先日パソコン用キーボードの買い換えを検討したのだけれど、結局買い換えないことに決めた。
それ以来、なんとなく家にある2つのキーボードを気分によって使い分けながらタイピングしている。
ここ数年はずっとフルサイズの赤軸メカニカルキーボードを使っていたんだけれど、昔から持っていたHHKB Lite2 for Mac(現在はおそらく生産終了)を引っ張り出して使うようになった。
rhbiyori.hatenadiary.jp
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使い勝手はメカニカルの方がいい。打鍵がスムーズなので疲れにくさが明らかに勝っている。
しかしなぜかHHKB Lite2を使っている方がテンションが上がる。その理由が自分でもわからない。
HHKB Lite2にはキーボード好きなら誰もが知っている上位機種のHHKBが存在している。
Lite2を使っていた頃は当然のようにそっちの上位機種も使ってみたいと思っていたが、長らくその感情を忘れていた。
Lite2はHHKBとほぼ同じ形状をしている。違いはキーの構造が違うため打鍵感がややスムーズでないこと。逆に言うとそれ以外の使用感はほぼ上位機種と同じということになる。
しかしだからHHKBの使用感にメリットがあるかというと実はそれほどでもない。
キーが少ないためコンパクトで、その分机の上を広く使えるというメリットはある。マウスも動かしやすい。
キーの天面がホームポジションに向かってゆるやかに湾曲した「ステップスカルプチャー」という形状になっているため、指に吸い付くような感覚があるのも良いところ。
が、メリットと言えばその程度。あとは普通のキーボードと大差ない。むしろキーが少ない分困ることもある。
にも関わらずHHKB Lite2ならではの満足感がある。それはなぜだろう。
ちょっと指を伸ばせば全てのキーに指が届く、絶妙なサイズ感。これがワクワク感を生んでいるのかもしれない。職人が持つ道具へのこだわり、みたいな優越感を刺激してくれるというか。
自分はゲームの影響でリボルバー式拳銃、その中でもシングルアクションアーミーという西部開拓時代に生まれた古い銃が好きなのだけれど、そういう銃を好む人の心性にも似ているのかもしれない。シンプルだからこそ扱いやすいという実用上の利点もあるにはあるし。
そんなことを感じ続けている。のでまた上位機種のHHKBが欲しくなってきてしまっている。でもビビるくらい高い、というかキーボードとして割高なのでやっぱり買わないと思う。そうして日々が過ぎていくのだな、と思うと少し切ない。