対戦格闘ゲーム『グランブルーファンタジー ヴァーサス』がVer.2.80にアップデートされ、3つの新システムが追加された。
- タクティカルムーブ ラッシュ
- タクティカルムーブ バックシフト
- オーバードライブ
いずれも奥義ゲージを消費する行動となっており。これまで奥義(解放奥義)を発動する以外に使い道が無かった奥義ゲージに新たな用途が生まれた。
これまでのグラブルVSの対戦は正直に言ってやや単調になりがちな面もあった。
奥義の使い道が主に「とりあえず溜まったらコンボを伸ばすのに使う」か「一発逆転に賭けてぶっ放す」の2通りしか無かったので工夫のしようが無かったことが主な要因(一部キャラの自己強化技、設置技を除く)。
今回追加された新システムはいずれもかなり強力なため、相手をコンボで倒しきれない時はあえて奥義を使わずゲージを温存するなど戦略の幅が生まれ、新システムの使い所で個性を出すことも可能になった。かなり上手い調整だと感じる。
「強キャラのベリアルはラッシュの恩恵が薄め」「フェリはバックシフトで起き攻めを回避されるようになったがオーバードライブの恩恵が大きい」など、キャラバランス面も良く考慮された仕様になっているのも好印象。
「タクティカルムーブ ラッシュ」は打撃無敵状態で素早く前進し、相手に接近すると2段の打撃攻撃に派生する。奥義ゲージ50%消費。
無敵で相手に接近できるため突進技として非常に強力。画面端を背負わされた時に相手を押し返すのに使える。
さらに派生の打撃攻撃は相手にガードされても有利。とりあえず出しておけば有利な状況を作りやすい。
ただし相手が遠かったり空中にいたりすると派生攻撃が出ず、かなり大きめの硬直が発生しスキを晒すことになる。ある程度は注意が必要。
飛び道具無敵が無いため避け・回り込みとの使い分けも重要。
通常攻撃をキャンセルして発動することが可能。さらに通常攻撃ヒット時のみラッシュを必殺技でキャンセルできるためコンボパーツとして使える。
牽制技にラッシュを仕込んでおいてヒットしていたらコンボに移行したりすると強い。
移動距離がかなり長いので、あとちょっとで相手を画面端に到達させられる、という時にラッシュを使って相手を画面端に運んで高ダメージのコンボを狙うことも出来る。
「タクティカルムーブ バックシフト」は無敵状態で後退する防御行動。奥義ゲージ50%消費。
発動直後から無敵になるため、相手の起き攻めなどを回避したいときに使える。後ろ+中+強同時押しを押しっぱなしにするだけで発動できるので入力が簡単。
特に「飛び道具を重ねての中下択」や「打撃とコマンド投げの二択」のような強力な起き攻めを回避できるのが便利。
キャラ毎に性能の差があり、基本的に無敵や当身の必殺技を持っていないキャラはバックシフト発動後の硬直時間が短く高性能になっている。無敵技の有無によってキャラクター性能に格差が生じていたのを是正するためのシステムと言えるだろう。
「オーバードライブ」は奥義ゲージ100%で発動可能な自己強化技。
- 攻撃力アップ
- 通常技にケズリダメージ追加
- 相手からのケズリダメージ無効化
- オーバーヘッドアタック発生高速化(+2フレーム)らしい
- アビリティ入力(必殺技簡易入力)の性能がテクニカル入力(コマンド入力)と同等に
という5つの効果がある。試合終盤で相手を倒しきりたいときや、逆に不利を覆したい時に使える。
発動中は奥義ゲージがオーバードライブゲージに変化。時間経過で徐々に減少、相手の攻撃を受けると一定量ゲージ減少、奥義を発動すると全ゲージ消費しオーバードライブが終了する。
オーバードライブの発動自体に無敵と攻撃判定があるため発動が狙いやすい。ただし避けられると反撃が確定するため完全な「出し得(出すだけで得)」ではない。
特に通常技ケズリがかなり強力なため、ゲージを温存する意義が生まれている。相手のオーバードライブによるケズリを防ぐためにこちらも奥義ゲージを温存、といった駆け引きも生まれうる。
必殺技のアビリティ入力のデメリットが無くなるため、ヒット確認必殺技がやりやすくなる他、キャラによっては新たなテクニックが生まれるかもしれない。新たなやりこみポイント。
マンネリしがちだった対戦に新たなパターンが加わったグラブルVS。プレイ体験としては純粋に楽しさが増大している。
ただゲーム全体の盛り上がりという観点で見ると「なんか新システムが追加されたからプレイしてみよう」と考える新規プレイヤーはあまり多くないだろう。欲を言えばやはり新キャラなどの発表とセットで来て盛り上げて欲しかった。
ともあれ新システムが楽しいのは間違いないので今後しばらくプレイしていきたい。