rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

『ミラーズエッジ カタリスト』をプレイ パルクールとオープンワールドがあまり噛み合っていない

ミラーズエッジ カタリスト - PS4

 またしても積みゲー崩しの話。今回のタイトルは『ミラーズエッジ カタリスト』

 だいぶ前にPSストアのセールで購入しプレイしていたが積みゲー化。せめてストーリーだけでもクリアしておこうと再プレイ。

 しかしプレイが辛い。また積みゲー化してしまいそう。

 そもそもプレイが辛くて一度積みゲー化したものをわざわざ引っ張り出してとやかく書くのもあまり前向きな話じゃないな、とは思うのだけれど、まだ一度もこのブログに感想を書いていなかったのでこの機会に書いておくことにする。

rhbiyori.hatenadiary.jp

 第一作の『ミラーズエッジ』は近未来風のデザインとパルクールアクションが特徴の良作だった。続編の『カタリスト』はマップがオープンワールドになったことでさらなるパワーアップを果たした……かに見えた。

 しかし残念ながら本作はアクションとオープンワールドという2つの要素が上手く噛み合っているとは言い難い。

 パルクールとオープンワールドを組み合わせたゲームは他にも多数あるが、それらのタイトルにおけるパルクールは主に「移動の自由度」を上げるために実装されている。ただでさえ広いマップを探索するのに決められたルートしか通れないのでは時間がかかるしストレスも溜まる。だから壁を登ったり降りたりしてショートカットできるようにしてある。

 一方ミラーズエッジのパルクールアクションは元々「決められたルートを駆け抜けるスピード感、爽快感を味わうため」のものとしてデザインされており、パルクールすることそのものがチャレンジングだった。第一作はその気持ちよさがあったからこそ良作だった。

 しかしそのアクション性をそのままオープンワールドに持ってきてしまった結果、パルクールが探索の足かせになりむしろ移動の自由度が低下してしまっている。

 しかもビル群の屋上が舞台となっている本作は移動に失敗すると大抵の場合地上に落下してしまいロードが挟まる。これがまたストレス。オープンワールドのシームレス性を損ねている。

 なるべく失敗しないように移動する方法はある。マップを開いて目的地にマーカーを設置し、右スティックを押し込んで「ランナーズビジョン」(ガイド)を表示しそのとおりに走ればいい。しかしそこにはもはやオープンワールドゲームのウリである自由度は存在しない。決まったルートを走るだけならそもそもオープンワールドである必然性が薄い。



 このゲームデザインはサイドミッションにおいてさらにマイナスに働いてしまっている。

 ルート通りに正確に走ればほぼ確実にクリア可能な荷物運びのミッションはまだマシだ。問題はタイムアタックのミッションで、画面に表示されるガイドとは別の、より早く走れるルートを自力で探した上で、そこを正確に走り抜けなければ最高評価の星3つを獲得できない仕様になっている。もはやガイドが「ひっかけ」にしかなっていない。もちろんやり直すたびにロードが挟まる。SSD換装済みのPS4でも10秒前後かかるロード時間。HDDだとどれほどのストレスだっただろう。

 ルートを駆け抜ける爽快感はある。上手くいったときの達成感も高い。ただそこに至るまでのストレスが尋常ではない。

 あるタイムアタックミッションはあらかじめメインストーリーを進めて特定の装備を入手しておかなければそもそも最高評価を獲得できない仕様になっており、しかもそのことに関する説明がゲーム内に全く無かった。「コレ、どう考えてもクリア不可能だよね?」と思いやむなく攻略動画を見て初めてその事実に気づいた。さすがにちょっとキレそうになった。少なくともタイムアタックミッションに関してはスルーして進んだほうがいい。



 かといってメインミッションも特に印象深いとは言い難い。これといった人間ドラマもなくただ破壊工作に従事させられているという印象。

 高層ビルが立ち並ぶ近未来の街並みそのものは新鮮味があって良い。ただグラフィックの質そのものはイマイチ。屋上を歩く群衆がどう見てもハリボテ感丸出しだったり。オープンワールド化によるロード時間の増加を防ぐために質を抑えているのだとしたら残念。

 戦闘はただ避けて殴るだけで特に楽しくはない。戦いがメインのゲームじゃないのでそれでいいかなとは思う。

 全体として「あまり上手く噛み合っていないゲーム」という印象が強い。それぞれの要素は決して悪くないためにもったいない。そんな気分にさせられる。

 決して面白くないわけではない。本作ならではのゲーム体験は確実にある。ただ「オープンワールド化が上手くいかなかった例」として良くない意味で心に残ってしまう作品だった。とりあえずメインストーリークリアまではなんとかこぎつけたい。