rh日和(仮)

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リマスター版が発表された「ファイナルファンタジー8」の魅力を語りたい

 今回は新リマスター版が発表された「ファイナルファンタジー8」の話をしたい。

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 ちなみにリマスター版自体は2015年にもPC用として発売されている。新しいリマスター版はキャラクターのポリゴンモデルなどをより改善し、家庭用機にも対応したもの。

 FF8について語ろうとするとFFシリーズ中でも賛否両論分かれる件に触れがちだが、そのへんのことは他のサイトなどに譲ってなるべくFF8の魅力に焦点を絞って書いていきたい。

ストーリー

 主人公のスコールは成績優秀なイケメンだが周囲に心を閉ざしている。

 年齢は10代後半だがその内面は子ども、というか鬱屈したティーンエイジャーそのもの。今風の言葉で言えば重度なコミュ障。

 そんな彼が様々な人と出会い、葛藤を抱え、ひょんなことから己の出自を知り、そして愛を知ることで立派な人間へと成長していく様が描かれる。ものすごくまっとうでストレートな筋書きになっている。


 「7」から「8」になってグラフィックが進化し、キャラクターの等身も大幅に上がるなどよりリアルになった。それに伴い細かい人物描写・感情描写が充実し、キャラクターたちそれぞれの持つ人間らしさが活写されている。

 特に本作の仲間キャラクターはいずれも魅力的。彼ら・彼女らはどこかに「自分を周囲により良く見せたい」という若者特有の心性を持っている。平たく言えば背伸びをしていて、それがいじらしさをはらんだ魅力になっている。キスティス先生激推し。

 途中ある理由でプレイヤーキャラが変わる場面があるのだが、そちらの主人公ラグナはスコールと打って変わっておバカだけど行動力があって周囲を惹きつけるタイプの人物で、プレイヤーも惹きつけられることうけあい。他の登場人物のほぼ全員のどこかしらに愛すべきパーソナリティが持っている。

世界観

 主人公と仲間たち(ヒロイン除く)は傭兵学校の生徒。傭兵という割には牧歌的な雰囲気で、現実世界の学校をモチーフにした要素が多い。年齢的には高校生。学食のパンを取り合ったり、保健室に先生がいたり、図書室や文化祭なんかも出てくる。

 当時のプレイヤー達にとってファンタジー+高校生活という組み合わせは斬新過ぎた感はあるが、最近ではむしろラノベやアニメの設定として普及している今風な設定なんじゃないかと思う。あまり詳しくはないけど。

 もしリマスターではなくリメイクが作られるとしたら、より学校生活にクローズアップした要素を追加して欲しいと常々思っている。

 現代のパリやニューヨークを思わせる場所や、「一昔前のSFマンガに出てきた未来」そのものなハイテク都市など、街並みもバラエティ豊富。自動車に乗ってフィールドを移動できるあたりはFF15にも通じている。

 そんな現代+未来な世界観だが、最終的に魔法や魔女が物語のキーになるのでファイナルファンタジーらしさもちゃんと感じられるようになっている。空間的および時間的なスケールの大きさはシリーズ中でもトップクラス。ぜひプレイして確かめてほしい。

ゲームシステム

 賛否両論の最大の原因とされるのがゲームシステム。

 魔法がMP制ではなく個数制で、敵から魔法をドロー(吸い取り)して、召喚獣じゃなくてG.F.で、魔法をステータスにジャンクションして、と難しい用語のオンパレード。「サガ」シリーズなどならいざ知らず、どう考えても国民的RPGでやるべき内容では無かったのは間違いない。

 でも攻略サイトが普及した今なら簡単に情報にアクセスできる。自分も初プレイ時は右も左もわからなかったが「アルティマニア」という攻略本を読むことでようやくその深みを理解することができ本作の評価がガラリと良くなった。

 コツさえ掴めば序盤から割と簡単に味方を強化できるし、特殊技を駆使すればボス戦もラクラク。システムを理解したときの難易度の下がり方はシリーズ中でも屈指でやりこむほど楽しい。

 さらに身もフタもないことを言ってしまえばリマスター版にはステータスやアイテムをサポートしてくれるシステムが搭載されるので、それを使えばキャラ育成はせずにストーリーや世界観だけを楽しむこともできる。

ミニゲーム

 ゲーム内でプレイできるカードゲーム「トリプルトライアド」は人気が高く、後にFF14にも実装されたらしい。

 4方向に対応した数字が書かれたカード5枚を手札とし、3×3のフィールドに交互に置いていく1対1のゲーム。隣り合う数字が相手カードより大きければそれをひっくり返し自カード扱いにできる。最後に自分のカードの枚数が多いほうが勝ち。いわば数字で勝敗が決まるオセロのようなもの。

 ほぼすべてのNPCと対戦が可能で勝利すると相手のカードを奪うことが出来る。多数のローカルルールが存在し一定の法則でゲーム内の各地域に伝播したり廃れたりしていく。

 ゲーム性としては三目並べ(いわゆるマルバツゲーム)にやや近いものがあり、物凄く戦略性が高いというわけではないのだが、何度もプレイしたくなる中毒性がある。

 手に入れたカードをアイテムに変換することも可能で、序盤からレアカードを手に入れて強力なアイテムに変換し快適プレイをすることもできる。カードゲームで世界を救う子ども向けホビー系マンガみたいな展開。

最後に

 まだプレイしたことがない人はもちろん、発売当時プレイしたけど印象が良くなかったという人もリマスターを機に是非プレイしてみてほしい。その際は攻略サイトなどでシステムとシナリオの知識を保管しながらプレイすることをオススメする。

 かつて「今だからこそFF8 in 2003」という大変に良質な考察・解説ホームページがあった。オリジナルはYahooジオシティーズの閉鎖に伴い消滅してしまったが、その改訂版の草案らしきものはまだ残っているのでそれを参考にするといいと思う。筆者の方は今何をしておられるのだろう。

shirayuki.saiin.net

ファイナルファンタジー 8

ファイナルファンタジー 8