思考だだ漏れノートG

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

FF7のストーリーがややこしいのは登場人物の「勘違い」が多すぎるから

 モンハンワールドのイベントが終わったので積みゲー崩し。ミッドガル脱出まで進めていたPS4版『FINAL FANTASY VII』をやり始めたらこれが大ハマリ。

rhbiyori.hatenadiary.jp

 オリジナルのPS版は発売当時にプレイしたんだけどまだ幼かったので記憶が曖昧。なのでリメイク版が出る前に予習しておこうと軽い気持ちで始めたPS4版なんだけど、まるで新作ゲームのようにクリアまで連日ガッツリとやりこんでしまった。やっぱ名作は色あせないんだな、と。ブルーレイのアドベントチルドレンも中古で買って観ました。

 で、なにか記事を書こうと思った時、最初に浮かんだのがストーリーについて。以下、ネタバレありで。



 このゲームのストーリーは正直言って結構ややこしい。僕自身、結構曖昧な部分があったので「FF大辞典(https://wikiwiki.jp/ffdic/)」などを読んで補うことでようやく納得できた。幼かった僕が覚えていないも無理はない。そのへんのややこしさについて今回は整理をしてみたい。

 ややこしい理由の一つは専門用語の多さで、FF13で「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」と揶揄されたような専門用語の濫用は7の頃からすでに始まっていたと言える。

 7に関してはまだマシで、とりあえず

  • ジェノバ=宇宙からやってきた侵略者
  • 古代種=セトラ=人類より前から地球に住んでいた種族
  • 魔晄=ライフストリーム=星の中心に埋まっているエネルギーで、死んだ生き物はライフストリームに還る

 というあたりを抑えておけばなんとかなると思う。

 で、もうひとつ今回プレイして気づいたのが、登場人物たちが勘違いや思い込み、記憶捏造している事柄がかなり多い、ということで、これがプレイヤーにとってさらなる飲み込みづらさを生んでしまっていると思う。

 最も有名なのはクラウドが自分のことを元ソルジャーだと思い込み、自分の記憶をザックスのものとないまぜにしてしまっている件。このこと自体はストーリーの基本中の基本なので見落とすことは無いのだが、劇中で合計3回ほどニブルヘイム事件での出来事を映像的に見ることになるため、プレイヤー側も何が事実で何がクラウドの偽記憶だったのか混乱しがち。

 さらにクラウドによるニブルヘイム事件でセフィロスが「自分は古代種の末裔だ」と言うシーンがあるのだが、これもセフィロスの勘違いで、実際はジェノバの細胞を植え付けられただけのフツーの人間である。しかもよりによってこのセリフはクラウドの偽の回想の中のもの。いわば「クラウドの勘違い回想中におけるセフィロスの勘違いセリフが事実」という状況。あまりにもややこしいすぎる。

 ではなぜセフィロスがそのような勘違いをしたか、というと、そもそも神羅が「ジェノバ=古代種」であると誤認していたからであり、その誤認をしたまま研究したジェノバ資料をセフィロスが読んだからだと思われる。ここでも勘違いが登場。

 ジェノバは星を侵略する際に「その星の生物に擬態する」という能力を持っており、およそ2000年前の戦いで古代種の姿を真似たが結局敗北し封印された。その状態のジェノバを2000年後に神羅が発見したため古代種と誤認したのだろう。

 いわばガストと宝条からセフィロスへ受け継がれる形となったこの誤認だが、その後どのようにセフィロスの認識が変わったかは作中で明確に描かれていない。FF大辞典によると、ニブルヘイム事件で魔晄炉のライフストリームに落ちたことでライフストリームの知識が流れ込んだ時点で自分がジェノバ細胞を埋め込まれた人間であるという事実を知った、という説が有力視されている。


 クラウドは記憶捏造、セフィロスは誤認という形で両者ともに「勘違い」をしており、それに対し2人がどう行動したか、というあたりが主人公とライバルの対比になっている(この辺もわりとFF大辞典の受け売り)わけだが、これとは別に更なる勘違いがストーリーの根幹で起こっている。

 それは物語の序盤から中盤にかけてクラウドたちと神羅が追跡していたセフィロスが、実は全てセフィロスに化けたジェノバの肉体の一部だった、ということ。言ってみれば主要登場人物の全員が勘違いしていたということになる。

 セフィロスがやたらと神出鬼没なのも、セフィロスと会うたびにジェノバと戦うことになるのもこのため。本物のセフィロスはずっと竜巻の迷宮という場所にいたことが物語の中盤でわかるのだが、セリフによる説明が主なのでテキストを飛ばし読みしがちな人はなかなか気づきにくい。

 ムービーなどでセフィロスがジェノバに変身するシーンを差し込んでおけばわかりやすかったんじゃないかと思うが、当時のスペックだと難しかったのかもしれない。ちなみにアドベントチルドレンではカダージュの変身シーンによってジェノバの擬態・変身能力が絵的に表現されている。

 さらに竜巻の迷宮でセフィロスに精神的なゆさぶりをかけられたクラウドは、自分自身のことをクラウドに擬態したジェノバの一部だと思いこんでしまう。ああ勘違い。実際は上記の通り体に埋め込まれたジェノバ細胞の記憶改ざん能力によって自分とザックスの記憶を混同した、という設定。

 もっと細かいところを言うと、序盤ではソルジャーは単に魔晄を浴びた人間のことだと思われていたが、それに加えてジェノバの細胞を埋め込まれていたことが後にわかる、という勘違いもあるのだが、挙げていくとキリがないし書いてる自分もなんだかわからなくなってきたのでこの辺にしておこう。


 なぜこんなにも勘違いが多いかと言うと、登場人物の勘違いによってプレイヤーへのミスリードを生み出そうとしていたからであり、要するに「〇〇だと思ってたけど実は✕✕だった!!」という驚きをプレイヤーに体験させるためなのだろう。

 それ自体は別に悪いことではなくむしろ作劇する上での定石ですらあり、実際その驚きの連続が本作のストーリーの「引き」になっていて、だから僕も今回これほどハマったんだと思うけれども、あまりにも多用しすぎたせいでストーリーの複雑さとプレイヤーの混乱を生んでいる感は否めない。

 以前とある人*1がラジオで「日本人はいわゆるどんでん返しのある映画が好きで、だから『カメラを止めるな』があんなに流行ったのかもしれない」と言っていたが、FF7にミスリードからのどんでん返しが多いのもそういう国民性が関係しているのかもしれない、と思う一方、海外にも『猿の惑星』とかがあるのでなんとも言えないところ。

 すっかり「出る出る詐欺」状態のFF7リメイクでこのへんのややこしさがどうなるかはちょっと気になるところ。今の時代に最新画質でそのままやったらアラが浮き彫りになってしまうんじゃないかと思われるが果たして。

 と、そんなところで今回の記事は終わり。次は未プレイのFF9でもやろうかな。

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*1:確か某映画批評家兼ラッパーの言だったと思うが定かでない