現地時間で7月17日から19日に行われた「Evolution 2015」が終了。例年通り、リアルタイムのインターネット動画配信で観戦した。いやー、今年も色々あったけど、いい大会だったなー。大会の全部を観たわけではないが、個人的に心に残った出来事について書いていこうと思う。
↓観戦前の記事
rhbiyori.hatenadiary.jp
P4U2部門 超選手が優勝
P4U2部門Grand Final,優勝は圧倒的な実力でタヒチ選手を退けた超選手の手に!#evo2015 http://t.co/9N9Tdtt5Ol pic.twitter.com/cKjdJEQtdX
— 4GamerLive (@4GamerLive) 2015, 7月 18
一日目に行われた「ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド(P4U2)」部門で、超選手が優勝した。
超さんのことは、以前から彼のニコニコ生放送での練習配信をよく見ていたので(ぼくが一方的に)知っていた。
当時彼はP4U2ではなくUMVC3をプレイしていたのだが、そのやりこみは凄まじく、コンボとセットプレイの完成度は見ていてほれぼれするほどだった。
放送内でしばしば「格ゲーに青春を捧げてきたので、いつか大舞台で活躍したい」という話(と、下ネタトーク)をしていた彼が、P4U2というタイトルに狙いを定め、EVOという最高の舞台で圧倒的強さで優勝を果たすのを見届けたのは、感慨深いものがあった。
GGXrd部門 小川選手が優勝 ガッツポーズ事件発生
小川選手の暴力的な攻めに,ナゲ選手は的確な立ち回りで対応。2-2までもつれ込むも,最後は小川選手の攻撃力が上回り決着。小川選手がGGXrd部門の覇者に輝きました。 #evo2015 http://t.co/XUHGlhHN7 pic.twitter.com/B3kam8I7xe
— 4GamerLive (@4GamerLive) July 19, 2015
「ギルティギア イグザード サイン(GGXrd)」部門では小川選手が優勝。ギルティギアシリーズにおいて、10年以上最強プレイヤーとして名を轟かせていた小川選手が、文句なしの結果を残し、名実ともに世界一の座に輝いた。
一方、決勝トーナメントでその小川選手と対戦したヲシゲ選手が、EVOの歴史に残る珍事件を起こしてしまった。
2試合先取、1試合2ラウンドという試合形式で、お互い1試合ずつ取った次の試合。小川選手が1ラウンド取った後、次のラウンドを取り返したヲシゲ選手が2ラウンド目を取ったと勘違いしてしまい、まだ1ラウンド残っているにもかかわらず席を立ちガッツポーズをしてしまったのである。そのチャンスを見逃さなかった小川選手がすかさず最大火力のコンボを叩き込み、ラウンドをとって試合終了。ヲシゲ選手は敗退してしまった。*1。
プロ野球の試合で、3アウトと勘違いした外野手が、フライを取った後間違えてボールを外野スタンドに投げ込んでしまうことが稀にあるが、アレに似ている。しかしまさか試合が決まる場面でやらかしてしまうとは、誰もが予想だにしなかったのは言うまでもない。
この珍事によって海外の人々に「stand up guy」というニックネームをつけられてしまったヲシゲ選手。しかしEVOのトーナメントは全て「ダブリエリミネーション」という形式であり、一度敗退しても敗者側のトーナメントで勝ち上がるチャンスがある。
ありえないはずのアクシデントによって現地の観客のハートを掴んでしまったヲシゲ選手は、大歓声を受け、その後の敗者トーナメントを二回勝ち上がり、結果的には3位に輝いた。ある意味、怪我の功名、と言えなくもないかもしれない。
ちなみに大会終了後、現地のホテルで小川VSヲシゲの1ラウンド先取リベンジマッチが行われたのだが、結果は小川選手の圧勝であった。ある意味、丸く収まった、と言えなくもないかもしれない。
UMVC3部門 KaneBlueRiver選手が優勝 日本選手2名が入賞
KaneBlueRiver選手がハルクの爆発力を最大限に活かし,ほぼ何もさせないままにrayray選手を撃破! 悲願となるEVO2015優勝を果たしました。 #evo2015 http://t.co/Xu4rX7LveC pic.twitter.com/EQbUIuwJpq
