rh日和(仮)

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『シルフェイド幻想譚』をプレイ 17年ぶりにキャラグラフィックがアップデートされたフリーRPGの名作

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 『シルフェイド幻想譚』をプレイ。2005年に公開されたフリーゲームをなぜ今遊んだかというと、今年の5月、つまりつい先日に超久々なアップデートがあったから。

silversecond.net

 アップデートの内容は顔グラフィックのリファイン。作者いわく最初に描いてから17年ぶりの調整とのこと。ちょうどいい機会なので再プレイしてみることにした。



 神であるリクレールによってシルフェイドという世界に生み出された主人公を操作し、15日後に滅びる運命にある世界を救うRPG。

 戦闘はターン制のコマンドバトルで、比較的序盤から主人公が複数回行動可能になるのが特徴。他RPGにおける「フォース」や「集中」、「WILL」といった要素によって、シンプルながら奥深さとテンポの良さを両立した戦闘システムになっている。今回改めてプレイして、後に出た『ブレイブリーデフォルト』シリーズに近いシステムだなと感じた。

 ゲーム開始時にいわゆる「トーテム」という守護霊を選択することができる。トーテムによってパワータイプ、スピードタイプ、魔法タイプと主人公の性能が変化する。物理攻撃が強く多くの荷物を持ち運べる「クロウ」が最も難易度が低く、多種類の魔法を使いこなす必要がある「スケイル」は上級者向け。

 フィールドやダンジョンで歩くごとに時間が経過していき、一定時間が過ぎるとゲームオーバーとなる。時間にはかなり余裕があるので、ゆっくりプレイしてもクリア自体は十分に可能なバランスとなっている。

 時間の経過に伴い、町の人々やモンスターの様子も変化していく。世界中を旅している人がいたり、武器やアイテムが入手可能になったりと、イベントが変わっていく。放置しておくと悪い結果になるイベントが多いので、それらを解決しようとすると結果的に人助けして世界を巡る形になる。

 似たようなイベントシステムのゲームは当時既にあったかもしれないが、フリーゲームでここまで作り込まれたシステムなのはかなりスゴイことだったと記憶している。

 世界のスケールの小ささやイベントの展開などは初代『ドラゴンクエスト』へのオマージュを感じさせる。「すごくテンポのいいドラクエ1」といったプレイ感とボリュームで、1週クリアするのに遅くても数時間程度しかかからないだろう。

 しかし時間経過イベントシステムがあるおかげで、前回プレイで助けられなかった人を助けたり、逆にあえてイベントを放置してみたりと、様々なプレイスタイルを試すモチベーションが生まれ、自然と周回プレイをしたくなる。

 そういった意味で、昨今流行っているゲームジャンルらしい「タイムループもの」っぽいプレイ感がある。多分本作のシナリオはタイムループものではないが。

 なお顔グラフィックに関しては、旧バージョンのプレイ動画と見比べたりもしたが、率直に言うとあんまし変化が感じられなかった。そもそも解像度が低いなと感じたがこれはゲームエンジンがRPGツクール2000なので致し方ない。2000年だよ。2000年問題だよ。今の若い子は知らんよそんなの。

 作者特有のコメディと幻想的な雰囲気が入り交じるシナリオやセリフ回しは本作でも健在で、ドラクエシリーズにおけるいわゆる「堀井節」の役割を果たしていると思う。タンスとテーブルを装備して全裸で戦えるRPGは他に無い。

 その作者である「SmokingWOLF」氏は現在横スクロールローグライクRPGの続編『片道勇者2』を開発中とのこと。前作もハマったクチなので期待大。

rhbiyori.hatenadiary.jp



 最初にプレイしたのはおそらく16年ほど昔なのでので、ストーリーはほとんど覚えていなかったが、イベントの大体の流れやプレイのコツはそれなりに覚えていたので、かなりサクッと1周目をクリアできた。2周目はクロウからフェザーにトーテムを変えてさらにサクッと5日間でクリア。

 イベントを効率良くこなしていくのが楽しすぎてついついスピードランを目指してしまう。確か初めてやったときもそうだった気がするが、今回は時間経過によって変化するイベントをじっくり味わうプレイングもやってみたい。

 本作のようにもはや「レトロゲーム」の域に達しているフリーゲームも多いだろう。果たしてどれほど未来に残っていけるのだろうか。Windowsの仕様がガラッと変わって遊べなくなる、なんてこともあるかもしれない。そう考えると、古いPCゲームの中には実機でプレイ不可能なものとかも出てきているのかもしれないなぁ、などと時間経過に思いを馳せるのであった。