RPGツクール製のPC用フリーゲーム「盗人講座」をプレイした。
先日「ふしぎの城のヘレン」をプレイしたことで、どうも自分の中のフリーゲーム熱に火がついてしまったらしく、色々漁っているうちに再発見したのが「盗人講座」。
このゲーム、2001年の第5回エンターブレインゲームコンテスト入賞作品ということで、そこから数えても15年も前のゲームということになる。家庭用機で言えばPS2の発売直後である。
そんなツクールの古典と言ってもいい作品ではあるのだが、当時ちょうどインターネットに触れ始めたばかりだった自分も、もちろん存在は知っていた。それほどに有名なタイトルだったのだ。
しかしなぜか当時の自分はこのゲームをプレイしようとは思わなかったらしい。理由はよくわからない。もしかしたら純朴だった僕は、「盗人」というテーマに無意識的に反感を抱いたのかもしれない。同コンテストで佳作を受賞した「海賊高校生」にはハマったのに。
で、改めて「盗人講座」をプレイしたところ、さすが名作と言われるだけあってかなり面白かった。
最大のおもしろポイントは、少年マンガ的なキャラクターとセリフ回しが大変ハマっていたというところ。
熱血系だが決して脳筋ではなく、己の生き方に悩む主人公。魅力的なヒロインたちと、それぞれが個性的な同級生や先生たち。ほぼすべてのキャラクターの「キャラ」が立っており、しかも設定が練られている。そのままマンガ化して欲しいくらい。
随所で挿入されるサブイベントは、本筋とは関係ないものも多いが、キャラクターや世界観に深みを与えることに成功している。おかげでプレイ時間は短いが、体感的なボリュームは大きい。手間暇かかっているなぁと関心してしまう。
これらの要素のおかげで、最初から最後まで飽きずにプレイすることができ、更に周回プレイもしてGOOD ENDにたどり着くことが出来た。
同人ゲームということでそれなりに粗があるのは事実。
まずゲーム性の根幹となるNPCへのスリについてだが、確率によって成功か失敗かが決まるという、わりと単純なシステムとなっている。
スリに成功するたびに主人公の技量が上がり、より成功しやすくなるのだが、わざわざそんなことを意識しなくても、誰でも思いつくようなごく簡単な方法で(自分がやった範囲では)100%スリを成功させることが出来てしまう。
バグもいくつか散見された。とあるアイテム(防具の方)を装備したまま売却することが出来るのだが、売却してもそのアイテムは装備したまま。つまり何度でも売却することができ、無限にお金を入手出来てしまうのである。
しかしそもそも本作は、戦闘が数えるほどしか無く、RPGというよりは謎解きがメインのアドベンチャーゲームに近い。ゆえにそれらの問題点はゲームバランスにほぼ影響を与えておらず、楽しみを削ぐことは無かった。
本作の開発当時、作者のw-n氏は大学生だったそうだが、彼の本名(コンテスト受賞作品紹介ページで確認できる)で検索してみたところ、同姓同名の人物がスマホゲームの開発に携わっているという記事が発見できた。今もゲームに関わっているのだろうか。
一方自分は、これでさらにフリーゲーム熱が高まり、新たなタイトルを漁ったりしている。これでいいのか。いいんだろうか。ま、いっか。いいの?