スマホゲームなんて、くだらない、と思っていた。無知な子どもから金を巻き上げる悪どい商売だと思っていた。正直言って。
でも、実際のゲームをやらずにそういうことを言うのはなんだか不公平な気がした。食わず嫌いというやつじゃないか、という気がした。
なのでやってみることにした。『パズドラ』を。無料だし。
で、数時間やってみたのだが、思っていたよりフツー。というかむしろフツー過ぎてなんでみんながハマってるのかさっぱりわからないくらいフツーのゲームだった。
パズル、というからにはもっとガチガチのパズルを想像していたが、石を三つ並べて消すといういわゆる「マッチ3ゲーム」。プレイヤーの技術介入度が低いゲーム、と言っていいと思う。
とにかく石を消して敵を倒すという繰り返しなので、ゲームとしての盛り上がりが少ない。その分簡単なのでいつまでもやっていられる感じ。どうやら後半に進むに連れて難易度が圧倒的に上がっていくらしいが。
手に入るモンスターには、それぞれ固有の、属性、タイプ、HP、攻撃力、回復力、スキルなど持っているのだが、どれもこれもどっかで見たようなものでしかない。キャラクターのグラフィックには結構力が入っているが、一枚絵で動かない。
モンスターはダンジョンをクリアすることでも手に入るが、例の有名な「魔法石」を使ってガチャを回すことで、圧倒的に強力なものが手に入る。ただし手に入るモンスターはランダム。
魔法石もまた、ダンジョンをクリアすることでも手に入るが、リアルマネーで購入することも可能…。って今さらこの説明必要かな?
ゲームをプレイするとスタミナを消費する。スタミナがないとゲームが遊べない。スタミナはリアル時間の経過によって回復するが、魔法石を使って回復することも出来る。いわゆる「エネルギーが溜まっている分だけ、無料で遊べちまうんだ!」というやつ。
総じて言うとパズドラというゲームそのものが「ちょっと複雑なガチャポンをひたすら回し続けるゲーム」であるという印象を受けた。
別にそれが悪いとか間違っていると言いたいわけではない。僕自身、小学生時代に遊戯王のカプセルモンスターのガチャポンを回しまくって後悔した経験があるが、それくらいガチャポンには人の心をつかむ何かがあるということでもある。
ただその「何か」というのは、要するに射幸心であって、ゲームというのは多かれ少なかれ射幸心を煽る者であることは間違いないが、そこにリアルマネーを絡めるのはあまりお行儀がいいとはいえないのではないだろうか。
射幸心を煽ってお金を出させれば、当然儲かる。でも散々お金を払ったゲームがサービス終了してしまったら、その人たちは別のゲームにまたお金をかけようという気になるだろうか。多分ならないんじゃないかと思う。その意味で、課金は焼畑農業に近いものだと考えている。
って書いて気づいたけど、そんなの散々言われつくしてることだよね。
それよりも、今回プレイして初めてわかったのは、パズドラのゲーム性自体は「よく出来たフツーのゲーム」であるという点。もうちょっと粗雑だったり、課金前提なバランスだったりするのかと思ったが、そうでもなかった。
あと、「ゲームの世界観を全然説明しない」というのも印象に残った。魔法石ってなんなのか、パズルの時に動かしている石はどんなものなのか、そもそもプレイヤーは何者で、なぜモンスターを使役することが出来るのか、プレイしていてもさっぱりわからない。コラボをやる上ではそっちの方が便利なのかもしれないが、全国数百万のパズドラプレイヤーはその辺に疑問を持ったりしないのだろうか。まぁ、考えるだけムダってやつなんだろうな。
今後もプレイするかは未定。無課金でたまに触るくらいなら悪くないんだけど、数時間やってもプレイする目標がイマイチ見えてこない。なんでだろう?一緒にプレイする友達がいないからか。あ、寂し。