Steam版の『Broforce』をプレイしたのでサラッと感想を書く。日本語未対応だが攻略への影響はほぼ無い。PS4版もあり、そちらは日本語訳されている模様。
Broforce。直訳すれば「Broの軍隊」。Broは「兄弟(brother)」の省略形で、日本語で言えば「アニキ」とか「あんちゃん」といったニュアンスだろうか。
『Broforce』は、そんなBro達が大活躍するミリタリー2Dアクションゲームである。しかしこのBro達、どうもどこかで見たような顔ぶれが揃っている。
バンダナ姿でマシンガンと手榴弾をぶっパナす「Rambro」。ロケットランチャー片手に暴れ回る筋肉モリモリマッチョマンの「Brommando」。大統領でもぶん殴ってみせそうなモヒカン「B. A. Broracus」などなど。
そう、彼ら彼女らはアメリカの有名アクション映画・ドラマキャラのパロディなのである。それもかなり露骨な。ちなみにスタローンやシュワちゃんが元ネタのキャラが複数いたりする。
オマケに全キャラ原作以上に筋肉が強調されているため、いかにもアメリカンな非常に暑苦しいキャラデザ、もといBroデザとなっている(以下、キャラのことをBroと呼ぶ)。
そんなバカゲーチックなルックの本作であるが、ゲーム性の方は意外にもよく練られており、かなり「遊べる」出来となっている。
基本はマップクリア型の2Dアクションゲームで、回数無限の通常攻撃(ほとんどのキャラは射撃)と回数制限付きの特殊技(手榴弾・設置型爆弾などBroによって性能が異なる)を駆使して敵を倒しながら進んでいく。銃弾が飛び交い爆発しまくるド派手な演出はまるでハリウッドアクション映画。
グラフィック的には「ドットの荒い『メタルスラッグ』シリーズ」といった印象だが、マップの高低がかなりあったり、武器で容易に地形破壊が可能だったりと、なかなか独特なシステムとなっている。
ライフ制になっており、マップ内に囚われたBroを救出するとライフが+1、敵にやられて復活すると-1となり、0になるとマップをやり直しとなる。
Bro達はマッチョな割に打たれ弱く、銃弾に一発当たるだけで死亡してしまうため(現実で考えたら当たり前なんだけど)、わりと頻繁にライフが無くなるのだが、すぐにコンティニューできるのでゲームのテンポは良い。
筋肉まみれのビジュアル通りに正面から突撃したくなるが、時にはマップを観察して戦略を組み立てることも必要となる。
それと、Broの救出回数が一定数に達する度に新しいBroが解放されるので、見かけたBroはなるべく救出していったほうが良い。真のヒーローは味方を見捨てたりはしないのである。
で、このゲームのキモは、救出や死亡の度に操作Broがランダムに変わる、という部分にある。
Bro達の性能にはかなりバラツキがあり、雑魚戦が得意なもの、ボス戦が得意なもの、移動力が高いものなど、バラエティ豊か。
しかし操作Broを自分で選ぶことができないため、思わぬ苦戦を強いられることもしばしば。ボス戦で火力の低いBroが出たりすると絶望的だったりする。
この一見ストレスが溜まりそうな仕様が、リトライ前提の速いテンポによって、逆にプレイ感覚にダイナミズムをもたらしていると感じた。
具体的に言うと、ボス戦で残りライフ1という絶体絶命の場面で強力なBroが出てきて奇跡的にボスを倒せたり、あるいはクセの強いBroを駆使して思わぬ方法でマップを突破できたりすると、非常に達成感があるのだ。
またマルチプレイに対応しているのもランダム性と相性が良いと思う。わざと足場を破壊して味方を倒したりという、昔のファミコンソフト的な遊び方をすれば盛り上がるに違いない。自分はフレンドがいないからやれないけど(悲)。
キャラがランダムの通常ステージとは別に、Broが固定のステージもいくつか用意されており、特殊技を活用した頭脳的なプレイを求められたり、原作再現になっていたり(シガニー・ウィーバーっぽいキャラでエイリアンっぽい敵を倒したり)と、ちょっと違ったゲーム性を楽しめる。
総じて言うと、豪快な見た目通りの爽快感と、見た目と裏腹によく作り込まれたゲーム性を兼ね備えた良作と言える。まさしくハリウッド・アクション映画のゲーム版といった感じ。ぶっちゃけて言えばバランスが大味な部分もあるのだが、それはそれでハリウッドっぽいと言えるのかもしれない。
で、どういう経緯かは不明だがこのゲーム、なんとあのアクション映画『エクスペンダブルズ』と公式にコラボしたバージョン『The Expendabros』が存在しており、しかも無料で遊べてしまう。
なんとも太っ腹、っていうか権利関係は大丈夫なのかと不安になるが、体験版代わりにいかがだろうか。
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