またしてもアケステを買ってしまった。静音仕様の『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA』。だって中古で安かったんだもの。
【PS4/PS3/PC対応】リアルアーケードPro.V サイレント HAYABUSA
- 出版社/メーカー: ホリ
- 発売日: 2015/12/17
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購入の経緯
現在PS3で『ギルティギア イグザード レベレーター』を絶賛プレイ中。わりと毎日ランクマッチにこもる程度にモチベーションが高い。
GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR- - PS3
- 出版社/メーカー: アークシステムワークス
- 発売日: 2016/05/26
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その際使っているアケステが『リアルアーケードPro.V3SA』。これまた中古で購入したもの。よく考えたらアケステを新品で買ったことが一度もない。定価が高いものだし、壊れてたとしてもパーツ交換で大抵なんとかなるからね。
- 出版社/メーカー: ホリ
- 発売日: 2009/12/24
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で、そんなさなかに件の『リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA(以下、RAPVSHと略する)』が某中古ハードショップに売っているのを発見。お値段8,000円プラス消費税8パーセント。現在の新品相場の半額である。大変お安い。
安く買えた理由
なぜそんなにお安いのか。僕は理由を知っている。ほぼ間違いなく、Amazonカスタマーレビューの評価が大変お低くなっておられるからだろう。
ではなぜそんなに評価が低いのかと言えば、レバーやボタンの操作性にのクセが強かったからというのも一因ではあるだが、最大の理由は初期不良があったから。
その主たる症状は「ボタンが押しっぱなしになってしまい操作不能になる」というもの。あくまで憶測だが、静音仕様のための独自機構を採用したために生じた症状だろう。現在はメーカーに修理を依頼すれば無償で新品に交換してくれる。
当然、初期不良がある個体なんじゃないかと警戒したわけだが、自分はボタンを交換するスキルを持っている(っていうかドライバーで裏蓋開ければ誰でも出来る)し、最悪自力でどうしようもない不具合があっても返品すればいい、と思って買ってしまったのである。
開幕5分で異常発生
で、さっさと話を進めるが、買って帰って早速トレモ(トレーニングモード)で使用感を確かめてみた。
したところ、なんとなくものの5分も経たないうちに、R1ボタンが押しっぱなしになるという不具合が発生。Amazonレビューに書かれていたのと全く同じ症状である。後ろ入れ中の攻撃がFDに化ける。困る。
症状はR1ボタンを少しグリグリと押し込んだだけですぐに治まったが、もし対戦中に発症したら由々しき事態である。これでは安心してオンライン対戦など望むべくもない。
ボタン交換をしようかと考えたが、すぐに思いとどまった。
ボタンが押しっぱなしになるということは、ボタンキャップが何かに引っかかって上がってこなくなることが原因である可能性が高い。
ということは、ボタンキャップが引っかからないようにすれば症状は起こらないはず。以前別のアケステのボタンキャップにグリスを塗ったら動きがスムーズになったことがあるので、今回もそれを行えば症状が改善されるのではないか、と考えた。
グリス塗りで症状回復(今のところ)
そこでさっそくグリス塗りを敢行。使用したのは長らくお世話になっている『セラグリスHG』。
- 出版社/メーカー: タミヤ
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裏面。封印シールがあるはずなのだが、跡形もなく剥がされている。中古屋が剥がしたのだろうか。
裏ぶたを開けたところ。独自パーツの隼レバーとHAYABUSAボタンが見える。
ボタン裏側。左右のツメを押すとボタンキャップを外すことが出来る。三和ボタンよりもキャップを外しやすくなった。
ボタンキャップを外したところ。左がボタンキャップ。空洞が少ない構造で音が小さい。この側面にグリスを塗った。右がシート状の消音材。不具合の元凶?
