rh日和(仮)

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PS4のアクション『UNRAVEL』をプレイ

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 アクションパズルゲーム『UNRAVEL』のPS4版をプレイした。

Unravel™  [オンラインコード]

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 ギルティギアの為に買ったPS4だが、他のゲームもやらなきゃもったいない、ということでPSNで見つけたのがこのゲーム。インディーズゲームのセールで安くなっており、いかにも自分好みな見た目だったのでさっそくプレイした。

 インディーズゲーム、とはいうものの、配信は大手のEAで、制作はスウェーデンの小さなデベロッパーらしい。インディーズの定義にも色々あるのだろうか。


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 プレイしてまず目に飛び込んでくるのが、リアルかつ鮮やかなグラフィック

 主人公である小さな毛糸人形「ヤーニー(ヤーン=紡ぎ糸)」を動かして進んでいくのだが、家具や庭の草花、水や小動物などが実に緻密に描かれており、プレイした誰もが目を見張るだろう。「虫観視点」とでも言うべきミニチュア視点を存分に味わえる。

 あえて遠景をぼかすことで、近景の画質を上げつつ空間の奥行きを表現するという手法も実に見事。莫大な開発費を費やしたゲームも良いが、こういった工夫によって映像美を生み出しているゲームもまた良いものである。

 ただ美しいだけでなく、自然の脅威や人間の恐ろしさも描かれるなど、シリアスな場面も出てくる。大人向けの絵本のような世界観。


 ゲーム内容は3D表現の2Dアクションゲーム。ステージの随所にあるパズル要素を解きながら先に進んでいく。知っている人は「LIMBO」や「INSIDE」をイメージすればわかりやすいだろう。キャラクターの挙動や物理演算の感じにも共通する感覚がある。

 本作独自の要素は、ヤーニーが出す毛糸。

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 ヤーニーは自分の体から投げ縄のように毛糸を飛ばし、ワイヤーアクションのようにぶら下がったり、手繰り寄せて壁を登ったりできるのである。

 ただ登ったりブランコのように移動する以外にも、毛糸を二ヶ所に結んで綱渡りの要領で上に乗ったり、その上でトランポリンのように跳ねたり、毛糸の上に物を載せて運ぶなど、多彩なアクションが可能。

 またヤーニーは常に自分の体をほどいて後方に糸を出しながら進んでいくため、途中で毛糸を補充しながら進まなければならない。

 しかしデメリットばかりではなく、穴に落ちたときなどに自分が出してきた毛糸に捕まれば落下を免れることも。終盤には「投げる糸」と「体からの糸」の二つを駆使する場面も出てくる。

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 ステージギミックも豊富で、演出も多彩。自然物や人工物を上手く落とし込んでいる。

 空を飛び、川を渡り、山を登り、機械を操る。小さな大冒険を味わえる。


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 もうひとつの本作の特徴はストーリー。

 物語は主にムービーで語られ、言語はあまり登場しないのだが、その内容から推測されるのは「おばあちゃんの記憶をヤーニーが不思議な力で辿る」という、一見かなーり渋い、しかし実にハートフルなお話。

 自然豊かな生活を送る子供時代、家族との思い出、苦難、おじいちゃんとの出会い、そして別れ。

 そんなおばあちゃんの記憶を、古い写真の中に入り込んだヤーニーの目を通して追体験できる。プレイ後には、まるで一本の映画を見たような感動が湧き上がってくるだろう。


 一方で、雰囲気重視ゲームと見せかけて難易度がまぁまぁ高めなのには正直言って面食らった。

 毛糸のメダルのようなものを集める収集要素もあるのだが、こちらはさらに数段難易度が高く、はっきりとゲーマー向けの調整。

 ヤーニーは毛糸で出来ているハズなのに、水に落ちると溺れてしまうなど、少々虚弱体質なのも気になるところ。

 まぁ毛糸が水を含むと動けなくなってしまうのかな、と多少納得できなくはないが、さすがに高いところから落ちると死んでしまうのはどうなのか。どう見ても虫以下の体重なのに。かわいいから許すけど。

 この辺は、近年のニンテンドー製2Dアクション程度の易しさにして、対象年齢を下げたほうがよかったのではないかという気がする。

 しかしこれはむしろ、普段ゲームばっかりやってるゲーマーに美しい自然とおばあちゃんの波乱万丈を見せつけることで、その荒んだ心を癒やすことを目的とした設計なのかもしれない。いや、違うか。

 またステージクリア後にはアルバムに写真が追加され、そこに数行の「語り」が添えられるのだが、その文章があまりにも直訳で、フォントもイマイチ雰囲気にあっていない。このあたりはインディーズゆえに仕方ないところなのだろうか。


 ともあれ良いゲームであることは間違いないので、気になった方は是非プレイをば。そして自分の来し方行く末に思いを馳せてみるのも良いだろう。

(画像はPC版配信サイトより引用Origin