rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

天国の音

至福の音を聞いた。それはまるで全方位から聞こえて来るようだった。

視界は純白だった。全てが白だったら暗闇と同じになってしまうわけで、まぁつまりは視界の大部分が純白だった。

ここは天国だと思った。すると僕はもう死んでしまったことになる。

この最も素晴らしい状況に至るためには、最も悪い経験をくぐりぬけなければならない。それって一種の皮肉なんじゃないだろうかと思った。

そこに一人の人物が現れた。神様だった。

正確に言えば、出会った瞬間に神様なのだと直感させられた。もしかしたらこいつは悪魔なのかもしれないが、その判断を下すのは後回しでも構わないだろう。

神様は言った。地上を天国と同じに創りかえた、と。

それって結局、全員死んでるのと同じなんじゃないか、と思った。

さらに神様は続けた。今度は全ての人を自分と同じに創りかえるつもりだ、と。

それって結局、神様一人しかいないのと同じなんじゃないのか、と、今度は口に出して言ってみた。

神様は何も言わなかった。誰も何も言わなかった。

空気は清流のように澄み渡り、太陽はここちよい暖かさを全てに注いでいた。