なんだかRPGツクール製のゲームをプレイしたい欲が突然高まり、10日ほど前からフリーゲームの『イストワール』を再プレイしている。
2003年に発表されたゲーム。もはや「レトロフリーゲーム」と言っていいだろう。RPGツクール2000という古のゲーム制作ツールで制作されており、どのくらい古かと言うと、全画面時に縦横比を設定できないためゲーム画面が横長になってしまうという不便仕様。仕方ないので画面そのものの解像度を下げてウィンドウでプレイしている。
発表以降も、作者の公認を得た非公式パッチがゲーム配布サイトの管理人によって作成されており、2022年が最新版。長く愛され続けてきたゲームであることがわかる。
10年くらい前にもプレイ記事を書いたけど、クリアはまだしていないハズ。なんだけど、いかんせん古いゲームなので記憶が曖昧。プレイしていて見覚えがあるところと無い場所がある。
実を言うとラスボス戦のプレイ動画だけを見てしまったことがあり、記憶はおぼろげながら、結構重大なネタバレを踏んでることをプレイしながら思い出した。でもまぁそれはそれとして、ゲームを進める道のりを楽しめている。
発表された時期の他のゲームと比べても、お世辞にも親切なゲームとはいいがたいところがあり、やたらと広いマップに敵やアイテムを設置して「あとは自由に探索してね」という投げっぱなし感は、昔も今もパッケージソフトだったらなかなかあり得ないシステムだろう。
でもフリーゲームだからこそ野心的なゲームを作るという発想は、現代のインディーゲームなどにも通じていて、それが本作の魅力になっている。
また本作の、イベントやセリフではなくマップや文書でストーリーを表現する手法は、「環境ストーリーテリング」や「ウォーキングシミュレーター」と呼ばれる、昨今流行りのゲームシステムの概念にも通じるものを感じる。『Outer Wilds』みたいな。
神話的世界観、ポータルで拠点に帰るシステム、ダンジョンの奥で無言で待ち構えるボスなど、『ダークソウル』をはじめとする、いわゆる「フロムゲーム」に似た手触りもある。
自分は「オープンワールドゲームのクリア後のマップを探索すること」に癒やしを感じるのだけれど、本作の「広いマップにひとりぼっち感(仲間いるけど)」からはそれと似たような癒やし感を得られている。構成要素が少ないからこそ、心の落ち着きを得られる。例えるなら大作AAAゲームが大手コーヒーチェーン店で、本作は個人経営の小さな喫茶店、といったところ。
フリーシナリオRPGをうたうだけあって、『サガ』シリーズからの影響は確実にあるだろう。昔ちょっとだけプレイした初代の『ロマンシング・サガ』がプレイ感が一番近い。
現在の自分のプレイ状況はというと、大結晶石を全部「レベルアップ時に追加ステータスアップ」に振ってしまった結果、同調の像を起動できず、いつまで経っても味方メンバーを増やせないという事態に陥っている。それでもちゃんとゲーム進行が可能なのが本作のスゴいところ。
ジャンルとしてはRPGだけれど、どちらかというと謎解きゲームの要素が強い。ボス戦も耐性の組み合わせだし。隠し要素も非常に多く、昔プレイしたときは「こんなのわかるわけないじゃん」と思うことが多かったけれど、歳を重ねたおかげか制作者の意図を汲み取れるように、わりとスムーズにプレイできている。
流石に今回は初めて自力クリアできそう。たぶん。詰みポイントが無ければ。20年越しにクリアできたら相当感慨深いことになるだろう。