2009-12-25 ドレスデン 夏目漱石の時代から、小説には複雑な心理描写があった。絵に描いたような単純な人間は存在しない。にも関わらず、判を押したような登場人物が、どこかで見たようなエピソードを繰り返す物語が、日々生産され消費されていく。本当はみんな複雑なことなど考えず、シンプルに暮らしたいのだ。僕もそうだ。それでも、複雑に考えてしまう。複雑になってしまう。だから小説が存在するのだろうか。