最後に静音化のためにホームセンターで買ってきた梱包材を詰めて裏ぶたを閉じた。今回は取り回しの良さを優先してポリスチレン素材のものを選んだが、静音性で言えばRAPV3SAに入れていた綿のほうが高いと思われる。
グリスを塗ってからオンライン対戦を数十試合やっているが、今のところはボタンが埋まるような自体は発生していない。とりあえず症状は抑えられたと言っていいだろう。
改めてRAPVSHのレビュー
当座の問題が一段落したところで、改めてRAPVSHのレビューをしたいと思う。
まず最も重要な操作性だが、自分的にはかなり気に入っている。特にレバーユニットの「サイレントHAYABUSAレバー」。
とにかくガタツキが少なく動きがスムーズでコマンド入力しやすい。自分は三和通常レバーしか使ったことがないので、三和の静音レバーや隼レバーとの比較は出来ないのだが、少なくとも他と比べて使いにくいということは無い。
光学式のスイッチを使用しているので通常レバーのようなクリック感は無いのだが、引っかかりがないぶんむしろ素早く入力できるような気がする。感覚的にはちょっとアナログスティックに似ている。
特に感じたのが、シャフトがガイドに当たったときの「カコッ」という感触が三和のものよりクッキリしているということ。これによりクリック感がなくても入力がわかりやすい。隼からHAYABUSAになるに当ってガイドが改良されたらしく、そのおかげかも知れない。
ただよく指摘されているとおり、バネがやや固めで入力に力が要るのは間違いない。特に静音モデルはスイッチが無い分より固めに調整されているらしい。
レバーにもセラグリスHGを塗ったら多少は動きが軽くなったが、もっと軽くしたいなら分解してバネを縮めるなどの加工が必要かもしれない。
あとガイドに当たる感触が良いと書いたが、その分当たったときの音も大きめ。筐体の構造なども関係しているのだろうが。
細かい点だと、分解しなければ見えない金属部分のパーツであるシャフトやCリングまでが黒く塗ってあるところに、作り手のこだわりが感じられた。黒ってカッコイイじゃん?(中二病)
ボタンユニットである「サイレントHAYABUSAボタン」の方は、表面がマットでサラサラなのが好印象。単純に押しやすく、ピアノ押し(自分は実戦で出来ないけど)もやりやすい。
ボタンキャップとボタンカバーのスキマを少なくしてガタツキを抑えた、と商品説明で謳っているが確かにその通りで、ボタンの中央でも端でも押したときの感触が変わらない。ただ、これが上記の押しっぱなし問題を産んだ原因である可能性はある。
また分解してわかったことだが、ボタンキャップそのものが他メーカーのものと比較して小さく、内側の余分なスキマが少ない。
これにより他のボタンよりも打音が抑えられている、というか音の傾向がより軽くなっている。三和の静音ボタンが「チャカチャカ」という音だとすると、このボタンは「パカパカ」という感じ。
それとキャップの軽さにより、押したときの指への負担が減り、疲れにくくなっている感じもある。
もうひとつの特徴として、ストロークが短く、ボタンが反応するまでの押し込み量もかなり少ない。平たく言えば、ほんの少し押しただけで反応する。
入力速度の向上に寄与しているのは間違いないが、このストロークの短さも不具合に関係しているものと思われる。
「指をボタンの上に置いただけで反応するので使いにくい」というレビューも見たことがあるが、自分はそもそも指を乗せないスタイルなので全く問題無い。むしろ押したはずなのに入力されてないということが減った気がする。
ちなみにメーカーであるホリに無償修理を頼んだ人のネット上での声を見ると、ストロークが長くなった代わりにちょっとうるさくなった、という人と、普通のボタンみたいにパチパチ音が鳴るようになったという二通りの意見が見られる。
前者に関しては、おそらくボタン内に入っている静音用のシートをより薄いものに交換したのだろう。ということは僕が持ってる(多分)修理前のボタンの方が静音性自体は高いということになる。別に嬉しくないけど。
一方後者の方は、通常のHAYABUSAボタンと交換した可能性がある。まさか通常版とサイレント版を間違えて交換したのでは……。見た目も似てるし。だとしたらわりと問題。まぁ真偽の程は定かではないけれども。
筐体についてだが、薄型低重心化によって確実に安定性はRAPV3よりも増している。
ただ膝置きだとより腕から遠くなったため、姿勢が悪くなりやすいかも。
使用頻度が低いL3・R3や各種切り替えスイッチが右側面にあるのは、誤操作防止という観点からは良い。ただPS3モードでSELECTボタンの機能を持つSHAREボタンが横にあるのはほんの少し微妙に感じた。ギルティギアならL1・L2同時押しでトレモリセットできるからマシだけど。
天板表面の素材がビニール系のシートになったっぽく、擦れて印刷が消えることは無くなったようだが、RAPV3SAよりヒンヤリした感触になり、冬場は手が冷たい。そもそも寒いとこでアケステ使う事自体が厳しいから問題ないと言えばないんだけども。
あと膝置き主流の昨今において、相変わらず底板が鉄板むき出しで滑り止めがごく小さい4本の脚しかないというのも辛い。コストカットの為らしいが、そこはカットしちゃいけないところではないのか。おかげでアケステを買う度に100円ショップですべり止めを探さなければならない。
そもそもあらゆる家電製品のデザインが洗練されている昨今において、底板が「鉄板切り出して加工しました」感丸出しなのがオシャレじゃないし、ネジ穴がプラスチックなのも分解前提の「リアルアーケード」の名にふさわしく無いんじゃないかとも思うし、ケーブルを収納するスペースの蓋がやけにカパカパして立て付けが悪いし、そんなコストカットの形跡がいたるところに見受けられるにも関わらず新型アケステが出る度に定価が上がっているのも困ったことではある。
ただゲームセンターにおけるビデオゲームの存在自体が風前の灯状態の現在において、同様に需要が減り続けているアーケードスティックを作り続けてくれているだけでも、感謝せねばならないだろう。ストリートファイターシリーズが無くなったらアケステ市場自体が消滅する危険もあると思う。あ、天板のデザインは結構カッコいいっすよ。
と、大変長い記事なってしまったが、結論を一言で言えば、いい買い物だった、と言い切ってしまっていいだろう。操作性も静音性も文句なし。問題点も自力で解決できたし。
これでいつPS4を買っても大丈夫。まぁ今のPS4の格ゲーって、大抵PS3のアケステも使えるんだけどね(詳しくは「レガシーコントローラー」でググるべし)。そこはまぁ、気分の問題、ということで。と、自分の買い物癖を正当化していく。