rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

『Horizon Forbidden West』をクリアした感想 よく出来たゲームだが既視感強め

 『Horizon Forbidden West』をクリア。

 ハードモードでプレイ。「ストライク」「闘技場」「レース」を除きほぼすべてのイベントをクリアしマップも埋めたと思う。

 総じて言うと「よく出来たゲームだけど、前作と同じ部分が多く既視感が強かった」といったところ。

 あからさまな悪いところがあるわけではないし、バグも地形にハマってスタックすることが2、3回あった程度(リロードで直った)。

 グラフィックは前作同様クオリティが高く、ロード時間もPS4+SSDならほぼ気にならない。遠いポイントへのファストトラベルも十数秒のロードで済む。PS5ならこれが一瞬だというのだからスゴイ。

 かといって「ここがめちゃくちゃ良い」というポイントも個人的には少なかったように思う。

戦闘

 序盤はチュートリアル的な一本道だったので結構退屈だった。特に前作経験者は辛いかもしれない。

 探索できる世界が広がり、武器や防具を鍛えて機械獣と対等に戦えるようになってくると戦闘はそこそこ楽しくなってきた。やっていることは前作『ゼロドーン』と大体同じだが、基礎は良く出来ているのでやっぱり楽しい。

 近接攻撃のコンビネーションが増えたが、ほとんど使う機会が無かった。

 大抵の敵は、2回か3回攻撃するとこちらの攻撃に耐えて反撃してくる、もしくは回避してくる。

 なので近接で戦う場合「敵の攻撃を回避する→溜め攻撃」が多くの場面で有効な連携になりがち。

 しかし同じ攻撃を繰り返すと人間タイプの敵は回避してくるようになるし、そもそも近接攻撃はダメージ効率が悪いので遠距離武器で弱点を狙ったほうが楽。

 近接攻撃は小型機械獣に対して矢弾を節約するための手段にしかならなかった。
スキルツリーシステムがやたらと項目が多かったが、「射撃を鍛えると罠が使いにくい」というように自由度が下がる方向に働いてしまっているように感じた。

 上位の武器は1本で3種類の矢弾を撃てるようになる。最終的に4本の武器×3種の矢弾=12の矢弾が武器メニューに並ぶことになるが、はっきり言って多すぎる。アナログスティックでの選択もしにくいのでUIを改善して欲しかった。

 戦闘中に矢弾を作成するのもテンポが悪く集中を削がれる。強い武器ほど作成に時間がかかって辛い。せめて一回の作成で最大個数作成して欲しい。

 新システムの特殊攻撃や勇技は大ダメージを与えたりダウンを奪えて爽快感があって良かった。ただ戦闘中に管理する要素が多くなり、現状でギリギリくらいのバランス。これ以上増えたらキツそう。

 部位破壊した機械獣のパーツがどこかにスッ飛んでいって回収できなくなるのは改善して欲しかった。本体にインタラクトして回収できるようにすればいいのではないだろうか。

探索・パルクール

 探索やパルクールは前作とやっていることがほぼ同じで、特に退屈なポイントだった。機械炉は景観も前作とほとんど同じで新鮮味が無かった。

 壁登りが遅めで、岩場のつかむポイントを細かいところまで一個ずつ登るせいでモタつきを感じた。

 クエスト中に「光る足あとを追いかける」というオープンワールド特有のシステムに、いい加減飽きている自分がいる。アーロイが独り言をブツブツ言っている間に待たなければならないのもテンポが悪い。

 フォーカスの起動も多用するわりに右スティック押し込みなので指が疲れる。割当変更ができるが、このゲームはコントローラーの全ボタンを使うので、結局スティック押し込みを使うのは避けられない。自動でフォーカスを使う機能が欲しかった。戦闘中のフォーカスのレスポンスが悪いのもストレス。

