某アキバの某PCNETの某ジャンク通り店でキーボードを購入した。写真上が今まで使っていた「Happy Hacking Keyboard Lite2 for Mac」、そして下が今回購入したMicrosoftのエルゴノミクスキーボード「Sculpt Comfort Keyboard」である。
マイクロソフト Sculpt Comfort Keyboard for Business USB Port V5S-00022
- 出版社/メーカー: マイクロソフト
- 発売日: 2012/11/16
- メディア: Personal Computers
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今まで使っていたキーボードもなかなか使い勝手がよく、なんどかこのブログでも記事を書くほど気に入っていた。
しかしいくら使い勝手が良くても、やはり長時間タイピングしていると手首が疲れてくることは避けられず、これはこのキーボードの問題というよりキーボードの形状の問題なのではないかと思い始めた。
そのときふと、以前アキバでやけに安いエルゴノミクスキーボードが売っていたことを思い出し、さっそく買いに行った。
そもそもエルゴノミクスキーボードとは何なのかというと、人体構造に合わせて作られた、特殊な構造のキーボード全般を指す。普通のキーボードを中心から真っ二つにぶった切ったようなものや、両手を置くところがお椀のようにくぼんだものなど、その形状は様々である。
で、今回購入したこの「Sculpt Comfort Keyboard」。Windowsで有名な、かのMicrosoft謹製である。ある程度パソコンに詳しい人なら知っているだろうが、Microsoftの作るパソコン周辺機器は地味に性能がいいことで有名。地味すぎてあまり話題にならないのが悲しいところ。
今回買ったのは通常品と異なり、パッケージが茶色い段ボールのみという簡素なもの。本来は業務用等で販売していたものが流れたのだろう。
価格は1680円だった。同様の簡易包装のものが現在Amazonでは2500円であり、交通費を差し引いても結構得した計算になる。これだからアキバ巡りはやめられねぇ。
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接続は無線で、専用のUSB無線子機をパソコンに刺すだけ。サイズはひと昔前のUSBメモリ程度で小さいが、Logicoolのやつよりは大きい。ドライバは不要(というかMicrosoftのドライバソフトに対応していない)で、パソコンに刺すだけですぐに使える。駆動は単4乾電池2つ。
F1からF12までのファンクションキーは、音量調節などのショートカットキーとしても使える。物理的なスイッチで「ファンクション←→ショートカット」を切り替えるという、比較的珍しいシステムになっている。Macに繋いだ場合、F1からF4までの「音楽再生」「ミュート」「音量ダウン」「音量アップ」のショートカットのみが使えた。
スペースキーがかなり大きい。押しやすくていい。ちなみに海外版の製品はこのデカいキーが横に二つ並んでいて、片方がスペースキー、もう片方がバックスペースキーになっている。そっちの方が結構便利そう。
着脱式のパームレストは合皮素材で質感がいい。さらにパームレストのスタンドを立てることで、奥向きに傾斜させることができる。普通のキーボードとは逆である。ちょっと低めの机であれば、スタンドを立てたほうが打ちやすくなりそうだが、自分が使っている机は結構高いので、スタンドは立てていない。
裏面のすべり止めは肉球のような柔らかい素材ですべりにくく、また打鍵音が机の上に響くのを防いでくれている感じがある。
一部のキーはキーの手前側には、Ctrlキーと併用した時のショートカット機能がプリントされている。地味に親切。知らなかった機能もあった。
使用感について
まず言っておきたいのは、価格の割にけっこうクオリティが高いということ。
キー自体の打鍵感は普通のメンブレンといった感じだが、意外に打鍵音が静かで驚いた。これなら静音を売り文句にしてもいいんじゃないかと思ったレベル。夜中に使っても隣の部屋に気兼ねすることなく使えるだろう。
着脱式のパームレストは質感が良く、着脱部のパーツはかなりしっかりした金属製で壊れにくそう。そもそも着脱式という設計自体、かなり気が利いている。
キー配置は標準的なもので、過不足は無い。ほとんど役割のないInsertキーを小さくしてDeleteキーを大きくするなど、より便利になっている部分もある。
デザインもシックにまとまっていて、デスクの上に置いてあるのを遠くから見ると、なんというか、玄人っぽい感じがする、のは僕だけかな?
