。一方でガモーラの妹分ながら敵対関係となる「ネビュラ」は、ちょっと扱いが不憫だったりする。

 脇役たちもなかなか味がある。クイルの育ての親で宇宙海賊のリーダー「ヨンドゥ」の「状況次第で敵にも味方にもなる大物」感や、初めはハムスター呼ばわりしていたロケットの名前を叫びながら散っていった(かどうかは明確に描かれないが)「ガーサン・サアル」など、物語を盛りたてている。


http://www.flickr.com/photos/72211182@N00/6660889179
photo by ElDave

 ところで作中に登場する「ノヴァ・コーズ(日本語版では「ノバ軍警察」というちょっとダサい翻訳だった)」は、アルカプにも登場したあの黄色いバケツヘルメットの「ノヴァ」が所属するチームであり、ノヴァに似たヘルメットや制服、ヘルメットについた星形のマークなどがちょくちょく登場する。ぜひノヴァ単体での映画もやってほしいところである。レッツブリンギ!


 BGMとしてちょくちょく70年代アメリカのヒットソングが流れる。クイルの母親がカセットテープにミックスした曲、という設定で、いずれも本作独特のカラッとした重すぎない雰囲気にマッチしているのだが、一番気になったのはランナウェイズの「チェリー・ボム」という曲。

 以前NHKでみうらじゅんと安齋肇がやっている「笑う洋楽展」という番組でPVを観たのだが、全員下着姿の女性バンドが動きまくり叫びまくるという、一度見たら忘れられないほどの極めてインパクトが強いものであった。これがまた重要なシーンでかかるもんだから、思わずニヤリとしてしまった。まぁ、個人的な話である。


 と、いろいろと話が逸れたが、とにかく観ただけで元気が出る映画であり、誰もが楽しめる映画であると言っていいと思う。間違いなく続編が作られると思うので、期待して待ちたい。さて、次は何の映画を観ようかな。

*1:海外版のタイトル「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」を略して「GotG」なのだが、日本版のタイトルは「ザ」が抜けている。読みやすさを重視しているのだろうが、こういうまぎらわしいの、地味にイライラするのでやめて欲しい。