読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

思考だだ漏れノートG

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

非現実パズルゲーム「Antichamber」をプレイ&クリア

ゲーム

 朝、目が覚めたら、心が何かに敗北していることに気づいたので、今日は一日ゲームをしていた。それでいいのか。まぁ、たまにはいいじゃない。

 プレイしたのは「Antichamber」。Steamのセールで買って積んでいたゲームである。デジタルデータしか存在しないダウンロードゲームを「積む」と呼ぶのはどうなんだろう。

store.steampowered.com
rhbiyori.hatenadiary.jp

 ゲーム内容は一人称のパズル。というとSteamゲーマーならば「Portal」や、このブログでも最近紹介した「The Talos Principle」が思い浮かぶかもしれない。

ポータル 2

ポータル 2

rhbiyori.hatenadiary.jp

 それらのゲームと比べたときの、このゲームの特徴は、まず原色を多用した極めて抽象的なグラフィックが挙げられる。
f:id:rhbiyori:20150711165354j:plain,w500
 もはやリアルであることが当たり前となったPCゲームにおいて、ここまで思い切ったシンプルデザインはなかなか珍しい。「Portal」がSFパズルゲーム、「The Talos Principle」が哲学的パズルゲームだとしたら、「Antichamber」は非現実パズルゲームという感じ。


f:id:rhbiyori:20150711172825j:plain,w500
 また、階段を登っても降りても同じ階段の前に戻されたり、同じ場所をぐるぐる回っていたらいつの間にか別の場所に出たり、というように、マップのいたるところで非現実的な物理法則が働いている。まるでエッシャーのだまし絵のように。ゲームだからこそできる、非現実空間の演出によって、脳が混乱するという不思議な体験ができる。

 「Antichamber」は、直訳すると「反・部屋」という意味になる。超意訳するとしたら「不可思議な部屋」といったところか。「Chamber」は、科学実験などで使う、箱状に仕切った空間を指すことがあり、プレイした印象はそっちの意味に近い。まるで科学の実験をしているような、あるいはプレイヤー自身が実験台になっているような

 マップの各所に黒い看板が貼られており、絵と英語の文章が書かれている。例えば、家が火事になって慌てている人の絵には「戻った場所が以前と同じであるとは限らない(意訳)」というメッセージが。まるで人生訓のような内容だが、それがパズルのヒントになっているというしかけ。英語が完全にわからなくても、絵と単語を拾うだけで大体の内容は理解できるだろう。

 プレイ中はESCキーでいつでもスタート地点に戻ることが出来るので、迷う心配がない。さらに一度行った部屋なら、スタート地点から自由にワープできるので、パスルが解けなくなったら一旦戻り、別のパズルに挑戦する、ということもできる。

 ただしマップがけっこう複雑な上、上述の通り各部屋の繋がりが非現実的にねじれているので、マップ全体を把握するのはかなり難しい。


f:id:rhbiyori:20150711172937j:plain,w500
 パズルを進めていくと、不思議な形の銃が手に入る。この銃は、マップ内にある10cm四方程のブロックを吸収したり設置したりするという機能を持っている。パズルの多くは、この銃を駆使し、ブロックを足場にしたり、穴にはめ込んでセンサーを動かし扉を開くことで解くことになる。

 マップ内には複数の色の銃が存在し、青→緑→黄色→赤という順で手に入る。あとから手に入る銃ほど機能が増えていき、それにつれてマップ内を行動できる範囲も増えていく。ゼルダの伝説的な要素。どんな機能があるかはプレイしてのお楽しみ。

 難易度について言うと、アクションが難しくてクリアできないということは無かったが、プレイヤーの発想力を要求するようなパズルが多く、救済措置も特に無いため、解き方がわからなければいつまで経っても進めない。自分は二度ほど詰まったので、諦めてそこだけ攻略動画を見た。

 スタート地点に制限時間1時間30分のタイマーがあるが、タイマーがゼロになってもクリアに支障はない。ゼロになる前にクリアすると何かあるのかと思って2周目をクリアしてみたが(パズルの解き方さえわかってしまえば1周に1時間もかからない)、特に変化はなかった。

 ストーリーは最初から最後までほぼ皆無。逆に言えば、グラフィックと謎解きだけでプレイヤーを引き込む力を持っているとも言える。

 クリアのコツは、現実における己の空間認識を疑うこと、そして、色ごとに異なるブロックの性質を把握すること、ではないかと思う。ゲームならではの非現実感を表現したゲームとして、極めて独特であり、出色。その「不思議感」を味わうためだけでもプレイする価値はある。気がついたら心の敗北は不思議な空間へ飲み込まれ消えてしまった。