rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

PS4版『The Witness』をプレイ&クリア 一人称+一筆書きパズル+島探索ゲーム

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 PS4の一人称パズルゲーム『The Witness』をプレイした。

www.youtube.com

 本作の存在は発売当初から知っており、Steam版をウイッシュリストに入れていたのだが、レビューの中に賛否が入りまじっていたため購入をためらっていた。

 そんな中PSストアのインディーズゲームセールで1,000円ちょっとまで値下がりしていたのを発見。プレイ中だったデッドライジングをちょうどひとしきり遊んだところだったので、手を出してみることに。

 結論から申し上げるなら、メチャクチャ面白かった。これまで何本か一人称パズルをプレイしてきたが、その中でもトップクラスのハマり方だった。

 しかし万人にオススメできるゲームとは言い難い部分がいくつかあり、レビューの評価が下がっているのも仕方ないと思う。そのへんのことについて以下に書いていく。

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 無人島の各地に置かれたパズルを探し出し、それを解いて脱出を目指すのが本作の目的。パズルは基本的にパネル状の物体に描かれた図形を一筆書きの要領でなぞることで解くものとなっている。言葉だと伝わりにくいが動画を見ればすぐわかる。

 無人島でパズルを解くというコンセプトはPCゲーム黎明期の名作『MYST』を彷彿とさせ、実際に本作はそれをリスペクトして作られたらしい。MYSTといえば物心つきたてくらいの頃にプレイした記憶があったり。

 パネルごとに記号などで示される様々なルールがあり、それを満たさなければクリア扱いにならないのだが、ルールそのものを自力で発見せねばならない。これが本作の大きな特徴の一つであると言っていいと思う。

 ルールというのは「自分が引いたライン及び四方の壁を空間と見立てた時に、同じ空間に白と黒の四角を入れてはいけない」とか「全ての黒い六角形の点は全てなぞらなければならない」だとか。文章で書くと大変まだるっこしいが実際にプレイすればわかるハズ。

 例えばクロスワードパズルは「ヒントから推測した単語で盤面を埋めていく」というルールがあらかじめ明かされているわけだが、そのルールを全く知らない人が盤面とヒントの羅列だけを見てクロスワードを解いていくような感じ。

 実プレイヤーにルールを覚えさせるために、特定のルールを使った簡単なパネルを複数用意したゾーンが各所に存在し、それが実質的なチュートリアルとなっている。

 ただ言語によるルール説明は一切無く、結局のところプレイヤー自身の「ひらめき」が無ければ永久にルールを理解できない可能性があり、それがゲームとしての敷居を上げてしまっている。

 またルール説明無しのぶっつけ本番で解かなければならないパズルも多く、それがハマってしまう危険性をより高めてしまっている。

 全部のパズルを解かなくてもエンディングまではたどり着けるようになっており、自分も自力クリアはしたがコンプリートはしていない。正直自力で全クリする気力は今のところ無い。

 色の要素があるパズルも登場するのだが、色覚に個人差があることを考えると万人向けといえるのかちょっと疑問があった。

 ネタバレ防止のため詳細は伏せるが、画面からの情報以外が必要となるパズルも存在する。一応画面を注意深く観察していればヒントはあるが。

 全体的に言えるのは、パズル脳、すなわちある程度のパズルの素養がある人ではないとクリアはちょっと厳しいのかもしれないということ。

 今回手元にメモ帳を置いてプレイしたが、パズルゲームでそこまでやったのはおそらくこれが初めて。それくらい難易度が高い。

 あくまで印象だが、なんとなくIQテストを受けさせられているような感じもあり、そもそもこれをゲームと呼べるのかどうかという疑問も浮かぶ。


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 そんなこんながありつつも、自分はドハマリしてしまった。なぜか。

 それは難しい問題が解けた時のキモチよさ。これに尽きる。

 「全然わかんねぇ……」と半ば諦めかけていたパズルを観察し続け、「あれ、ここってこうじゃね?」と仮説を立て、それがピッタリハマって見事にクリアできた時の喜び。思わず画面の前でうなったことが一度や二度では無い。

 複雑そうな問題に長時間頭を抱えた後、実はものすごく単純な方法でクリアできることに気づいたときの「してやられた感」。悔しいけどなぜか悪くない気分。

 そういったパズルゲームの良さがギッシリと詰まっており、しかも全く無駄な要素が無い。まるでこのゲームそのものが1個の完成されたパズルのよう。


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 島中を巡ってパズルを探すという探索要素も多く、それなりに移動時間も長い。

 アニメチックなレンダリングのCGで描かれる風景は、狭い島の中に雪山とジャングルと砂漠が同居するような不自然さだが、逆にそれが独特の雰囲気を醸している。

 クリアとは直接関係ない、いわゆる隠し要素もふんだん。各所に置かれたテープレコーダーからはアカデミックな文章の朗読が聞けたりする。翻訳もバッチリ。

 さらにパネルに描かれたパズルとは別の、もっとダイナミックな一筆書きパズルも存在する。詳細は伏せるがバリエーションに富んでいてなかなか楽しい。


 とにかく難しいパズルに頭を捻りたいパズルフリークの人や、たまには頭を使ったゲームをやりたいゲーマーには是非オススメの一作。

 もうちょっと難易度が低ければ「雰囲気ゲー」として幅広く人気が出たかもしれない惜しさはあるが、そこは難易度とやりがいのトレードオフだから仕方ないのかもしれない。

(画像はSteam版『The Witness』配信サイトより引用)