MGS3リメイク『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』が発表された。
Twitterなどでは「小島監督が関わっていないから嫌」と言っている人が見受けられる。今のところ関わりの有無は未発表だが、もし関わっているとしたら真っ先に公表する可能性が高いので、おそらく無いのだろう。
そんな人たちには、あなたたちはメタルギアから何を学んだのですか?と問いたい。
大切なのは受け継がれるセンスでありミームだろう。人への盲信ではなく、眼の前にあるものの本質を見るべきなんじゃないか。
で、その上で言うと、自分はMGSΔのPVを見てもあまりセンスを感じませんでした。はい。
単に「MGS3に出た動物を見せてヒキを作ってから、高画質化したスネークを見せる」以外の含意を見いだせなかった。
小島監督だったらもっと見る人を楽しませる、ワクワクさせるような企みを様々に忍ばせてくれただろう。
何よりも強く小島監督の不在を痛感した。もっとも第三者によって脈絡のないオリジナリティが付与されるよりはずっとマシだったのかもしれないけれど。
今のところ発表されている数少ない情報を見ても不安要素がある。
公式サイトトップの画像を見ると、どうもマップ構成が原作そのままであるらしい。ソコロフが隠れていた小屋などを見るとそれが顕著にわかる。
開発チームのメッセージにも「ゲームデザインを忠実に再現し」と書かれているところから見るに、リメイクとリマスターの中間的な作品になるのではないだろうか。
MGS3のマップは現代のゲームと比べるとかなり狭いが、はたしてただ高画質化しただけで面白いゲームが作れるのか。見た目はいいけどスカスカといった評価にならないだろうか。
MGS3の移植が含まれたマスターコレクションも発表されたが、もしそちらが先に発売された場合、直接的な比較に晒されることになる。はたしてそれに耐えられる作品になるだろうか。
というのが発表された情報を見てざっと思い浮かんだ懸念点。
もちろんそういう不安を払拭するクオリティであって欲しいと願う。ヒット作となれば他のシリーズ作のリメイクも実現性が出てくるだろうし。
ポジティブな要素があるとすると、PS2の名作リメイクとして『ワンダと巨像』という成功例があることだろうか。大自然が舞台という点も共通している。
本当にオリジナルに忠実なゲーム性プラス最新クオリティなグラフィックを目指してくれるなら、良いゲームに仕上がる余地はある。
開発メーカーはまだ発表されていないがワンダと同じBluepoint Gamesだったら期待は高まる。MGSHDエディションも開発しているので可能性が無くはない。ただBluepointは2021年にSIE傘下に入っているので、マルチハード対応の今作には関わっていない公算が高いだろうか。