まずはこの動画を見ていただきたい。
Rick Astley - Never Gonna Give You Up - YouTube
ご覧のとおり、なよっとした見た目の割に、異様に声が太い。かなり違和感がある。ハイウエストでシャツインという時代を感じるファッションスタイル、製作者の意図がよくわからない演出、変にクネクネしたダンスなども見どころ(?)である。
この曲のことは、確かかなり昔に衛星放送でやっていた「ロックの要」という、スターダスト・レビューの根本要が洋楽ビデオを紹介する番組で知った*1。歌手の名前すら覚えていなかったが、見た目と声のギャップだけは印象に残っていた。
(追記:あとでよくよく考えたら、ロックの要ではなく「ベストヒットUSA」だったかも。)
で、つい最近、「笑う洋楽展」という、NHK BSでみうらじゅんと安齋肇がやっている洋楽ビデオ紹介番組(NHKとは思えないほどフリーダムな内容。オススメ)を見ていたら、またしてもこの曲が紹介されたのである。しかも「見た目と声が違う」という特集で。
そのインパクトは初めて見た時と全く変わらなかったのだが、同時に、あの頃には無かった、あるひとつの感慨が胸にこみ上げてきていた。
「あれ、これけっこういい曲じゃね……?」と。
そこで例によってネットで詳しく調べてみると、彼の名前は「リック・アストリー」ということ、ちょうど日本がバブル真っ盛りだった頃に世界中で大ヒットを飛ばしたこと、そして日本でもわりと有名にだったらしいということ、などがわかった。
ちなみに彼は、この曲「Never Gonna Give You Up」を歌っている時点でなんと若干21歳。とんだ21歳がいたものである。
そしてこの曲、海外のネットユーザーの間では、「リック・ロール」と呼ばれ、なぜか「釣り動画」の素材としてやたらと人気だったらしい。みんなが見たがるようなタイトルをつけておいて、開いてみたらリック・アストリーでした、的な。日本における「まさに外道」の赤ちゃんや「ガチムチパンツレスリング」的な扱いに近いのかもしれない。
当初は単なる「ネタ扱い」だったリックだが、なんども騙されているうちに、どうやら海外の人もぼくと同様「あれ、これけっこういい曲じゃね……?」と思い始めたらしく、結果的に彼の再評価へと繋がったらしい。面白い話だ。そのおかげもあってか、2014年には来日公演もして、「SMAP×SMAP」にも出演したそうだ。
うっかりこの曲にハマってしまったぼくは、今ではひとりカラオケでこの曲を歌ったりしている。いや、ベタハマりというほどではないんだけど、なんか、ちょっと、いいよね、くらいなポジション。ぼくにとって。
ちなみに現在49歳となったリック・アストリーは、見た目と声がいい感じにマッチしている(と思う)。なんだか残念なような気がしないでもない。本来は良いことなはずなんだけどね。
Rick Astley Sings Live - Never Gonna Give You Up ...
- アーティスト: リック・アストリー
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2014/11/05
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*1:ちなみにこの番組でアシスタントを務めていた坪井志津香は、2011年にアンジャッシュの児島と結婚したらしい。さっきググって初めて知った。へぇ~。