Steam版『Octodad: Dadliest Catch』をプレイした。先日終了したSteamサマーセールで買ったソフトその4。
タコでありながら人間の妻と娘を持つ主人公を操り、周囲に自分がタコであるとバレぬように振る舞いつつ、夫として、そして父としての人生を追体験するゲームである。オクトパスのダッド。だからオクトダッド。
見た目がタコ・ソノモノかつ「ブルブル」としか喋れないにも関わらず、主人公を人間であると信じて疑わない妻や娘。物理演算に則ってムチャクチャに伸び縮みする主人公の手足。それに伴ってハチャメチャにぶっ飛びまくるオブジェクト。頭にカツラ代わりの海藻を乗せただけで同僚と勘違いする海洋学者。等など。
ツッコミだしたらキリがないムチャクチャな設定で、プレイヤーの常識に揺さぶりをかけてくる本作。よーするに、企まれた「バカゲー」である。もちろんいい意味で。
プレイ動画などを見て存在は知っていたのだが、正直「一発ネタだろうなー」という印象を受けたので買いはしなかったのを、セールで安くなっていたので購入した次第。
実際に自分の手でプレイしてみた第一印象は、動画を見て得たイメージよりずっと「とっつきやすい」ゲームだということ。
タコである主人公の挙動自体はかなり不規則ではあるのだが、キチンと丁寧に操作すれば思いのほか思い通りに(重複表現)操作可能。
軟体ゆえに場合によってはオブジェクトの合間に挟まって動けなくなってしまうこともあるが、即座にリスタートできるのであまりストレスにはならない。
そんなわけで、アクションゲームとしてもなかなか楽しめる。根本的に大味なゲームであることもまた事実だが。
ボリュームはそれほど多くなく、「マジメにキチンと丁寧に」プレイしてしまうと、わりとすぐにゲームクリアまで行けてしまったりする。
ステージに隠されたネクタイを探すというコンプリート要素もあるが、正直オマケ感が強い。
やはり本作は、主人公の軟体から繰り出されるありえない動作や、それによって偶発的に発生する奇想天外な攻略方法を眺めてゲラゲラ笑う、というのがメインの楽しみ方だと思う。
マルチプレイにも対応しているのだが、その内容は「各々のプレイヤーに主人公の4本の手足を割り振って操作する」という大変奇抜な感じのもの。カオス必至である。
独特のけだるいメロディで人気のテーマソングは、PS4版(国内ではダウンロード版のみ)なら日本語歌詞バージョンが流れるらしい。妙な力の入りよう。
総じて、たまにはこんなカジュアルで笑えるゲームも良いな、と思える作品。シュールなのに妙に人情味のあるストーリーも、ちょっと腹立つ、けど憎めない。
欧米でタコがデビルフィッシュと呼ばれてることを考えると、あちらではややゲテモノ寄りの評価のゲームなのかもしれないが、タコに馴染みの深い日本ではもっと流行っても良いゲームなんじゃないか、なんてことに思いを馳せることもできる本作。ゼヒ一度プレイしてみて、その独特すぎる軟体ムーヴだけでも味わってみて欲しい。
(画像はSteam配信サイトより引用)