rh日和(仮)

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『GRAVITY DAZE 2』をクリアした感想

 PS4のアクションゲーム『GRAVITY DAZE 2』をクリアしたので感想を書きたい。

GRAVITY DAZE 2 初回限定版 - PS4

GRAVITY DAZE 2 初回限定版 - PS4

 前作『GRAVITY DAZE』をPSプラスのフリープレイでクリアし、続けざまに買ってやり始めた続編。ちなみに正式タイトルは『GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』らしいが、長すぎて公式サイトですら省略されている。そりゃそうだ。

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 正直に言うと本作は、序盤から中盤にかけてはプレイしていてダレることが多く、途中でやめようかとすら思ったのだが、終盤にかけてのストーリーがどんどん面白くなってきた。ハマりすぎてブログの更新が滞るほどに。

 そして今現在、いいゲームをクリアした後に特有の、筆舌し難い虚脱感に見舞われている状態。ぶっちゃけもうキトゥンちゃん(※主人公)のことしか考えられない。

 なにが良かったかというと、まずキトゥンは大変な不幸体質なわけです。第一作の冒頭からして、見知らぬ街で記憶を失った状態で目覚めるわけですし。

 オマケになにかっていうと厄介事に巻き込まれる。街の人に面倒な頼み事を押し付けられたりする。ネット上ではチョロいヒロイン、略して「チョロイン」なんて呼ばれたりする。

 で、一生懸命問題解決したのに、あまり感謝してもらえないこともしばしば。後に重力姫と呼ばれて街の人気者になったと思いきや、とある事件でまた別の街に飛ばされて戻れなくなってしまう。

 それでもいつも明るくて楽天的な彼女は、健気に頑張る。尊い。ただひたすら尊い。可愛いというより愛らしい。

 そしてそんな彼女が最後に迎える結末は……というのはネタバレになるのでもちろん言わないけども、とにかく本当に素敵なラストだった。

 さらにストーリーの細かいところに伏線が散りばめられていて、それが見事に回収されるもんだから、感動がひとしお。2のエンディングの後に1をもう一度最初からやると、メチャクチャ心に沁みるのでオススメである。


 「重力操作」という独特のアクションは前作からさらにパワーアップし、3つのモードを切り替えて戦ったり飛び回ったりできる。

 ファンタジー+SFな世界観も非常に凝っていて、街並みはレトロと現代とテクノロジーが入り混じっており、ただ歩き回るだけでも楽しい。

 BGMも上質。著名な作曲家が手がけているだけあってキャッチーかつムーディー。要所での音楽を使った演出も非常にウマく、特にあの曲はプレイした人なら深く心に刻まれていることだろう。作曲者自らが率いるバンドによる生演奏が公式にYoutubeへ投稿されているので要チェックである。


『GRAVITY DAZE 2』 発表会スペシャルミニライブ

 キャラクター同士の軽妙な掛け合いも本作の魅力の一つ。プレイ前は「グラビティデイズ」という濁点が多いタイトルから重たいストーリーを想像していたのだが、実際は明るいムードが基調で、時々現実のキビシさが織り混ざるような感じ。サブクエストのキャラですら魅力的で困る。いや困らないけど。


 本作のアクション面でのテーマは「重力」なわけだが、ストーリーにおいては、重力と密接に関係した概念である「時間」と「空間」が重要なモチーフとなっている。

 今ここにある地球に住んでいる僕ら人類は、全員が同じ時間と空間の中におり、それを当たり前のことと考えて生きている。それ前提の意識を持っている。

 しかしもしその前提が崩れたら。世界の時間と空間がもっとあやふやでうつろいやすいものだったとしたら。果たしてそこで生きる人々の思いと行いはどうなるのか。どう考えどう生きるのか。本作はそれが活写されている。

 自らの記憶(=過去)を持たず、しかし常に明るく優しいキトゥンは、絶望を乗り越えて未来を目指す、まさに真のヒロインだ。個人的にはなんとなくドラゴンボールの悟空を彷彿とさせるのだが、これは最近ドラゴンボールのゲームをやったせいだろう。でもクロウはベジータっぽいよね。まぁいいや。

 そう考えると、キトゥンが時間と空間を切り取るカメラを持ち歩いているというのも示唆的だ。が、だんだん似非サブカルっぽい文章になってきたのでこのへんにしとこう。


 冒頭で、途中ちょっとダレた、と書いたが、アクションゲームとしてストレスが溜まる箇所があったのは事実。

 特に、重力を使わずに敵を倒せとか、空中にいる敵に見つからないように地面を走れとかいうミッションがいくつかあり、せっかくの重力操作アクションが使えなかったりするのはもったいないと感じた。

 そもそも「どこへでも飛んでいける能力」がデフォルトのゲームなので、いざミッションを作ろうとすると、その能力を制限する方向に向かってしまうのは避けられないのだろう。


 しかし何度でも言うが、とにかくストーリー・世界観・音楽・キャラクターその他もろもろがとにかく良いので、ゼヒ1と2を通してプレイして頂きたい。その価値はある。マジで。

 大げさかもしれないが、自分にとっての「人生の中で出会えてよかったと心から感じるゲームリスト」には確実に入っている。2017年は大作ゲームが多すぎたせいで、今ひとつマイナーな感があるが、紛れもない名作。

 ちなみに非同期のオンライン要素を搭載した本作だが、今年1月に終了予定だったオンラインサービスがなんらかの理由で7月まで延長した模様。ファンからの強い要望があったのだろうか。他のプレイヤーの写真を見れたりして楽しいので、終了前に遊んでおくことをオススメしたい。