お値段驚きの420円。ちなみに店はRAP2を2000円買ったのと同じ中古屋。
この値段ならぶっ壊れてても文句ないかな、と思いつつ、買って帰って使ってみると、年季が入っていること以外は全く問題なく使用可能。スクロールボールの感度が悪かったが、以下のページを参考にコピー用紙で擦る方法を使ったら、おそらく新品同様の動かしやすさに改善した。ちなみにAppleが推奨しているのはウェットティッシュで擦るやり方らしい。
MightyMouseの(トラックボールの)掃除 - acave
この度入手したのを機に、Wireless Mighty Mouseについて改めて調べてみると、どうやらこの商品自体はもう既にAppleからは販売されていないらしい。つまりちょっとしたレア物。ラッキーである。まぁ中古ならまだいくらでも売ってるけど。
もう売られていないせいか、「Mighty Mouse」でググっても、新型である「Magic Mouse」の情報ばかり出てくるのが困ったものである。
有線版の方は、『Apple Mouse』という名前で(英語版Wikipediaによると法律問題で名称変更したらしい)現在も販売されている。
- 出版社/メーカー: アップル
- 発売日: 2009/10/21
- メディア: Personal Computers
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レビュー
なにしろ結構古いマウスなので、情報なんかもとっくに出尽くしていると思うが、個人的にやってみたいのでレビューしてみる。
まず、デザインだが、個人の好みもあるだろうけど、非常にイイと思う。置いた時に、サイドボタンとスクロールボール以外に継ぎ目が見えない。特にスゴイと思うのは、真上から見るとただの楕円形なのに、実は手前から奥に向かって傾斜がつけられて持ちやすいようになっている、という所。おそらくそこまで計算ずくでデザインされているのだろう。
使用するにはまず裏蓋を開けて単三電池を入れる。裏蓋が直感的かつ簡単に開くのが地味にスゴイ。ってちょっと持ち上げ過ぎか。電池を入れる箇所は二本分あるが、一本だけでも動作させることが可能。さすがに単三電池二本は重いので、自分はエネループを一本だけ入れることにした。これだと左右バランスが微妙に狂うことになるが、特に気にはならない。
裏蓋を閉じ、光学センサを塞いでいるシャッターを開くと、認識待ち状態になる。Mountain Lionの場合なら、「メニューバーのBluetoothアイコンをクリック」→「Bluetoothデバイスを設定」→「マウスの項目を選択して右下の続けるをクリック」で接続が完了した。ちなみに、自分が設定したときはマウスのデバイス名に以前の所有者のものと思しき名前がついていてびっくりした。
ポインタの感度はなかなかいい。自分が現在使っているガラステーブルの上ではさすがにまともに動作しなかった。次にコピー用紙の上で使ってみたがこれもイマイチ。そこで、使わないので母に貸していた『エアーパッドプロ』というマウスパッドを使ったら、良好に動作した。流石に高級マウスのようにどこでも快適に使えるという程ではないが、例えば布団の上で寝ながらとかでもそれなりに操作できる。レーザー式らしく可視光線が出ないので、見た目がうるさくないのも良い。
最初は左クリックと右クリックの押し分けに苦労したが、コツを掴むと上手く行くようになった。このマウスは、表面のタッチセンサーで左右クリックを判別している。右クリックと判定される条件は、「マウス上部の右半分に触れつつ、左半分には触れていない状態でクリックすること」なので、きちんと左半分から人差し指を離してから、中指なり薬指で右半分をクリックすれば、ちゃんと右クリックになる。どの部分にセンサがあるのかは、Apple Mouseの公式サイトを見れば大体わかる。
Apple Mouse - Apple Store (Japan)
一見面倒くさそうだが、「右クリックの時だけ人差し指を離す」ことだけを意識すればいいわけで、普通に右ボタンがついたマウスと比べても、理屈上操作の手間自体は増えていないことになる。もちろん、慣れは必要だろうが。
スクロールボールは、感度・感触共に良好。触り心地がいいので、意味もなくクリクリしたくなる。ただ、Magic Trackpadの二本指スクロールと比べると、細かい指の動作が必要になるため、指が疲れそうな印象。
サイドボタンは結構固め。個体差かもしれないが、確か以前店頭でMighty Mouseを触った時もこれくらい固かったように記憶している。親指と中指で押すとちょうどいい。
あと、Macのマウス設定では、ポインタの動きに加速があって、しかもこれをデフォルトで消すことが出来ないという弱点があるのだが、無料でこの加速をオフに出来るソフトを見つけたので、ついでにURLを貼っておく。
Mouse Acceleration Preference Pane for Mac OS X | Christian Zuckschwerdt's blog
で、使いやすいの?
という根本的な話になるが、結論から言ってしまうと「スクロールボールが欲しい人にはアリ」という感じ。
そもそも現行のMacに搭載されているMountain Lionや、その前のLionは、Magic MouseやMagic Trackpadなどのタッチ操作搭載デバイスに最適化されている。その時点でMighty Mouseはかなり不利な立場にある。
- 出版社/メーカー: アップル
- 発売日: 2010/07/29
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- 出版社/メーカー: アップル
- 発売日: 2009/10/31
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しかしタッチ操作には一つ弱点があって、それは精密で素早い操作にはあまり向いていないということ。トラックパッドでアクションゲームをやる人がいないのはそのためだ。
Apple製の現行デバイスでタッチ操作ではない、つまり機械式のスクロールが可能なのはスクロールボールを搭載しているMighty Mouseと、同型のApple Mouseのみ。例えば画像編集や表計算ソフトでスクロール操作が必要な人は、スクロールボールによる操作が適しているのではないかと思う。あくまで予想だけど。
まぁそこまで考えるならApple製のマウスに拘る必要は無いのかもしれない。それに、スクロールボールは定期的なメンテナンスが必要という問題を抱えている。正直、手放しにおすすめは出来ない。
しかし、Macは純正デバイスと相性が非常に良いことで有名で、このMighty Mouseもその例外ではない。そのへんが悩ましいところ。同じくApple純正のマウスであるMagic Mouseの評価が人によって別れる部分があるというのはMighty Mouseにとってアドバンテージかもしれない。
デザイン的な観点から言うと、Mighty Mouseはポリカーボネイト製で、旧世代のMacとの調和を考えて作られており、現在主流の酸化皮膜加工したアルミニウム製のMacには若干そぐわない面もある。
そのへんも加味してトータルで考えると、今回の僕のケースのように「中古で安く売っていたら買ってみるのも悪くない」程度のオススメ度が妥当かもしれない。少なくとも1000円以内なら試しに買ってみてもいいと思う。デザインがオシャレだし。