今日も今日とてSteamウィンターセールでゲームを漁る。今回は『Jotun』というアクションゲームをプレイ。PS4・XboxOne・WiiU版もあるらしいが、国内で遊べるかどうかは不明。PS4版は日本語公式ページがあるので多分イケる。
北欧神話の世界観を下敷きとしたゲームである。他のゲームで言うと『ヴァルキリープロファイル』の直接の元ネタであり、『スカイリム』の世界観にも大いに影響を与えているため、日本のゲーマーにとっても馴染み深いのではないだろうか。
海難事故によって命を落とした勇敢なヴァイキングの女戦士「トーラ」が主人公。北欧神話の世界では、戦場で名誉の死を遂げて「ヴァルハラ」という天国に行くことが戦士としての名誉。しかし事故死ではヴァルハラに行くことは出来ない。
そこで、神々からの試練を達成できれば、特別に戦士としてヴァルハラに迎えて貰えることになった。その試練とは、霜の巨人「ヨトゥン」たちに戦って勝つこと。果たしてトーラの運命は? 頑張れトーラ! 負けるなトーラ! というのがストーリーのあらまし。
大変美しい手描きアニメのグラフィックと、拡大・縮小を駆使した迫力ある演出が特徴で、クラシック風の音楽もクオリティが高い。とにかく雰囲気の良いゲームである。
ゲーム内容は、わりとシンプルな見下ろし型の2Dアクション。あまり似たようなゲームが思いつかないが、強いて言うなら『聖剣伝説2』を純粋なアクションにした感じ、だろうか。
Xボタン(Xbox360コントローラー準拠、以下同様)で「弱攻撃」、Yボタンで溜め可能な「強攻撃」、Aボタンで「前転回避」、そしてBボタンで「神力」という特殊な能力を使うことができる。
神力は「ロキ」や「トール」といった神々にちなんだパワーを使える魔法のようなもので、体力を回復したり、一定時間攻撃を防ぐシールドを貼ったりできる。回数制で最大2~3回しか使えないので、ここぞというときに使うべし。
ゲームの流れは、マップを探索して「ルーン」を集めるパートと、巨人と戦うボス戦の2つのパートに分かれる。ボスの特徴に合わせたバラエティに飛んだマップは大変美しい。生き物や建物など、あらゆるものがデカイので、まるで小人になったような気分。
主人公の移動速度が若干遅いのでマップ探索に時間がかかる、というレビューもあるが、美しいグラフィックと雰囲気を味わうためにあえてそのように設計されていると感じたし、同じマップを何度も行き来するわけではないので、自分はそんなに気にならなかった。。
マップ内には体力の最大値を増やせる「イスンのリンゴ」や、新しい神力を覚えれられる石像が配置されており、これらがコンプリート要素にもなっている。
そして本作の一番のキモとなるのが、巨大なボスたちとのバトル。
初見で勝つのは難しいが、何度も戦って攻撃パターンを見極め、神力も駆使してようやく勝てる、というかつての良作ゲームのような実に良いバランスに仕上がっている。
巨大なボスとの戦い、というと『ワンダの巨像』などが思い浮かぶが、個人的には『デビルメイクライ(特に4)』のボス戦っぽいと感じた。それぞれのボスの属性も割と似てるし。
上述のようにシンプルなアクション性なので、反射神経よりも戦術が重要。なのである程度アクションが苦手な人でも楽しめると思う。ラスボスは別格の強さだったが。
なお、女主人公、と聞いて萌え系かと思う人もいるかもしれないが、むしろ真逆。トーラの見た目はどちらかというと「ブタゴリラの母がヴァイキングの格好をしている」といった感じ。そりゃ屈強な戦士だもんね……。ゲームの雰囲気には合っているので違和感は無いし、そもそも顔グラフィックが出る機会は最初だけなんだけども。
本編クリアまでの時間は3時間強。一気に終わらせたので、毎日ちょこちょこ進めていたらもうちょっと時間がかかったかもしれない。ボリュームが多いとはいえないが価格を考えれば相応かそれ以上だろう。
ちなみに、一度ゲームをクリアすればリンゴや神力を覚えられる石像があるポイントがマップ上に表示されるようになるので、実績の解除が楽になる。
総じて言うと、硬派なアクションやファンタジーな雰囲気を求めている人には是非オススメしたいゲーム。良作。
ゲーム本編をクリアすると、強化された本編のボスたちと戦える「ヴァルハラモード」がプレイできるようになる。最近のアプデで追加されたモードらしいのだが、とにかくボスが強く、ちょっとやっただけでは最初のボスすら倒すことができなかった。おまけモードっぽいので他のゲームで飽きたら合間にやろうかな、と思う。