rh日和(仮)

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ストV日記 なぜ「遅らせ投げ抜け」と「シミー」が強いのかを理屈で理解した話

ストリートファイターV チャンピオンエディション オールキャラクターパック

 引き続き、自分史上最も真面目に『ストリートファイターV』に取り組んでいる。ようやくウルトラプラチナに上がったり上がらなかったりできるようになった。

 立ち回り、地上戦、対空、コンボなどが一通り出来てきたと感じ、あと足りないのは起き攻めの攻防だな、と考え色々調べる。すると「遅らせ投げ抜け(ファジー投げ抜け)」が強い、という情報がよく出てきた。

 遅らせ投げ抜け。ストⅣの頃は「遅らせグラップ」と呼ばれていたが、さすがに最近は「グラップ」という本来の意味が消えた言い方(「携帯電話→ケータイ」みたいな)自体が無くなってきている。

 そんな話には聞いていた遅らせグラップについて、「ふーん、なんか強いらしいね」くらいのアティチュードでストVをプレイしていたが、改めて自分の頭で考えてみると、「めちゃくちゃ強くね……?」と、自分の中の評価が爆上がり。それこそ遅らせ投げ抜けを使うか使わないかでゲーム性が根本から変わってしまうくらいに。

投げ(抜け)の性能

 なぜ遅らせ投げ抜けが強いのか? それは投げ(投げ抜け)の性能を見ればわかる。

 まず発生5F(フレーム)、持続4F、投げが成立しなかったときのが全体フレーム24F。お互いの投げと打撃が同じフレームで出ると投げが勝つので、実質4Fと見ることも出来る(ニワカなので以下の情報が間違っていたら指摘していただけるとありがたいです)

 通常技になぞらえて考えるならば、発生は弱攻撃、全体フレームは中攻撃(参考:リュウの立ち中キックが全体26フレーム)程度の技だと言える。もちろんガードはできない。

 ここに投げ抜けの機能がついてくる。具体的には、攻撃側の投げの成立から7フレーム以内に、防御側が投げボタンを押していれば投げを抜けることが出来る。

 まとめると投げ(抜け)は「発生が弱攻撃並、全体フレームが中攻撃並で、投げ抜けを仕込めるリーチの短いガード不能技」と言いかえることができる。これだけでも投げ抜けの優秀さがわかるだろう。

遅らせ投げ抜けはほぼ無敵(?)

 で、その投げ(投げ抜け)をちょっと遅らせて入力するのが遅らせ投げ抜け。

 最も基本的な遅らせ投げ抜けのタイミングは、リバーサルから(ダウン後もしくはガード後に動けるようになってから)6Fまでガードし、7Fに投げを入力。

 これにより「7Fから10Fの間の打撃」、すなわち投げ発生前のスキを狙った「遅らせ打撃」を除く、打撃と投げを全て防ぐことができる。打撃と投げを防ぐ。

 ただでさえ、7Fから10Fの合計4Fの間に打撃を当てるのは難しい。しかも遅らせ投げ抜けは防御側が入力タイミングを変えることができる。そもそも毎回同じフレームで入力するのは困難、っていうか1F単位で正確に入力できたらプロレベル。なので攻撃側が遅らせ投げ抜けを崩すのも困難なのである。

 つまり遅らせ投げ抜けは打撃と投げをほぼ防げる防御方法なのである。これは実質無敵と言っていい。ちょっと言い過ぎかも。

密着での遅らせ投げ抜けが強い

 ここで頭のいいプレイヤーであれば「いや、投げ抜けはリーチ短いから離れればスカるじゃん。全然無敵じゃないじゃん。」と考えるであろう。

 それはそう。その通りなのである。遅らせ投げ抜けは、投げの範囲外に逃げられると弱い。

 しかし逆に言えば密着状況では強い、ということになる。なぜなら攻め側が投げの範囲外に逃げる方法が乏しいから。

 起き攻め状況の他、ジャンプ攻撃をガードした時や、相手の前ダッシュが見えた瞬間など、「密着した!」と思ったらとりあえずガードしながら投げ抜けを入力すれば、自動的に遅らせ投げ抜けになる。厳密に言うと状況ごとにタイミングを覚える必要があるが。