 新要素のプルキャスター。アイテムやオブジェクトを引っ張る操作はただの作業。パズルの見た目を真新しくするためだけの存在に感じた。

 プルキャスターによる高所への移動は、別ゲームの似たような操作に比べてかなり動作がモッサリしており爽快感や快適性に欠ける。張り付いてから上に登るのが遅すぎる。

 シールドウィングはパラセーリングのように高所からゆっくり降下できるアイテムだが、上下の移動の自由度を前作より広げてくれているためここは好印象だった。ただ前作で印象的だった、ロープを引っ掛けて高所から降りるアクションを使う必要がほぼ無くなるため、そこはちょっと残念。

 終盤で空を飛ぶ機械獣に騎乗して空を飛べるようになり、探索の自由度が大幅に上がったのは良かった。ただあまりにも入手が終盤なため探索できる箇所がほとんど残っておらず、飛行を利用するイベントがかなり少なかったため(10個以下だったハズ)満足感が薄かった。

 そもそもオープンワールドで空を自由に飛び回るシステムは「禁じ手」に近く、飛行前提のゲーム内容にする必要が出てくるため、入手を遅くせざるを得なかったのだろう。

 ミニゲームの「ストライク」は千日手(同じ手の無限ループ)を防ぐルールが乏しいため、ベストをな手を指そうとすると試合が膠着しがち。時間がかかって損をするのはプレイヤーだけなのでわざとリスクのある手を指すなどしなければならず、ボードゲームとして完成しているとは言い難い。ただこの手のミニゲームとしてはよく出来ている方だし、自駒や指し手を考える楽しみはあった。

ストーリー

 ストーリーに関しても、良くも悪くも続編らしい内容。

 前作は「ベタだけど完成度が高いストーリー」が美点だったと考えている。
主人公の存在、そして世界そのものが大きな謎であり、終盤でそれが明かされるという、大変わかりやすいカタルシスがあった。

 しかし今作は言ってしまえば「みんなで協力して悪い敵を倒す話」に終止している。

 その敵も、複数の勢力が現れるため微妙に焦点がぼやけている感があった。ある勢力の正体も中盤であっさりわかってしまう。

 エンディングはさらなる続編への展開を残して終わるためやや消化不良感がある。

 というか見ようによっては「ラスボスが出てきたけど倒さずに終了」みたいな内容なので、人によっては不満が強いかもしれない。

 それと前作は、機械獣が跋扈する世界で人類が生き延びようと頑張っている様が世界観の魅力になっていたと思う。

 しかし今作では敵勢力が機械獣を操り、味方もフォーカスで過去の情報にアクセスするようになり、ポストアポカリプスものの良さが薄れてしまったように感じた。それってただの未来の話じゃん、っていう。

 もっと言うと、世界復興という名のアメリカナイズが進んでいるだけのような印象だった。これは大分印象論だけれど。

 コターロやアルヴァなどの新キャラはキャラが立っていてなかなか良かった。一方旧キャラのエレンドはやや持て余されている感があった。レガーラのあのシーンはあまりにベタ過ぎて逆に笑ってしまった。

総評

 たくさん気になるところを列挙したが、要するに「前作と同じことをやらされて退屈」という不満が大半。

 逆に良いところも前作から引き継いでいるため、ゲームとしてはキッチリ「遊べる」内容にはなっている。

 ただ完全新作であるならば、前作でたくさんやってやり飽きたところは簡略やスピードアップをして欲しかった。アップデートで追加された要素(アイテム取得モーションの省略)もあるがまだ足りていない。

 今作はPSプラスエクストラでプレイしたが、サブスクでプレイするゲームのテンポが悪いと「なるべく遊ぶゲームを少なくさせて契約期間を伸ばすためか?」と疑ってしまうようになっている自分がいる。

 今作に関してはそういう意図より、単に前作の仕様をそのまま引き継いだせいでテンポが悪かったという印象ではあった。

 なんとなく今作は、数年後に思い返してみると「結構良いゲームだった」と自分の中で評価が変わりそうな予感がする。個人的な経験として。「2部作の中で一番バランスが良かったのは2作目だった」みたいな感じで。

【PS4】Horizon Forbidden West

【PS4】Horizon Forbidden West

  • ソニー・インタラクティブエンタテインメント
Amazon