『ドラゴンボールファイターズ(DBFZ)』は初心者向けなのか、という話題が一部ネット上で盛り上がっている。
格ゲーネット対戦歴10年だが腕前は半端者の自分が、この問いについて考えてみたいと思う。
まず少なくとも言えるのは、過去にリリースされてきた数多の格闘ゲームタイトルと比べれば、「比較的初心者向け」だということ。その理由としては、
- 美麗かつド派手なグラフィック
- 必殺技のコマンド入力を波動コマンドと竜巻コマンドの2種類に統一し、昇竜コマンドのような難しいコマンドを排除したこと
- ボタン連打でコンボが繋がるシステムを、既存の作品よりも実用的な性能で取り入れたこと
- 超ダッシュ・バニッシュムーヴ・2H対空など、使い道のわかりやすい技を全キャラに搭載したこと
といった要素が挙げられる。
じゃー「これから格ゲーをイチから始めたい」という初心者にDBFZをオススメできるか、というと、ちょっと難しい話になってくる。
例えば「ドラゴンボール好きの友達と集まってワイワイ遊びたい」というのなら、それはもう、200%自信を持ってオススメできる。小学生から、DB直撃世代のオトナたちまで間違いなく楽しめるだろう。個人的にはスト2と同じくらい楽しいんじゃないかと思う。実際友達とやったことないからわからんけど。友達おらんし。
しかし「オンライン対戦で強くなりたい」と思うなら、それ相応の覚悟が必要になるだろう。
見知らぬ人と実力を競い合って、それなりに楽しめるまでに超えなければいけないハードルの量は、おそらく他の格闘ゲームタイトルとそれほど変わりない。せいぜい「多少マシ」という程度。
はっきり言って本作含む格闘ゲームには、ただプレイするだけで上達できるような仕組み・道筋が用意されていない。画面だけではプレイヤーに伝わらない情報が多すぎる。
それに1対1の対戦だと、負けた時の全責任が自分自身にのしかかってくるし、自分の実力を向上させなければ永久に勝つことが出来ない。人は何かをやる時、成功体験を積み重ねることができなければ、それをやめてしまう。人として正常な反応だ。
その点、昨今主流の対戦ゲームは、多人数対多人数だったり、運要素を多くしたりすることで、「負けた時の言い訳」がしやすくなっている。よくできていると思う。
オンライン対戦を楽しむために必要なのは
- 100戦100敗でも折れないメンタルの強さ
- わからないことを教えてくれる格ゲー経験者の知り合い
- webサイトや対戦動画などから情報を集める根気とリテラシー
のいずれか、だと思う。友達のいない自分は専ら三つ目の要素に頼ってきたが、理想としては3つの条件全てを兼ね備えていることが好ましい。
初心者が格ゲーを始めやすくするためには何が必要か。
例えばゲーム内のチュートリアル機能を充実させる。メーカーが直々に攻略サイトを作る。有志のプレイヤーが攻略情報をネット上などにアップする(一応自分もブログでできる限りそれをやっている)。などの方法が考えられる。
ただ同時に、格闘ゲームの真剣な対戦のハードルが高いものになってしまうのは、ある程度避けられないことなのではないかとも思う。そのタイトルに、昨今「eスポーツ」と呼ばれるような競技性を持たせたいのであれば。
野球も将棋も、上達するためのハードルは高い。にもかかわらずいずれもプロが存在し興行が成り立っているのは、家族でキャッチボールしたり、将棋盤を囲んだりする、というような「きっかけ」があるからだろう。
格闘ゲームというジャンルがここまで生きながらえてきたのは「ストリートファイター2」という最大の「きっかけ」があったからだ。
本作DBFZのゲーム性そのものは初心者のための「きっかけ」としてかなりいい線を行っていると思う。
ただスト2の頃にあったようなゲームセンターや家庭用機のオフライン対戦といった「場」が無く、オンラインで揉まれるしか無いのが現状となっている。このへんはストリートファイター5以降の全格闘ゲームに言えることだが。
今後格闘ゲームが存続していく道筋として自分が思いつくのは「プロゲーマーの存在に憧れて始める人が増える」というルートくらいしかない。とは言えプロゲーマーの前途も明るいことばかりでは無いらしく。
と、ずいぶん話がそれてしまった。
DBFZは初心者向けなのか、という問いに対する個人的な回答としては「ワイワイ遊ぶなら超オススメ、だけどオンライン対戦で勝つのはフツーに大変」という感じになる。
一つ言い添えておくなら「格闘ゲームで良いプレイをして勝てた時の喜びは、わりと他の何物にも代えがたいレベル」だということ。その分楽しくて、その分中毒性が高い。ホントに。

- 出版社/メーカー: バンダイナムコエンターテインメント
- 発売日: 2018/02/01
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