Steamで配信中の「Super Win the Game」というゲームをプレイした。
このゲームは「You Have to Win the Game」という無料ゲームの続編。無料なので、気になる人はまず前作の方をプレイしてみるといいだろう。
Steam:You Have to Win the Game
「Super Win the Game」Steamストアページより引用
ゲーム内容はシンプルな2Dアクションなのだが、なんといっても特徴的なのはグラフィック。ファミコンなどのいわゆる「8bitゲーム」の完全再現を目指しているらしく、グラフィックは全て荒めのドットのみで描かれている。昨今ありがちな、ドット絵のくせにヌルヌル動いたりする「似非レトロ風」ではなく、本物のレトロ風(ってちょっと変な言い方だけど)である。
それだけならただのレトロ風ゲームだが、さらにこのゲームには、ブラウン管風の画面表示をエミュレートする機能がついていて、よりリアルなレトロ感を楽しめるようになっている。
ブラウン管エミュレート機能は、非常に多彩な設定項目によってカスタマイズ可能。画面のブレ、残像、色みなど、画質そのものに関わる設定のみならず、ブラウン管の全面のガラスに映り込む光の位置・強さや、画面の縁部分への反射の具合など、ブラウン管フェチの人にはたまらないであろう設定項目の量となっている。世の中にブラウン管フェチの人がどれくらいいるかはわからないが。
もちろんサウンドも8bitなピコピコサウンド。耳に残るいい曲が多い。サウンドトラック付属版も売っているので、気になるならそっちを買えばスマホなどに入れて聴くこともできる。
「Super Win the Game」Steamストアページより引用
肝心のゲーム内容の方は、「メトロイドヴァニア*1」と呼ばれるジャンルに分類される。メジャーなゲームで例えるなら、スーパーマリオの2Dアクションで、ゼルダの探索をやる、という感じ。
ステージ各所にある鐘がセーブポイントとなっており、ミスすると即座にそこから復活できるので、テンポよく進めることができる。このあたりは「I wanna be the guy」を彷彿とさせるが、難易度はそれよりかなり低い。何度もやれば誰でもクリアできるが、ノーミスでクリアするのは結構難しい、という程度。ファミコンゲーにありがちだった理不尽難易度ではないので安心していい。
ゲームを進めてアイテムを手に入れると、二段ジャンプや壁貼り付きが出来るようになり、さらに探索範囲が広がっていく。このへんにゼルダ感がある。
謎解き要素もあり、それほど難しくはないのだが、言語は英語のみで日本語非対応のため、英語がわからないとちょっとしんどい。自分は一箇所だけ謎解きで詰まったのでやむなく攻略サイトを見たが、後々になって、とあるキャラクターのセリフにヒントがあったことに気づいた。残念ながら、ゲームシステム的に今後の日本語化の可能性は低いだろう。
「Super Win the Game」Steamストアページより引用
今作では、俯瞰視点のワールドマップが追加され、ステージのバリエーションが豊富になった。隠しステージなどもあるので、怪しい場所はとにかく歩いてみるべし。
「Super Win the Game」Steamストアページより引用
ワールドマップの各地には、石造りの城、砂漠の遺跡、氷の宮殿、天高くそびえる塔、地下水道といった様々なダンジョンがある。また、各ダンジョンが「Subcon」と呼ばれる謎の通路で繋がっていて、楽に行き来できる。
「Super Win the Game」Steamストアページより引用
マップ内には赤い宝石(gem)が落ちている。全部で128個あり全て集めると実績が貰えるという、いわゆるコンプリートアイテムとなっている。自分は攻略サイトを見ても124個しか集まらなかったので、どうしても全部集めたい人は取得した宝石を逐一チェックしたほうがいいかも。
また宝石を店に持って行くとアイテムと交換することができる。主に扉を開けるための鍵が貰える。ただし、実績の中に「鍵を一つも使わずにクリアする」というものがあるらしく、一度でも鍵を使ってしまうとニューゲームしない限り実績をとれなくなってしまうらしいので注意。自分は諦めた。
「Super Win the Game」Steamストアページより引用
さらに今作には、ゲーム本編とは関係のないタイムアタックモードが搭載されており、世界中のプレイヤーとタイムを競うことができる。コースは複数あり、ゲーム開始直後から全て遊ぶことが可能。
このゲームの最終目的は、城に住む魔王?の元へたどり着くことらしいのだが、いかんせん英語なので最後までストーリーがよくわからないままだった。「Arcadian」という謎の人々が登場したり、本を読むことで夢の世界へ入れたりするのだが、「簡潔なテキストでストーリーを説明する」というレトロゲームのスタイルを踏襲しているため、英語がわからないと話が入ってこない。ラストはハッピーエンドっぽいことくらいはわかったが。
しかしストーリーが多少わからなくても、シンプルなアクションを駆使した探索・謎解きはやりごたえがあり、結構ハマってしまった。
パッと見はレトロ感だけをウリにしたゲームに見えるが、サウンドやゲーム性もきっちり作りこんであり、ちゃんと遊べるゲームになっている。自分のクリア時間はじっくりやって10時間ほど。ちなみにクリア時間の世界記録は10分ちょっとらしい。毎日コツコツプレイしてクリアを目指すもよし、クリアしたらコンプリートを目指してやりこむもよし。こういういいゲームをやると、グラフィックが全てじゃないんだなぁ、ということをあらためて実感させられる。
*1:「メトロイド」と「キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラの海外版タイトル)」を合体させた、海外で使われる造語