寝るときに使っていたイヤホンの調子が悪くなった。せっかくなので前から気になっていたイヤホンを購入。ゲオ『GRND-IEP ZSN』。
わりと長い前置き
2つのドライバーを搭載したハイブリッドイヤホン。
ハイブリッドの何がスゴイのか、を説明してもいいのだけれど、結局ネットの情報の受け売りにしかならないのでざっくりと。
普通のイヤホンは、音が出るパーツである「ドライバー」を片耳に1つ乗せている。
それに対してこのイヤホンは、タイプの違うドライバーを2つ乗せることで、表現力を増やしている。多数のドライバーを搭載する方式を「ハイブリッド」と呼ぶ。
2つのドライバーを使えば簡単に音が良くなるというわけではなく、ドライバの特性や筐体の形状などを調節し、音質をコントロールする必要がある。
例えるならば料理で鰹だしと昆布だしを両方使うようなもので、分量を間違えると味がぶつかって逆に美味しくなくなる、みたいなことが起こりうるという。
なのでハイブリッドイヤホンは製造コストがかかり、1万円を超える高級イヤホンがほとんど。
しかしゲオの『GRND-IEP ZSN』はお値段2,980円+税。びっくりするほど安い。
これはおそらく安価で高品質な中国メーカーのイヤホンをゲオのブランドで販売しているからと思われる。
具体的にはKZというブランドの『ZSN』というイヤホンが、ゲオのものとデザイン、スペックが非常に似ており、おそらく同一の製品。そのあたりの話は以前の記事でも書いた。
kz-audio.com
rhbiyori.hatenadiary.jp
ゲオの方にもZSNという型番が入っているあたり、同一品であることを隠さず、むしろ「わかる人にはわかる」ようにしている感が伝わってくる。
実はいわゆる中華イヤホンのことは前々から気になってはいたものの、なかなか手を出せずにいた。
それをまさかゲオがパッケージで(おそらく)全国の店頭に並べるとは。その企業努力を応援したいという気持ちすら湧いてきて、購入に至った。
写真
パッケージ。画像だとイヤホン本体が耳に収まっていないように見えるが、おそらく製品を見やすくするための配慮であり、実際はもうちょっと耳のくぼみに入ってフィットする。
開封。黒い背面パーツは(KZ ZSNと同等であれば)アルミ合金とのこと。
ケーブルが着脱可能で、断線した場合は交換することもできる。マイク付き。
パッケージには「他のケーブル(別売)に付け替えることができます」などと書かれているが、ゲオではケーブルを別売していない。
これは要するに、KZ ZSNで使われている「2pin Type-C」という規格のケーブルを自分で探して使え、ということなのだろう。このへんも「わかってる人」向け。
使った感想
装着感はいい。ケーブルを耳の上にかけるタイプで、引っ張られてもズレにくく、触った音(タッチノイズ)が聞こえにくいのが利点。
自分の耳との相性の問題なのか、右側がちょっとズレるとやや聞こえにくくなることがあったが、イヤーピースを家にあった別のもの(どのイヤホンについていたのか不明)と交換したところ、全く問題は無くなった。開口部が広いイヤーピースが合うかもしれない。
筐体が大きいので寝ながら使うのには積極的にオススメはできないが、背面が平たくなっているので思っていたよりは耳への干渉は少なかった。枕の素材や形次第で使えると思う。
音質について素人意見で書く。PC、iPad、Androidタブレットなどで聴いた感想。
音域の幅が広く、高音から低音まで出ている。この価格にしては非常に優秀。
音の歪みもなく、それぞれの楽器の音がストレートに聞こえる。
一聴して感じたのはボーカルのコーラスが非常にクリアに聴こえる点。
中音域のクリアさと滑らかさが聴いていて心地いい。
高音域は量は出ているが、若干耳に刺さって聞こえなくもない。このあたりは好みの範囲か。
低音は必要十分といった印象。ボンボンした音が好みの人には物足りないかもしれないが、個人的にはちょうどいいと感じる。
強いて悪いところを言うと、音の全体にわずかなザラつきのようなものを感じなくはない。艶があるというよりは乾いた音作り。このへんはエージングやリケーブル、イヤーピースで変わりそう。
使用感、音質ともに満足感は高い。リケーブルも可能で長く使えそう。
懸念することがあるとすればこのまま中華イヤホン沼にハマってしまいそうなことくらい。
そんなイヤホンが全国のゲオで買えてしまう。スゴイぞゲオ。