rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

「Goat Simulator」をプレイ

 Steamで安売りされていた「Goat Simulator」をプレイした。

store.steampowered.com

Goat Simulatorとは?

 「Goat Simulator」とは、ゴート、すなわちヤギをシミュレートするゲームである。


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 ヤギ。あのメェ~と鳴くヤギ。紙を食べるヤギ。手紙を読まずに食べるあのヤギである。

 プレイヤーはCGで作られた街の中で、ヤギを操作して遊ぶ。基本的にはそういうゲームである。

 そんなゲームが面白いのか?目的は?と思う方もいらっしゃるかもしれない。順を追って説明したいのだが、これがなかなか難しい。

超カオス系ヤギゲーム

 まずこのゲームには決められた目的はない。その点はいわゆる「サンドボックス」と呼ばれるジャンルに近い。

 アイテムに頭突きしたりトランポリンでジャンプしたりすることで得られるスコアを稼いだり、特定のアイテムを特定の場所に運んだりすることで解除される実績を集めて、操作可能なヤギを増やしたりできるので、それが一応の目標にはなる。

 しかしこのゲームの真骨頂は、そんなありきたりな要素のみによってあるのではない。

 まずゲームを起動して最初に流れる音楽からして、やけに軽妙かつ調子っぱずれ。

 さらにゲーム内の物理演算がイマドキのゲームではありえないほど雑で、ヤギが頭突きしただけで巨大な岩を遥か彼方に吹っ飛んで行ったり、通行人にちょっと触れただけで突然全身がぐにゃぐにゃになって倒れこんだりする。どうみてもバグに見えるがこのゲームではそれが仕様なのである。


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 そこらへんにある大抵の物が動かせるようになっているので、プレイヤー(ヤギ)がちょっと民家に入るだけで、中のイスやテーブルはおろか、タンスやベッド、そして人間までもがぐちゃぐちゃにかき混ざったようにカオスな状態になってしまう。はたして物が軽すぎるのか、それともヤギが強すぎるのか。


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 プレイヤーが操作するヤギは舌を使って物をつかむことができるのだが、なぜか舌は無限に伸びる。大きめの物をつかみどこかにひっかけておけば、マップの端から端まででも伸びる。製作者にリアルなヤギをシミュレートしようという意志は全く感じられない。

 そう、このゲーム、「ヤギシミュレーター」という名を謳っているものの、その実はムチャクチャな空間でムチャクチャなヤギを動かしまくることで生まれるカオスな状況を楽しむ、というゲームなのである。

ヤギと楽しいヤギ仲間たち

 さらにこのゲームには、シュールなギャグやパロディネタが満載。いちばんわかりやすいのは、ゲームを進めることで増やせるプレイアブルキャラクターならぬプレイアブルヤギたちの面々であろう。

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 まずこちらが「背の高いヤギ」。誰がどう見たってキリンだが、製作者がヤギと言うのだからヤギなのである。説明文は「一般的な背の高いヤギはアフリカの平原で見つけることができます」。


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 これは「羽毛ヤギ」。名前の通り羽毛の生えたヤギである。ダチョウ?なんのことかな?


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 そしてこいつが「巨大ヤギ」。ボタンを押すと潮を吹くことができるが、あくまでもヤギである。種族としてはマッコウクジラに近いらしいがヤギである。このへんでほとんどのプレイヤーはツッコむ気力を無くすだろう。

 他にも鳴き声で敵を吹っ飛ばせるドラゴンボーンならぬ「Goat Born」や、自在にマイクラチックなブロックを設置できる「Builder Goat」など、完全におふざけの過ぎたステキなヤギたちがそろっている。

まだまだ広がるヤギの世界

 そもそもこのゲーム、本来はスタッフを制作作業に慣らすための、いわば仮制作として作る予定のゲームだったのだが、企画段階の動画をネットに投稿したところ思わぬ反響があったため、一般公開が決まったという異色のゲームであるらしい。

 元々PC版のみだったのだが、それが売れに売れたため、スマホ版、XboxOne版まで発売され、今や制作会社を代表する人気タイトルとなってしまったというのだから、世の中なにがあるかわからない。

www.4gamer.net

Goat Simulator

Goat Simulator

 本来はマジメにやりこめるようなゲーム性ではなく、一回遊んでゲラゲラ笑ってはい終わり、という程度のボリュームだったのだが、アップデートによってオンラインRPG「」モードが追加されたり、つい先日、DLCとしてゾンビヤギになってサバイバルするゲームが配信されたりと、どんどん「遊べる」ゲームになってきている。

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 辛いとき、苦しいとき、全てを忘れたいときに、こういうおバカすぎるゲームをやれば、脳みそ空っぽになって明日からまた頑張れる、かどうかはわからないが、たまにはこういうナンセンスなのをやるのも悪くないな、と思わせてくれるゲームであった。メェー。