rh日和(仮)

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プリンス・オブ・ペルシャ(2008年版)をプレイ

 以前書いたとおり、Xbox360の『塊魂ビューティフル』を買ってプレイしたのだが、実はその時同時購入していたソフトがもう一本あった。それが今回紹介する『プリンス・オブ・ペルシャ』。Xbox360版である。

プリンス・オブ・ペルシャ

プリンス・オブ・ペルシャ

 『プリンス・オブ・ペルシャ』というと、スーパーファミコン等でかなり昔に発売された初代版のものが有名だが、このXbox360版(PS3版もある)は初代版と同じ名前ではあるものの、リメイクですらない全く別の作品。共通点はアラビアンナイトっぽい世界観と、壁につかまったりするというアクション性だけ。

 なので、単に『プリンス・オブ・ペルシャ』で検索しても、初代版か映画の情報しか出てこない。Wikipediaでは新しい方を『プリンス・オブ・ペルシャ(2008年版)』と表記して区別している。今後こーゆう紛らわしい表記は是非やめていただきたいところである。

 ではなぜそんな紛らわしいゲームを買ったのかというと、第一に、初代『プリンス・オブ・ペルシャ』が名作と呼ばれているということ、そしてもうひとつは、この新生『プリンス・オブ・ペルシャ』の開発会社が、僕の好きなゲームである『アサシンクリード』などでお馴染みのユービーアイソフトだったということ。プラス要素が二つもあったわけだ。


 で、早速プレイしたわけだが、その感想は、結論から言ってしまうと可もなく不可もなく、といったところ。

 ストーリーは、主人公のプリンス君と謎の少女エリカの二人が協力して、アーリマンという悪魔っぽい敵を倒し汚れた大地を浄化する、という感じ。

 プリンス君は、アサクリ的に言うと、声優は3のコナーでお馴染み浪川大輔氏だが、性格は2のエツィオ(の若い頃)に似た軽いノリの男。しかしやるときはやる、なかなかのナイスガイである。

 一方エリカの方は褐色の美少女で、魔法が使える。彼女の巫女的なパワーで大地を浄化するのが目的の一つとなっている。最初はプリンスに対して反感を抱いているものの、冒険を続けるうちに徐々に心を開いていくという、典型的なツンデレである。

 ただここで一つ問題なのは、エリカのCVに女優の成海璃子を起用しているという点。決して下手というわけではないし、当時16歳であることを考慮すればむしろ頑張っている方だと思うのだが、さすがに百戦錬磨の浪川氏と並べて聞いてしまうと違和感が大きい。どうしても「クラレ」「ミラバケッソ」といった単語が脳内を飛び交う…のは僕だけだろうが、いっそどちらも俳優を起用しておけば違和感が無かったのではないか。

 あと、セリフが海外ゲームにありがちな翻訳調で、会話が噛み合っていないと感じることもしばしば。ストーリー自体はわりと単純なのでプレイに支障はなかったが。


 次にアクション面。プリンス君を操作して、崖を飛んだり登ったりしてステージを進んでいくのがこのゲームの基本となる。

 アクションは予想していたとおりアサシンクリードっぽいパルクールがベース。さらに壁走り・天井走りなど、現実では不可能であろうよりファンタジックなアクションも可能。

 うっかり操作ミスをして崖から落っこちたりしても、魔法で空を飛べるエリカがちゃんと救出してくれる。ゲーム的に言えば、何度でもコンティニュー可能という親切設計になっているわけだ(だったら最初からエリカが魔法で目的地まで運んでくれればよいのでは?などと野暮なことは考えないほうがよいのだろう)。

 ただちょっと物足りないのが、アサシンクリードほどの自由度が無いという点。基本的に決められたコースを決められたアクションで進めばクリア出来てしまうので、プレイヤーは「いかにして正解を見つけ出すか」ということに腐心することになる。しかも個々のアクションそのものの難易度は低いため、全体として作業感が強くなっている。

 アクションが総じて妙にスピード感に欠けるのもマイナス。パッケージ裏には「スピーディーなデュオアクション」と書かれているものの、実際は「ふんわり」という表現が一番近いと思う。入力猶予を長くするためだろうけど。

 敵との戦闘もあるのだが、正直言ってヌルい。攻撃とガードを交互に繰り返していればそのうち勝てる。たまにボタン連打などのいわゆるQTEが挟まるのだが、そもそもいくら戦闘でダメージを受けてもゲームオーバーになることが無い(多分)ので、緊張感があまりない。

 ちなみに、戦闘においてもエリカの魔法攻撃は活躍する。どうやら魔法はガード不能らしく、コンボの起点に重宝するのである。もう全部エリカひとりでいいんじゃないかな。


 唯一手放しで褒められる点があるとすれば、グラフィックを含めた雰囲気が非常によろしい、ということ。アラビアンナイトっぽい建物はよく出来ているし、「穢れ」という黒いうねうねに侵食されたフィールドが浄化によって緑を取り戻す様は見応えアリ。上述のふんわりとしたアクションと相まって、プレイしているとなかなか幻想的な気分に浸れる。

 そもそもさっきから挙げている欠点は、ほとんどが難易度が低い、という部分に集約できるのであって、逆に雰囲気ゲーとして見れば低難易度であることはむしろプラス、なのかもしれない。

 ただ、今作のような洋ゲーをプレイするのって、どちらかと言えばいわゆるコアゲーマーがメインなのではなかろうか。初代『プリンス・オブ・ペルシャ』もゲーム性はわりとハードだったっぽいし。ライト層を取り込むために成海璃子を起用したのかもしれないが、実際どれくらい売れたんだろう。


 というわけで、総じて言うと、アラビアンナイトっぽい雰囲気を楽しみたい人向けのゲーム、という感じ。佳作と凡作の間くらいだろうか。なお、筆者は最近マインクラフトにハマり出した上に、スパ4AEにも手を出し始めたため、未クリアで積みゲーと化している。果たしてクリアする日は来るだろうか。

Minecraft: Xbox 360 Edition

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