rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

Windows 8のよいところ、よくないところ+OS Xとの相似点

 8月15日に公開となった、製品版と同仕様の体験版である『Windows 8 RTM』を、メインで使っているMacBook AirにBootcampでインストールした。
 今までも、プレビュー版である『Windows 8 CP』や『RP』を使ってきたが、重い処理をすると勝手にシャットダウンしてしまうなど、安定感に不安があった。しかし、RTMをしばらく動かしてみたところ、流石に天下のWindowsの製品版、の同仕様だけあって、動作は非常に安定している。というかむしろ軽い。
 なんだかんだと批判されがちなWindows 8だが、言われているほどダメではないと思う。旧来のデスクトップUIはちゃんと残っているし、Modern UIのアプリは結構斬新だ。
 とは言うものの、賛否両論出るのは仕方ないとも思う。以前Windows 8を『持ち手が二つある金槌』に喩えて皮肉ったネタ画像があったが、結構的を射ていると思う。デスクトップとModern、二つの持ち手がついている、という意味で。
 ネガティブな意見はほとんど出尽くしていると思うので、ここではあえてWindows 8のよいところを挙げていこうと思う。そっちのほうが逆に需要がありそう。
 あと、一応まかりなりにも自分はMacユーザーなので、OS Xとの相似点みたいなのも少しだけ挙げてみたいと思う。いや、決してパクってるとか言いたいわけではない。Windows・Mac共に、「モバイルとの統合」という近年の流れにある以上、どこかしら似通った部分が出てくるのは避けられないのだろう、ということを言いたいだけだ。いや、ほんとに。
 ほぼ完全に余談だが、Windows 8の操作方法は、週刊アスキーのウェブサイトに割と詳しく乗っているので、ぜひ一度見ることをオススメしたい。自分も勉強させていただきました。

Windows 8のよいところ

速い・軽い

 起動してまず気づいたのが、『速さ』。と言っても、Windows 7と比較したわけではないからわからないんだけど、Wikipediaに「起動の速さを改善」と書いてあるので間違い無いだろう。流石にMacBook AirでOS Xを起動する速さには敵わないが、それでも十分に速い。ちなみに電源ボタンを押してからログイン画面に移るまでの時間は、Windows 8が約40秒、OS Xが約14秒。Boot Campであることを考えれば十分に速いと言えるだろう。
 スリープからの起動は、ほとんど同じくらいの速さ。というか、どちらも速すぎて比較が難しい感じ。このへんはどちらかと言うとSSDのおかげだろう。
 インストールが結構簡単だったのも印象的。あと、インストール後のOS自体の容量は約10GBと、全体的に「軽量」な印象。新時代のOS、といった感じ。

「スタート画面」のコンセプト

 Windows 8を起動してログインするとまず飛ばされるのが、Modern UIを象徴している「スタート画面」。アプリがタイル状に並び、クリック(もしくはタッチパネルをタップ)するとアプリが開く。
 Windows 8に対する批判のほとんどがスタート画面に対するものであるようだが、スタート画面のコンセプト自体は個人的に面白いと思う。
 スタート画面の役割というのは、簡単に言えば「ランチャー+通知」なのだ。スタート画面によく使うアプリを並べておいて、使いたい時にすぐに起動するという「ランチャー機能」。それに加え、メールの受信状況、天気、ソーシャルサービスのコメントなどは、アプリを起動しなくてもタイル内に表示してくれる。これが「通知機能」。この二つのハイブリッドが新しいスタート画面なのだ。ある程度好意的に解釈すれば。

Modern UI アプリ

 Modern UIに対応したアプリは、基本的に全画面表示となる。iPhoneなどを使っている人は、iOSのアプリをイメージしてもらえるとわかりやすいと思う。全画面の他に、画面の右か左に縦長にアプリを表示することもできるので、例えば画面の右側にTwitterのタイムラインを表示しつつ、従来のデスクトップUIで作業、なんてことが可能。ただ、サイズ変更は出来ないっぽいのでイマイチ融通がきかない。
 印象に残ったのは、まず「メール」アプリ。非常にシンプルなUI(シンプルすぎる気もするが)な上に、Microsoft以外のメールサービスであるGmailやiCloudのメールも問題なく使えた。
 次に「ニュース」アプリ。開くと、ニュースに使われている画像が大画面で表示され、その上にニュースの文章が表示される、というスタイルが、結構かっこいい。
 そして、Microsoftが相当力を入れているのがゲーム関係のアプリ。とりあえず無料のソリティアやマインスイーパをプレイしてみたが、かなりクオリティが高い。また例えがアレで申し訳ないが、大体有料のiOSアプリくらいのクオリティだと感じた。