 逆に攻め側としては「遅らせ投げ抜けを狩るタイミングで打撃を当てに行く」以外の選択肢がほとんど無い、ということになる。一応他にバックステップの投げ無敵を利用する(被カウンター)や垂直ジャンプする(有利フレームが多い起き攻めでのみ可能)など遅らせ投げ抜けを狩る方法はあるが、リスキーだったり状況限定だったりする。

 基本的に攻め側は前投げ、防御側は後ろ投げを入力することになるのもポイント。後ろ投げのほうがリーチが長いのでより有利なのだ。

 要するに遅らせ投げ抜けは密着であればとりあえず入力した方が得、ということになる。合ってるかどうかは自信がない。

 なお遅らせ暴れ(ファジー暴れ)も投げ抜けと同様に使えば良いのではないか、と考えて今は練習している。具体的には相手の攻撃が来そうなタイミングでガード、その後ちょっと遅らせて相手に届く技(近かったらしゃがみ弱P、遠かったらしゃがみ中Kなど)を入力する、という感じ。やはり合っているかどうかは自信がない。

遅らせ投げ抜けをしないとほぼ完全2択になってしまう

 逆に遅らせ投げ抜けを使わないとどうなるか? すなわち防御側は「最速で打撃や投げ抜けなどの行動」もしくは「ガード」しかできない。

 すると攻め側は打撃と投げの2択で攻めることが出来てしまう。完全2択。格闘ゲーマーが最も好きな言葉であり最も嫌いな言葉とされるもののひとつである。防御側に無敵技やVシフトがある場合は様子見をする必要が出てくるが、いずれにせよ強力な攻めであることには変わりない。

 自分はこのことに気づき、

  • 密着防御は遅らせ投げ抜け、離れたら遅らせ暴れ
  • 起き攻めする時に相手が遅らせ投げ抜けを使わなさそうだったら打撃と投げの単純2択を仕掛ける

 というプレイングをするようにしたことでようやくウルトラプラチナに到達できた。なおダイヤの相手にはボコられました。

 ちなみに相手が遅らせ投げ抜けを使うかどうかは、立ち回りとキャラで大体わかる。リュウやケンなどスタンダードだったり使用率の高いキャラで丁寧に立ち回ってくる人は遅らせ投げ抜けを使いがち。逆にレアキャラや荒らしキャラの人はあまり使わない。使ってたらもっとランク高いんじゃないかと思う。というのは自分の完全な偏見。

シミーが強いのは密着投げ抜けを狩れるから

 で、ようやくシミーの話。シミーとは、一瞬前歩きを見せて後ろ歩きすることで投げ抜けや暴れを誘い、そこを打撃などで狩る攻め方のこと。

 なぜシミーが強いかと言えば、上記の通り、密着状態での投げ抜け入力が強力な防御方法であり、それを狩る有力な攻め方がシミーだから。

 単に投げと見せかけて打撃をするから強い、というだけではない。いや、結果だけを見ればその通りなんだけど、上手いプレイヤーほど「密着が見えたら投げ抜けする」という強力なセオリーが身に染みついているため、前歩きを見てから投げ抜けを入力すする。それを逆手に取っているからこそシミーは強力と言える。

 逆に言えば密着されても投げ抜けをしない相手にはいくらシミーを使ってもあまり意味はないことになる。自分はそのことに気づかず、「選択肢、散らしちゃおっかな」などと無駄に上手ぶってなんとなくでシミーを使っていた。愚かなことである。

まとめ

 以上をまとめると

  • 遅らせ投げ抜けが強いのは打撃と投げをほぼ防げるから
  • (遅らせ)投げ抜けは密着で強い
  • シミーが強いのは、密着投げ抜け(しようとしたところ)を狩れるから

 ということになる。いやー、なんであれ新しいことを知るのは楽しいなぁ。スト6、あと3ヶ月で出ちゃうけど。いや、こういうことをスト6でもひとつづつ学んでいけばいいんだな。と自分に言い聞かせる。