— 4GamerLive (@4GamerLive) July 20, 2015
「アルティメットマーヴルバーサスカプコン3(UMVC3)」部門ではチリ出身のKaneBlueRiver選手が優勝。ハルク・センチネル・ハガーという、パワー型のキャラクターを三人並べたチームを使うプレイヤー。一見するとネタチームにしか見えないが、意外にもチームシナジーが高く、チームエリアルコンボ*2やXファクター*3を使わずにワンコンボで相手キャラを1人倒せるほどの圧倒的なコンボ火力を誇る。
しかしパワーキャラが抱える根本的な立ち回りの弱さは頑然として存在している。それを圧倒的なやりこみで補うKaneBlueRiver選手は、予選であのレジェンドプレイヤー「ジャスティン」ことJustin Wong選手を破るという快挙を成し遂げ、そのままの勢いで優勝までこぎつけた。EVOのマーヴルVSシリーズの部門でアメリカ人以外のプレイヤーが優勝するのは初めて(英語版Wikipedia調べ)。
Kane選手は日本のプロゲームチーム「Team BlackEye」に所属しており、長期間日本に滞在して武者修行するなど、なにかと日本とのゆかりがある人物。彼の活躍は素直に嬉しい。
また、日本から出場したクロス選手とRF選手がそれぞれ5位タイ、7位タイと大健闘。圧倒的に海外プレイヤー層の方が厚いとされるマーヴルVSシリーズで日本のプレイヤーがベスト8に残ったのは初となる。快挙である。
USF4部門 ももち選手が優勝 GamerBee選手が婚約
もつれにもつれた決定戦。ケーブルが抜けた扱いとなり,ラウンドペナルティを取られたももち選手でしたが,続く最終ラウンドを勝ち切り,見事ウルIV部門覇者に輝きました! #evo2015 http://t.co/Xu4rX836Dc pic.twitter.com/I32gmu2Xm7
— 4GamerLive (@4GamerLive) 2015, 7月 20
「ウルトラストリートファイターⅣ(USF4)」部門の決勝戦は、最終ラウンドまでもつれ込む大接戦。しかし、試合間にケンから殺意リュウへキャラ替えするという難しい判断をしたももち選手がGamerBee選手を破り、初のEVO制覇を成し遂げた。
最終ラウンド直前には、ももち選手のコントローラーの接続が切れてゲームが停止してしまい、ペナルティとしてラウンドを与える形になるというハプニングがあったが、最後まで集中力を切らすことなく勝ち切った。
Boss says we can get merried now, thank everyone cheer for me, you are the best, and I am sorry, really sorry pic.twitter.com/B9853El7Zf
— Bruce Hsiang ゲマビ (@GamerBeeTW) 2015, 7月 20
一方、決勝戦で惜しくも敗北した台湾出身のGamerBee選手は、以前より「EVOで優勝したら彼女にプロポーズする」という公約を掲げていたそうだが、一歩届かなかったとは言え、準優勝という好成績を収めたことでBoss(上司のことだろうか)の許しが出たらしく、応援のため会場に駆けつけていた彼女と無事結婚する運びとなったそうである。よかったよかった。
(4Gamer.netさん(@4GamerLive)、GamerBee選手(@GamerBeeTW)のツイートを引用させていただいております。問題がある場合は直ちに削除します。)
今週のお題「ゲーム大好き」
*1:ちなみに、試合が継続していることに気づいたヲシゲ選手がコントローラーの元に戻ったのは、ラウンド開始のほんの直後。なので急いでレバーを後ろに倒していればガードが間に合ったはずなのだが、焦ってボタンを押してしまったらしく小川選手の攻撃がカウンターヒット。結果的により多くのダメージを受けてしまうこととなった。そしてあのイレギュラーな状況でカウンターヒットからの最大ダメージコンボをきっちりと決めきった小川選手も、実はスゴい。
*2:コンボ中に別のキャラクターに交代することができるシステムだが、デメリットがあり、わかりやすく言えば3分の1の確率で失敗する
*3:発動するとキャラクターが一定時間パワーアップする技。試合中に一度だけ使用できる。発動時にあらゆる行動をキャンセルできるので、技のスキ消しやコンボを伸ばすのにも使える