rh日和(仮)

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映画『星の王子 ニューヨークへ行く2』を観た話

星の王子 ニューヨークへ行く 2


 ゲーム*1をやりながら観られる映画をAmazonプライム・ビデオで探していて、たまたま目に入ったのが『星の王子 ニューヨークへ行く』。1988年公開、エディー・マーフィー主演のコメディー映画。

 20分ほど観てから就寝。翌日になっていろいろ調べたところ、今年の3月に33年ぶりの正統続編『星の王子 ニューヨークへ行く2』がAmazon独占で配信開始されたばかりだということがわかった。だからプライムビデオのトップページに1作目が表示されていて、それが目に止まったのだろう。

 映画を通して33年分の変化を一度に味わえるのも面白そうだと思い、2作通して視聴することに。



 ものすごく大まかなあらすじ。『1』はアフリカの裕福な国「ザムンダ*2」の王子「アキーム」がニューヨークへ妻を探しに行く話。『2』は、アキームが1作目で訪れたニューヨークでうっかり作ってしまった息子を迎えに行く話。

 本作のタイトルおよびエディー・マーフィー主演という情報は薄っすら知っていたが、あの絵本で有名な『星の王子さま』と関係があるとなんとなく思い込んでいた。実際は全然関係ない。

 おそらく邦題をつける際に「アフリカの裕福な国の王子」というニュアンスをなんとか伝えようと苦心した結果が「星の王子」だったのだろう。そう考えれば納得はできる。紛らわしいことに変わりはないけれども。



 2作通して観て、特にムズカシイことを考えず楽しめる、という意味ではコメディとしてよく出来ていると感じた。

 ただ、アフリカの国家という設定にも関わらず、妙にアメリカナイズされた描写が『1』の冒頭から出てきて(目覚ましがオーケストラだったり)、そのノリが終始続くので、「これはアリなんだろうか」という気持ちが邪魔をして、素直に楽しめなかった面は多少ある。

 単に風俗がアメリカっぽいだけでなく、ストーリーを通して「アメリカ的な自由」が無批判に称揚されているのも気がかり。恋愛は自由であるべきとか、女性は自発的であるべきとか。

 もちろんそういうお題目そのものが間違っていると言いたいわけでは無い。恋愛は自由であるべきだし、女性の自発性を抑圧すべきではないと、自分自身、心からそう思っている。

 ただ舞台をアフリカにしてしまっているせいで、どうしても「アメリカの自由をアフリカに持ち込んでやっている」という説教臭さが漂ってしまっているように感じられる。『2』に関してはそういうニオイを消そうとしている意図も感じられるが、根本的な思想そのものはあまり変わっていない。



 しかし何度も言うようだけれど、そういう細かいことを気にしなければ楽しい映画。

 特に『2』はギャグのネタも新しいのでわかりやすい。自分は『1』とほぼ同い年だが、そういう人間でも楽しめた。ワカンダとか。

 予想していたよりB級感が無く、俳優の演技もかなり良かった。アクション映画好きとしてはウェズリー・スナイプスが実に嫌な感じの将軍を好演していたのが嬉しかった。

 セルフ・オマージュも程よいバランス。元婚約者がほぼそのまんまで『2』に出てくるシーンは良い意味でズルい。存分に楽しめたのは2本続けて観たおかげだろう。

 ERで有名なエリク・ラ・サルが演じていたデレクが『2』に未登場だったのはちょっと残念。ラヴェルの髪型がちょっと変だったのは彼へのオマージュだったりするんだろうか。

 ちなみにエディーマーフィーの吹き替えでお馴染みの山寺宏一氏は、Amazon配信版の1作目では相棒のセミを演じていたりする。どちらもバッチリ合っているのはさすがと言ったところ。

 エンドクレジットにジョン・レジェンドが出てきたんだけど、やたらと顔ばっかりアップで映してたのはそういうギャグなのか。判断に悩む。

*1:グラブルの古戦場。逃げてないです。

*2:架空の国家