買ってから一旦しまいこんでいた中古の「Happy Hacking Keyboard Lite2 for Mac(HHKB Lite2 for Mac)」だが、グリスを塗る加工をして以降、メインのキーボードとして使い込んでいる。
PFU Happy Hacking Keyboard Lite2 for Mac 日本語配列かな印字なし USBキーボード Mac専用モデル ホワイト PD-KB220MA
- 発売日: 2007/01/24
- メディア: Personal Computers
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自分は普段、MacBook AirとWindowsのデスクトップ機(最近10にアップデートした)という二台運用なのだが、ここ最近ブログを書くときは、Windows機に「HHKB Lite2 for Mac」を繋いだものを使うことが多くなっている。
なぜ「for Mac」なのにWindows機で使うのかというと、「HHKB Lite2 for Mac」は名前にMacとついているものの、実はキートップの印字以外はWindows用の「HHKB Lite2」と全く同一、らしい。なので、家の中で持ち運ぶことが多いMacBook Airよりも、据え置きのWindowsデスクトップ機で使う方が、イチイチケーブルを抜き差ししなくていいから便利、というわけ。
PFU Happy Hacking Keyboard Lite2 日本語配列かな印字なし USBキーボード ブラック PD-KB220B/U
- 発売日: 2004/06/17
- メディア: Personal Computers
ではなぜMacBook AirよりもHHKBなのかというと、もちろんHHKB Lite2のキータッチや堅牢性が優れていて使いやすいことが理由ではあるが、それ以外にもHHKBならではの特徴があって、それが愛用している秘密だったりする。
厚型キーボードの利点に気づいた
MacBook Airを使い始めた頃は、「薄型キーボード最強じゃね?打鍵感が軽いし、音が静かだし、コンパクトだし」と思っていたが、HHKB Lite2のような厚型キーボード(なんて言葉は無いけど便宜上そう呼ぶことにする)にも利点があるということに最近気づいた。
それは「底打ち」しにくく、疲れにくいということ。
「底打ち」とは、文字通りキーを最後まで押し切り、キートップが底を打つことを言う。底を打ってしまうと、硬い机の上を指で叩いたのと同じように、指先にショックが伝わってしまう。タイピングをする人の中には「底打ちしないと気が済まない」という人もいるらしいが、長時間タイピングするなら指先へのダメージは少しでも少ない方がいい。
厚型キーボードの方が、今流行の薄型よりもキーストロークが長いため、一般的に底打ちしにくく疲れにくい。さらにHHKB Lite2は、キーが固すぎず柔らかすぎずちょうどよいので、安価なメンブレン式キーボードよりも疲れにくく感じる。ただし底打ちせずにキーを打てるようになるには、それなりの慣れが必要ではある。
厚型キーボードの場合、パームレストの併用がほぼ必須となるが、自分はググって出てきた情報を参考に、タオルを巻いたものをパームレストの代用にしている。これもHHKB Lite2がコンパクトであるからこそできること。さらに余った生地をキーボードの下に敷けば静音化もできて一石二鳥。
指の移動の少なさに特化したキー配列
HHKBシリーズの特徴といえば、やはり独特の超コンパクトなキー配列だろう。
テンキーはおろか、デリートキー(カーソル右側の文字を消すキー)も、Page Up/Downキーも、F1~F12のファンクションキーも存在しないという、大胆すぎるオミットがなされている。
正直に言うならば、それらのキーを多用する人にはHHKBは向いていないかもしれない。実際僕も、ゲームでスクリーンショットを撮るときにファンクションキーが無いのは少々不便に感じている。
しかしこと文章入力に関して言うならば、必要なキーは全て揃っているため、なんの不便もない。むしろ、コピー&ペーストなどで多用するControlキーがAキーの左隣にあって押しやすいなど、HHKBならではのメリットもある。
またファンクションキー等は、最下段の左右にある「Fnキー」との組み合わせで入力できるので、慣れてしまえば普通のキーボードよりも指の移動が少なくて済むというメリットに変わる。
他にも、Caps LockキーやWindowsキーが独立していないので暴発する心配がないとか、コンパクトなので机の上が広く使えるとか、キー配列がMacBookシリーズと同じなので併用しやすい(Controlキーの機能が違うけど)など、たくさんのメリットがある。
なによりも、昨今はHHKBのようなコンパクト配列のキーボードが他社製品にも増えていることが、コンパクト配列の優秀さを証明していると言えるだろう。まさに先見の明。さすがにファンクションキーまで無いキーボードはなかなか無いけど。
マイクロソフト ワイヤレス キーボード All-in-One Media Keyboard N9Z-00023
- 発売日: 2014/06/13
- メディア: Personal Computers
計算され尽くした絶妙なフォルム
最近気づいたのだが、HHKB Lite2はキーの高さが段によって違っており、横から見ると微妙なカーブを描くような形状になっている。
しかもただカーブを描いているだけでなく、よく見ると、全てのキーの上面がホームポジションに向かって傾いている。上段のキーは手前に傾斜しており、下段のキーは奥に向かって傾斜しているのである。
少し想像していただきたいが、例えばホームポジションの人差し指であるJキーを押すときは、普通はまっすぐ真下にキーを押す形になる。なのでキーが水平になっていてもなんの問題もない。
しかし一段上のUキーを押すときは、指を上に動かしながら押すので、力がややナナメ方向に加わることになる。このときキーがホームポジション向けに傾いているおかげで、力が入りやすく、また滑りやすくなるのである。
微妙なポイントだが、おそらく長年の研究を重ねた結果、この形状になったのだろう。まさに匠の仕事。
HHKB Lite2の唯一の弱点
以上のことから、HHKB Lite2が文字入力に特化した優れたキーボードであるということがおわかりいただけるであろう。
そんなHHKB Lite2にはたったひとつだけ弱点がある。
それは、使っているうちに上位機種である「Happy Hacking Keyboard Professional」シリーズが欲しくなってしまう、ということだ!!
HHKB Proシリーズは、静電容量無接点方式を採用していおり、キータッチが軽くスムーズで、長時間使用しても疲れにくく、耐久性も高いという、まさに至高のキーボードである。全てのキーボードユーザーの憧れの的と言ってもいい。
しかしその代償として、お値段の方も相当お高くなっている。通常モデルで二万円強、静音モデルは三万円近くする。ヘタをすると激安パソコン一台くらいなら買えてしまうくらいの値段である。
昔は家電量販店で見かけるたびにスコスコスコスコと試打しては、欲しいなぁ欲しいなぁと思っていたのだが、最近では店頭で試打できる店も少なくなってきた。悲しい。
入力機器マニアである僕としては、同じく有名ブランドであるRealforceのキーボードと共に、一生に一度は使ってみたいキーボードの筆頭なのだが、果たして手を出せる日が来るのだろうか。うーん。どっかそのへんの道端に落ちてないかな、HHKB Pro(他力本願)。