正直この使い勝手でこの価格なら、もっと人気が出てもおかしくないとは思うのだが、やはり特殊な形状のせいで注目が集まりにくくなっているのだろう。
今回自分は初めてエルゴノミクスキーボードを使うわけだが、最初は多少戸惑ったが、わりとすぐに慣れることができた。
キー中央部が盛り上がっている形状だが、そこまで突飛な形状ではないので、しばらく使っていれば誰でも使えるようになるだろう。
そしてその形状のおかげで、手のひらが自然にハの字に開くため、手首や肩への負担がかなり減った感じがする。
この記事もSculpt Comfort Keyboardで書いているが、いつもなら2000文字くらい書いたところで手首や肩がだるくなってくるのだが、今はほとんどだるさが無い。エルゴノミクスの効果てきめん。
欲を言うならもうちょっと手のひらが開いていた方が打ちやすい気がするのだが、それならもっと高級なやつを買うべきだろう。
気になる点を挙げると、まず左Ctrlキーが若干遠いこと。左Shiftキーは右に伸びていて押しやすくなっているのに、Ctrlキーは普通のキーボードよりむしろちょっと短い。
Backspaceキーもちょっと遠い。サイズは普通のキーボードと同じなのだが、エルゴノミクス形状の都合上、指の移動距離が長くなってしまう。海外モデルにはSpaceキーの隣に同じサイズの大きいBackspaceキーがあるのだが、日本語配列の関係上かオミットされている。
ファンクションキーがかなり小さく、固くて押しづらいのもマイナス。またF9からF12までのショートカット機能は押しても機能がよくわからない。おそらくWindows8専用の機能だったのではないかと思われる。自分のPCはWindows10。
総じて言うと、エルゴノミクスキーボード初心者に強くおすすめしたい、コスパ抜群の良キーボード。もっと評価されるべきだと思う。
唯一気になるのは、やけに安売りされているという点で、もしかしたら長く使うと欠点が出てきたりする可能性も無いとは言い切れない。
実際のところは、単にもうすぐ廃盤になるので在庫処分で安売りされているだけだと思われる。公式ストアにも売ってないし。
あまりに気に入ったのでもう一台買っておこうか、とも思ったが、次買うときはもっといいエルゴノミクスキーボードを買いたいな、と思い踏みとどまっている。すっかりエルゴノミクスの虜である。
マイクロソフト [人間工学]?有線 キーボード Natural Ergonomic Keyboard 4000 B2M-00028
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マイクロソフト [人間工学] ワイヤレス キーボード+マウス Sculpt Ergonomic Desktop L5V-00022
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グリスも塗った
で、せっかくなので以前HHKB Lite2にも施したグリス塗りをこのキーボードにも施行した。
キートップを固いカードを使って外し、「セラグリスHG」を塗り、戻すという作業。これを一時間ほど繰り返した。うーん、単純作業。
- 出版社/メーカー: タミヤ
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キートップを外すコツは、カードを中心近くに差し込んでから、キーを斜めに持ち上げること。それでも外しづらいキーがある。主に中心付近。
ファンクションキーも外せるが、プラスチック部分を若干痛めてしまったので、無理にやらないほうがいいかも。
ちなみに大型のキーには金属の軸が付いている(メンブレンキーボードは大体そうなっている)が、そこには分解する前からあらかじめグリスが塗られていた。
グリス塗りの結果、キーの動きがスムーズになり、さらに静音性も高まった。グレイト。ますます愛用していけそうだ。