PS Plus3月のフリープレイの『Sifu』をプレイ。危うくもらい忘れるところだったのを3月末にギリギリで気づいたのだった。あぶなかった。
本格カンフーアクションゲームとして話題になった本作を、PSプラスならフリープレイで遊べるというのだからありがたい。
まずオープニングからちょっとした裏切りでプレイヤーを驚かせてくれる。意図したものかはわからないが、なんとなくゲーム性を知っていてもなお驚けるストーリー展開になっているのは、上手いなと感じた。
カンフーを駆使して敵を倒していくステージクリア型の3Dアクションゲーム。弱攻撃、強攻撃、回避、パリィなどを組み合わせて戦う、比較的オーソドックスな操作性。殺された師匠の敵討ち、というストーリーも実に王道カンフーものらしい。
敵にやられると不思議な硬貨のパワーにより、年齢を重ねて復活できるシステムが大きな特徴。
年齢を重ねるごとに攻撃力は上がるかわりに体力が減少する。ただ弱体化するだけではないというあたりが面白い。もちろん見た目も変化する。青年拳法家から白髪白ひげのシブい老師へ。
主人公の寿命が尽きる前にすべてのステージをクリアするのが目標。要するに年齢がコンティニュー回数のかわりになっているのである。
これだけだとクラシカルなアーケードゲームライクなゲーム性になりそうだが、そこに「挑戦前の年齢でステージをやり直せる」システムが加わることで、一味違ったゲーム性に仕上がっている。
繰り返しプレイすることでプレイヤー自身の腕前が上がり、より低い年齢でクリアできるようになる。
なのでノーデスを目指してひたすら同じステージをやりこんでもいいし、ある程度のデスは許容して先に進んでもいい。しかしあまり年齢が上がると後半のステージが辛くなるので、結局序盤のステージに戻ってやりなおさなければいけないかもしれない。
言ってみればゲーム進行の自由度がプレイヤーにゆだねられている。そしてその過程で、繰り返しプレイが自然にうながされている。ちょっと似たシステムのゲームが思い浮かばないかもしれない。
ゆくゆくは「ノーデスやりなおし無しクリア」みたいなやりこみプレイもできそうな予感。まだ未クリアだからわからないけれども。
同じステージを繰り返しプレイすることで経験値を稼ぎ、技やアクションを増やすこともできる。デスした後も経験値が残るタイプのローグライクにちょっと近いプレイフィールで、どんどんアクションが増えていくのが楽しい。
しかし本作は「いかに敵の攻撃をさばくか」が重要な、アクション要素の強いゲームであるため、ゲーム内の経験値よりも現実のプレイヤースキルを求められる比重がかなり大きい。
とにかくプレイヤーの腕前一本で進んでいかなければならず、救済措置などもない(難易度選択は可能、アプデで追加されたらしい)ので、アクションゲームが苦手な人はちょっと厳しいかもしれない。
そのぶん、自分の成長が実感できるつくりになっている。硬派なアクションに挑戦したい人にオススメ。
完璧主義気味の自分は、ひたすらステージ1を繰り返しプレイする初日&2日目を過ごすことになった。
ステージ1にどうしても解放できない要素があって攻略サイトを見たら、ある隠し要素の存在を知ってしまい、さらにハードなやりこみをすることになってしまった。完璧主義の弊害が出ている。
でも全然飽きない。小気味良いコンボと、パリィや回避を主体とした防御システムが、爽快感と成長の喜びを味わわせてくれる。ステージシステムは一風変わっているが、3Dアクションゲームとしてはかなりの正統派。
カンフーを題材としているだけあって技の種類が豊富なのが実によい。スムーズに敵を倒すことができればまるで映画のワンシーンのようなスタイリッシュさ。倒せれば、の話だけれども。
これは結構長く遊べそう。カンフーマスター目指してやり込んでいきたい。