アメリカ・ラスベガスで開かれた格闘ゲーム大会「Evolution 2014」の最終日を、ネット配信で観戦した。素晴らしい大会であった、いろいろな出来事があった。
その中でも個人的に印象に残った出来事をピックアップして紹介したいと思う。格闘ゲームを知らない人も、この記事を見ればEvoの素晴らしさがわかるハズ。多分。保証はしない。ソースは主にTwitter。
BBCP部門 ガリレオ選手が優勝
BBCP部門Grand Finalはリセット後も接戦が続き,なんと再び2-2へ。最後はけん制からのコンボで流れを掴んだガリレオ選手がどぐら選手を破り,EVO2014覇者となりました。 #evo2014 pic.twitter.com/9jMCIEB6M6
— 4GamerLive (@4GamerLive) 2014, 7月 13
今回観戦していて最も感動したのは、「ブレイブルー クロノファンタズマ」部門の試合であった。見ていた僕自身、ブレイブルーはだいぶ前に少し触った程度なので、どういうゲーム性なのか正直あまりわからなかったのだが、選手達の熱さに思わず心打たれてしまった。
特に幾多のピンチを乗り越えて優勝したガリレオ選手の姿は、多くの視聴者の感動を呼んだ。グランドファイナルはウィナーズの決勝戦*1で一度敗れたどぐら選手を打ち破って優勝するという逆転劇。写真は勝った瞬間に雄叫びを上げたガリレオ選手。
試合後のインタビューによると、ウィナーズの決勝戦で敗れたガリレオ選手に対して、どぐら選手が「絶対(グランドファイナルに)上がってこい、もう一度やろう」と声をかけたそうである。その言葉通りガリレオ選手はルーザーズを勝ち上がり、接戦の末、勝利を収めた。かっこよすぎる。
Dogura's girlfriend (?) collapsing in tears cuz of dogura's defeat in GF. #EvoMoment #Passion #Emotion pic.twitter.com/WmpcSjSdsE
— CDV|WhiteBl4ck (@WhiteBl4ck) July 13, 2014
また、惜しくも二位に終わったどぐら選手は、試合後ガールフレンドと泣き崩れていたという。ぜひ次の機会にはリベンジしてもらいたい。
スポーツを観戦する醍醐味の一つは、プレイヤーたちのむき出しの感情を見る瞬間にあるわけだが、勝利に歓喜し敗北に涙する彼らの姿は、プロスポーツのそれと何ら変わらぬ訴求力であった。格ゲーって、ほんとにいいものですね。
ウル4部門 Luffy選手が優勝
表彰に立つluffy選手。彼のみならず,この3日間を戦ったすべての選手達に賛辞を送りたいと思います。お疲れ様でした!#evo2014 pic.twitter.com/FJYzdFIMl5
— 4GamerLive (@4GamerLive) July 14, 2014
「ウルトラストリートファイター4」部門ではLuffy選手が優勝。フランス出身で、ローズというわりと珍しいキャラクターを使うプレイヤー。しかもコントローラーはパッド(配信で目視したところ、どうやら初代プレイステーションの、灰色でスティックがついてないヤツっぽい)。しかしプロを含む強豪プレイヤーたちを次々と倒していった。
luffy選手の試合は、毎回お互いの体力がギリギリまで減る接戦をモノにするという、勝負強さが光る展開が多く。見ている方としては非常にスリリングでエキサイティングであった。
グランドファイナルは、日本人でサガット使いの「ボンちゃん」選手との対戦となった。お互いが飛び道具を得意とするキャラクターで、試合毎に相手の戦法を読み合う高度な戦いとなったが、終始優勢に試合を運んだLuffy選手が優勝に輝いた。
余談だが、Luffy選手がローズを使い始めた理由は「胸のサイズおよびコスチュームのピンクと青がお気に入りの色だったから」らしい。おっぱいは最強。おっぱいは無敵。
'I chose Rose because of the size of her breasts', interview with Luffy on Rose changes,... http://t.co/O96nl3v27N
— Event Hubs (@eventhubs) September 19, 2013
UMVC3部門 Justin Wong選手
UMvC3部門,笑顔で表彰に立つJustin Wong選手。本当に物凄い試合でした。#evo2014 pic.twitter.com/WOw0HlP0q9
— 4GamerLive (@4GamerLive) July 14, 2014
「アルティメットマーヴルVS.カプコン3」部門では「Justin Wong」選手が優勝。格闘ゲーマーにとっては、「ジャスティン」と言えばティンバーレイクよりもウォン、というくらいの有名強豪プレイヤーであるが、このタイトルでのEVO優勝は初めてだったりする。
グランドファイナルの相手は、「あまりにも強すぎて勝っても会場が盛り下がる」というほどの超強豪プレイヤー「ChrisG」選手。ここで先鋒キャラをストームに変えて*2ChrisGの先鋒キャラ・モリガンに対抗する、という戦術をとった。それが見事にハマり、勝利を収めた。
そもそもストームというキャラは、過去のシリーズでは最強ランクのキャラだったのだが、今作ではあまり強いキャラではないとされている。そんなストームを彼が使い続けている理由は、これまた「かわいいから」らしい。おまえもか。
キャラ愛で使い続けたストームが世界大会の最終戦という最高の場面で最高の働きをした、というのだから、愛は勝つ、というのもあながち間違いではないのかもしれない。
なお勝利したジャスティンは、喜びのあまりなぜか地面を転がるというパフォーマンスを見せた。なんかかわいい。
番外編1 北斗の拳最強プレイヤーK.I選手、海外のファンと会う
海外の強敵と国際交流!アメリカのブレイブルー強豪プレイヤーXieは『KIのプレイを見なかったら格ゲーやってなかった』と言っていました。嬉しいね。また会おうと約束してBye-bye! pic.twitter.com/mNqmPp2W50
— K.I (@ki_mayuyu) 2014, 7月 14
世紀末スポーツアクションゲーム対戦格闘ゲーム「北斗の拳」の最強プレイヤーである「K.I」選手。ウル4部門に選手として出場するためラスベガスに渡っていたのだが、とあるキッカケで彼がK.Iであるという情報が海外プレイヤーに伝わり、彼のファンであるアメリカのプレイヤーとの対面が実現する、というできごとがあったらしい。
ネットの動画サイトでスゴいプレイを見て、それにあこがれて自分も格闘ゲームをやり続けていたら、世界最大の大会の会場でその人に出会えた、と考えると、なんだかすごくいい話である。
番外編2 辻川選手のコスプレが話題に
絵面が酷過ぎる。 RT @4GamerLive BBCP部門では惜しくも敗退してしまったココノエ使いのレイチェル(?)こと辻川選手。その後は森Pと交流を深めていた模様。#evo2014 pic.twitter.com/8MfUbUfZl6
— 森利道@ブラッドエッジ エクスペリエンス (@zatuyoP) 2014, 7月 13
この写真を見ていただきたい。一見単なるサングラスの男性とコスプレをした女性の写真に見える。
しかし、女性に見える右の方は、実は男性である。しかも今大会ブレイブルー部門の優勝候補の一人と目されるほどの強豪プレイヤーである。ブレイブルーの女性キャラクターであるレイチェルのコスプレをしている。平たく言えば女装である。
そして左のサングラスの男性は、なんとブレイブルーのプロデューサーの森利道氏。平たく言えばブレイブルーを作った人である。
わけがわからないよ、とおっしゃる方がいるかもしれない。同感である。全くもって同感である。強いて言えば「公式が病気」というのが一番近いのだろう。世界は広い。