アサシンクリードシリーズの新作『アサシンクリード4』が発売されると聞いた僕は不安だった。
なぜか。前作の『アサシンクリード3』が改悪の目立つイマイチな作品だったからである。そのへんのことは前もブログに書いた。
アサシンクリード3 クリア後レビュー - 思考だだ漏れノート
もし4が3と同じかそれ以上につまらなかったとしたら、定価で買うのは嫌なので、発売日である11月28日には買わずに、しばらく様子を見ることにした。それほどまでに3のトラウマは深かったのである。
それから今日まで、ネットのレビュー等をチェックし続けていたところ、「アサクリ4は海賊×アサシンゲーとしては面白い」という、若干の不安は残るもののそれほど悪くない評価が定まってきたようなので、結局買うことにした。
- 出版社/メーカー: ユービーアイ ソフト
- 発売日: 2013/11/28
- メディア: Video Game
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まだ発売してから日が経っていないので、初回限定特典(数量限定ショップ特典の『アートブック』と、初回生産分限定の『スペシャルコンテンツコード』)がついたものを買えた
。UBIソフトのこういう商売手法は以前から好きではないんだけど。
というわけで、3時間ほどやった上でのプレイ初日レビューを書いてみる。
まずゲームを起動すると、『Uplay PASSPORT』というものを入力することを求められる。なんでもこれは、オンライン要素をプレイするためのコードで、以前は有料だったが、現在では廃止となったらしい。
なので、パッケージの化粧紙の裏(わからない人はディスク2を外してもらえばすぐわかるはず。Xbox360版の場合)にコードが書いてあるので、それをそのまま打ち込めばいい。なんだかメタルギアソリッドの無線番号みたいだ。めんどくさい。
次に、『Uplay』という、UBIソフト謹製のSNSと思しきサイトのアカウントを作ることを要求される。別に作らなくてもいいのだが、アカウントを作ってゲームをプレイするとポイントが溜まってなにかしらの特典が得られるらしい。というわけで作る。めんどくさい。
さらに、上述の『スペシャルコンテンツコード』も入力して、コンテンツをアンロックした。めんどくさい。
なぜゲームを始める前に文字入力を三回もしなければならないのか。あえて率直に申し上げさせていただくが、アホみたいである。この辺はもうちょっと考えていただきたかった。
肝心のゲーム内容であるが、まずグラフィックが良いのにすぐ気がつく。
画質自体は前作3とそれほど変わっていない感じだが、舞台が南国なこともあってか、とにかく色彩が鮮やかで美しい。海が透き通っているのにもビックリした。前作の舞台である開拓時代のアメリカの町並みが、全体的に煤けたような風景ばかりで不評だったので、なかばヤケクソになったのではないかと勘ぐってしまうくらいハデハデである。
主人公・エドワードを動かしてみると、フリーランの快適さがさらにアップしている。3のコナーの時点でも結構快適だったのに、それに輪をかけてエドワードのフリーランは早い。特に壁を昇るのが、やりすぎなんじゃないかというくらいに早い。ストーリー的に見ると違和感があるが
、プレイヤー的には快適であるに超したことは無い。
最初に南国の島を走れるが、それだけでもかなり楽しい。さらにその後すぐに街中に舞台が移るが、これも楽しい。前作は密集した街並が少なく、「屋根から屋根へ飛び移る」というアサクリシリーズの醍醐味がイマイチ味わえなかったが、4の街並は2〜リベレーションのエツィオシリーズ並の街の密集度に戻っている。良い。
戦闘に関しては、前作の方がスタイリッシュだったかな、という感じが今のところある。まぁまだ始めたばかりだし、装備が増えたら変わってくるかも。というか、前作コナーの「アサシン無双」っぷりが異常だったとも言える。
なによりうれしいのが、「戦闘中に建物に登って逃げれば楽に逃げ切れる」というところ。3の敵兵はアサシン並みのフリーランでコナーを追ってきたので、どうしても「アサシン無双」で迎撃せざるを得ず、結果的にゲームのテンポが大きく削がれていた。しかし今作はそんな心配は無さそう。
他にもシステム面での改良点が多く、過去作のいいとこ取りといった感じで、今のところ不満はない。
ストーリー面でいうと、「まぁありがちかなぁ」といった展開が続くが、元もアサシンクリードシリーズは、ストーリーの骨組みだけを見ればわりとオーソドックスな話ばかりなので、別にいいんじゃないかという。
海賊が主人公、というと日本では「ワンピース」が最初に思い浮かびがちだが、全然違う。どちらかというと「パイレーツ・オブ・カリビアン」の方に近い。アレをよりハードかつリアル、そしてむさくるしくしたのが「アサシンクリード4」だと思う。
難点を挙げるなら、現代(というか近未来?)パートの主人公が変わったせいか、ストーリー的なつながり感がかなり希薄。エドワードはコナーの祖父なので、「過去編は徐々に現代に近づいてくる」というシリーズ伝統の流れも崩れている。なんというか、やっていてナンバリングタイトルという感覚あまりしないのは僕だけだろうか。ぶっちゃけて言うと、海外によくありがちなストーリーの引き延ばしなのではないか?という疑問も頭をよぎる。
しかし、これからやっていくうちに4ならではの要素もどんどん出てくるだろうし、ストーリーのつながりも明らかになるかもしれない。なによりシステム面での改良がかなりいい感じなので、安心して楽しめそうである。