ある朝目覚めると鳥がこっちを見ていた。こっち見んな。
などという私は実は今目覚めたのではなく、さっきから今までずっと地球を見下ろしていたのだ。宇宙船から。なぜなら私は宇宙人だから。
しかし、宇宙人が日本語で日記を書けるわけは無いので、これは嘘である。
私はこの地球に偏在する、意志だけで実体を持たない存在である。
でも、存在しないのに文章を書くことは出来ないのでこれもおかしい。理屈の上であり得ない。
だから私はこうしてここに存在している。それは間違いない。
でもでも、もし私が、私は脳です、と言ったところでそれは間違いでしょう。脳だって字を書けないしね。
だから、私は私ですと言ったところで、その真実性を保証する物は何もない。
だからだから、私は年収五十三兆です、といったところで、それが本当か嘘かを判断する材料は、その文章の中に存在しないのである。
で、結局僕が何を言いたいかというと、別に何にもないって言うか、勝手に独自に考えて下さい。そしてそれを教えて下さい。僕に。そっと。