新しい操作方法「画面端クリック」

 Windows 8で新たに追加された操作方法のうち、かなりいいと思ったのがこの画面端クリック。画面左下端クリックでスタート画面、画面左上クリックでアプリの切り替え、といった操作が可能。これはタブレットなどのタッチ操作を意識した機能だと思うが、マウスで使う場合でも結構使いやすい。
 OS Xにはホットコーナーという機能があって、画面端にカーソルを持って行くと特定の動作をさせるよう設定することが可能だが、誤作動するので自分は使っていない(余談だが、修飾キーと組み合わせれば誤動作防止できることを今知ったので、やっぱり使うかもしれない)。画面端クリックはOS Xにも欲しい機能だと思う。

デスクトップは今まで通り

 デスクトップUIの方は、Windows 7とほとんど変わっていないように見受けられる。というのも、FirefoxやEchofonなどの普段使っているソフトは、Windows 7版をインストールしても全く問題無く動作する。UIのデザインも、Aeroというガラス風のものからModernのタイル風に変わっているのだが、基本は同じ。
 変わらないのがいいことか悪いことかは置いておいて、少なくともWindows 7からの乗り換えは非常にスムーズに出来るのではないかと思う。

OS Xとの相似点

  • Launchpad+Dashboard

 Windows 8のスタート画面は、ランチャーという意味ではLaunchpadにちょっと近い。もちろんそんなには似ていないが。
 また、様々な通知を一覧表示できるという点では、Dashboard(の本来Appleが想定していたと推測される使用方法)に近い気がする。逆に言うと、Windows 8はログインするといきなりDashboardに飛ばされるようなものだ、と考えるとちょっとアレな気がする。

フルスクリーン機能

 OS X Lionで追加されたフルスクリーン機能は、iPadのマルチタスク機能を意識したもの(順番逆だっけ?)だが、OS Xの四本指スワイプでアプリを切り替える感覚と、Windows 8の画面左上クリックでアプリを切り替える感覚はかなり似ている。どちらも、近年のハード性能向上によるマルチタスク化を受けての工夫なのだろう。

dock

 タスクバーに関しては、Windows 7の時点でかなりdockに寄せてきていたわけだが、スタートメニューの廃止によって、より一層似たものになった。dockはバッチ表示が可能だったり、タスクバーはマウスオーバーでウインドウが一覧表示されたりと、機能性に関しては一長一短な感じ。

Spotlight

 Windows 8には、通常のファイル検索の他に、パソコン内のアプリを検索する機能が追加されている。ちなみにショートカットキーはWindowsキー+Qだったはず。適当にカチャカチャやっていたら見つけた。これはSpotlightに追いついた形。

Windows 8のよくないところ

 いい部分も結構書いたので、少しくらいよくない部分についても書かせていただきたい。
 上のほうでModern UI「自体は」面白いと書いたが、果たしてModern UIと従来のデスクトップUIがきちんと統合されているかというとかなり厳しい。どちらかというと二つのUIの「キメラ」といった印象が強い。
 スタートメニューが無いという批判に関しては、スタート画面でカバーできるよ、と言うこともできる。しかし、例えば設定変更に関して、デスクトップUI側の「コントロールパネル」とModern UI側の「PC設定の変更」という二つの設定が併存しているところあたりは、流石にカバー出来ない。
 他にも、デスクトップとModern UIそれぞれのInternet Explorerがあるのだが、両者の間でCookieが共有されていなくて、ログイン制のサイトではいちいちログインし直さなければならないらしかったり、マウス操作でシャットダウンしようとすると手順が非常に煩雑だったりと、基本的な部分で手落ちが多い気がする。
 Modern UIにしても、タッチパネルを意識した操作体系を前面に押し出してきているが、果たしてすべての環境でタッチパネルを使うことが出来るのだろうか。パソコンで文章を書いたり絵を描いたりする人にとって、タッチパネルは便利なものだろうか。タッチパネルを使わない人にとって、Moden UIは便利な・有利なものなのだろうか。少々疑問が残る。
 更に、これはかなり個人的な意見になるのであまり大きな声では言えないのだが、Windows 8になっても未だにフォントの汚さが改善されていないというのはいかがなものだろうか。Windowsを作っている人はiPhoneを使ったことが無いのだろうか?と思ってしまう。もちろん、綺麗・汚いは個人の主観の問題だから比較はできないのだろうけど。

まとめ

 この記事を書き始めたときは、Windows 8がVistaの二の舞になるなんてことは無いだろう、と思っていたが、書いているうちにだんだん不安になってきた。
 無難なことを言うようだが、いずれにせよ全ては今後のMicrosoftの対応次第だと思う。まぁ、なんだかんだ言って中身は大体Windows 7なので、買って損するようなことはないと思うけれど。

Microsoft Windows7 Professional 64bit 日本語 DSP版 + メモリ

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