rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

格闘ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』の米プレイヤー先行配布問題について

 Appleの発表会までヒマなのでさらっと何か書きたいと思う。

 もうすぐ『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE(以下MVC:I)』というゲームソフトが発売される。アイアンマンやスパイダーマンと言った「マーベル」のキャラと、ストリートファイターのリュウや魔界村のアーサーといった「カプコン」のキャラがクロスオーバーして戦う対戦格闘ゲーム。日本では今月21日、欧米では19日発売らしい。

 で、その発売前のソフトを、アメリカの一部のプレイヤーが既に入手してプレイし、あまつさえそのプレイ動画の生配信も行っている模様。

 こう書くと、いわゆるフライングゲットの問題かと思うかもしれないが、そうではない。実はソフトを製作販売しているカプコンが、公式に製品版に近いアーリーアクセス版のソフトを配布し、動画配信を依頼しているらしいのである。

 なぜカプコンはそんなことをするか。それはソフトを配布したのが大会などで活躍するプロゲーマーや強豪プレイヤーであることから察するに、宣伝効果を狙ってのことではないかと見られている。

 そのプレイヤーの一人が「ジャスティン・ウォン」というプロゲーマー。格ゲーファンなら知らない人はいないほどの伝説的なプレイヤーである。

 プロゲーマーがメーカーからソフトを貰って(あるいは買っているのかもしれないが)、宣伝のためにプレイ動画を配信する。そのこと自体には特に問題点は見当たらない。

 しかし本作MVC:Iが大会開催用のタイトルとしての開発を念頭に置いていること、そしてメーカー公式の賞金付き大会の開催を発表していることから、一部のいわゆるネットユーザー(あんまり好きな表現じゃないけど)達の間で物議を醸している。

 なぜか物議を醸しているかというと、先行入手した一部のプレイヤーが他に先んじてゲームを攻略をすることで、大会におけるアドバンテージを得てしまい不公平なのではないかと危惧されているから。

 野球やサッカーの世界大会に例えると、アメリカのチームだけが他の国よりも何日か前に公式球を貰って練習し、結果的に優勝したとしたら。フェアじゃないと感じる人のほうが多いだろう。


 そもそもなぜ自分がこの問題を知っているかというと、主に国内の強豪格闘ゲームプレイヤーだけを集めたTwitterのリストを作成して日常的にチェックしており、そこで話題になっていたからだったりする。自分でもなんとなく少しだけ気持ち悪いな、と思う。理由は上手く言えないけど。

 この問題が難しいのは「フライングゲットした人の方が勝てるのか?」という疑問に対して誰も明確に答えを出せないという点にある。「ぶっちゃけ数日早くてもそんなに変わらなくね?」という意見もそれなりに見る。

 ただゲームがe-Sportsという名でのスポーツ化を画策している業界の趨勢から見て、事実はどうあれスポーツとしての公平性を欠くようなことはe-Sportsタイトルを制作する企業としてすべきではないのかという意見もあったり。同じ文脈で「これがe-Sportsだ!」的な皮肉もある。


 僕個人としては、MVC:I自体に現状であまり魅力を感じていないのと、大会を観戦するという立場から見て、数日のフラゲが公平性と観戦の楽しみを大きく損なうとは考えていないので、わりとどうでもいい話だったりする。

 しかしそもそも競技としての公平性に少しでも水を差すようなことを企業自らがやるのはどうなのかな、とも思う。っていうかストV以降のカプコンの格ゲー部門にはほとんど良い印象が無い。

 そもそもこの問題、自分のように格ゲー大会シーンに興味がある人に以外の、大半のゲーマーにとっては根本的にどうでもいい話なのかもしれない。

 大半のゲーマーにとって重要なのは、ゲームとして面白いか、という部分で、そこは発売日を待つしか無い。果たしてどうなるやら。ちなみに自分は購入未定。