橋建設ゲーム『Bridge Constructor Portal』のSteam版をプレイした。
サマーセールの時にウィッシュリストに入れたが20%オフだったのでとりあえず購入見送り。それがセールが終わって数日後、なぜか30%まで値下げされたのでここぞとばかりに購入した。ちなみにスマホ版もある。
本作は橋建設ゲーム『Bridge Constructor』のスピンオフで、あの名作一人称パズルゲーム『Portal』と正式にコラボレーションしている。Portalファンとして以前から結構気になっていたのだが、もし面白くなかったりしたらどうしようという不安もあった。複雑なファン心理として。
空間同士を繋ぐポータルがギミックとして登場する他、チュートリアルなどをGLaDOSが担当。あのロボットボイスでプレイヤーをブラックなジョークを飛ばしてくれる。これだけでもファンなら感動もの。
他にもキューブとスイッチ、ジャンプ台、タレットなどおなじみの要素が登場し、より多彩なゲーム性を楽しめる。
橋建設ゲームというジャンルでは『Poly Bridge』がある程度有名だろうか。システム的にはそちらとだいたい同じで、足場を組み、道路を設置し、車両を入り口から出口へ導くことがゲームの目的となる。
物理演算に基づいた重量計算・強度計算がなされているため、適当に建設した橋では車両が乗るまでもなく無残に崩れ去ってしまう。とにかく三角形を作るのことが頑丈な建築のコツ。
基本的には車両の動きをイメージして計画的に橋をかける必要があるため、パズル性の高いゲームなのだが、思いもよらない挙動でゴールできたりするランダム性もあるのが面白いところ。
とはいえ、ある程度狭いテストチェンバーが舞台の本作にはそこまでシビアな建築要素は登場しないので、こういったゲームがはじめての人でも楽しめると思う。
パズルとしてのやりごたえはかなりあり、特に後半は1ステージに1時間以上かかることも。調整→テスト→調整→テスト…と繰り返す作業感が癖になる。
つい夢中になってのめり込み、クリアする頃には気がつけば朝だった、という体験を久しぶりにした。思い起こせばPortalやPortal2も徹夜してやったものである。
ただ後半はかなり複雑な構造を求められるため、頭の中で作った橋を実際に建設するだけでもかなり時間がかかるようになる。試行錯誤のために改築するのも一仕事。
また仮に一回で正しいルートを構築できたとしても、即クリアできることは稀で、車が通っても橋が壊れないようひたすら微調整を繰り返す形になる。
このあたりの作業感は人によって合う合わないがあるかも。自分は大いにハマったクチ。
人物はすべて黒い影で表現され、話にこれといった起承転結があるわけではないので、ストーリーはオマケのようなものと考えていいだろう。日本語フルサポートだが若干翻訳に粗があった。
ステージをクリアし昇格するごとに、タイトル画面のデモにPortalでお馴染みのアイテムが増えていくのは、いわゆるファンが「ニヤリとする」ポイントと言える。
ゲーム全体としては「ボリュームが多めミニゲーム」的な印象で、原作であるPortalのような深いドラマ性や世界観の作り込みなどを求めてしまうと肩透かしを食らうかもしれない。
とはいえパズルゲームとして良作なのは間違いないので、興味があったらプレイして損はない。
なによりも、長らく音沙汰がなかったPortalシリーズをゲームとして遊べることが純粋に嬉しかった。次回作を作れ、とまでは言わないので、こういったコラボレーションなんかをドンドン作ってもらいたものである。