近所の中古ゲームショップに新型のファイティングコマンダーが売っていたのでうっかり購入してしまった。お値段2,000円+税でほぼ新品の半額。かなりお得であった。
- 出版社/メーカー: ホリ
- 発売日: 2015/12/17
- メディア: Video Game
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このコントローラーはホリ製デジタルパッドの最新型で、PS4向けの前面6ボタン型コントローラーの中ではかなり評価が高い。
他にMad Catzのものやモータルコンバットコラボのモデルがあるが、前者は操作性に問題があるという評価が多く、後者は海外のみ販売のため入手性に難がある。ということをなぜ知っているかというと、PS4向けコントローラーについてまとめた記事を以前書いたからだったりする。
- 出版社/メーカー: マッドキャッツ株式会社
- メディア: Video Game
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早速PC版ウルトラストリートファイター4やPC版ギルティギアイグザードサインなどをプレイしたので、感想を書く。
まず十字キーだが、文字通り十字型のタイプで、若干固いが操作性は良好。
ナナメが入りにくいというレビューがいくつかあるが、これはおそらく操作方法に起因するものと思われる。
というのも、十字の先端方向に向かうほどせり上がった構造をしているためか、親指をキー上で滑らせるような操作方法だとナナメが入らないことがよくある。キーディスプレイなどで波動拳コマンドを入力してみるとよくわかる。
一方、親指を転がすように傾ける操作方法なら、ちゃんとナナメが入るようになる、と思う。それでもサターンパッドなどと比べるとやや固めだが。
いずれにせよ、今まで使ったことのあるデジタルパッドの中ではかなり良好な操作性である、と言っていいと思う。
前面6ボタンはサイズがかなり大きいため押しやすく感触も良い。メンブレン式のキーボードに近い、と言えばわかるだろうか。この大きさならボタンをアケステと同じ様に指先で押すスタイルでの操作も可能だろう。
それぞれのボタンの間隔が近いため同時押しがしやすいのも嬉しい。ウル4ならショートカットなどを使わずに投げやEX必殺技を出すことも十分に可能。
ただ若干クリック感が強く、押すのに力が要る感じもある。この辺はボタンの大きさとのトレードオフなのだろう。使い込んでいくうちに変わってくるかもしれない。
奥にあるLRボタン4つは、若干工作精度が甘いのかガタツキが少々気になる。ただ普通に押す分には違和感はない。
むしろL2・R2ボタンのストロークが浅いため、間違って押してしまうことがある。指の置き方に気をつけたり、ボタン割当を変更するなどして工夫したほうがいいかも。
スイッチでボタン割り当てを変更する機能もついている。
L2-R2 L1-R1
というデフォルト配置を、
R3-L2 L3-L1
という配置に替えることができる。L3、R3というのは純正コントローラーのアナログスティック押し込み操作と同等。要するに全てのボタンに異なる機能を割り当てることができるということになる。
当たり前のことに思えるかもしれないが以前のモデルであるファイティングコマンダー3では切替が不可能だった。ウル4で言えばパンチボタン3つ押し及びキックボタン3つ押しを左手側にあるL1・L2に配置せざるを得ず、投げやセービングといった同時押しを使うことができなかった。
しかしこのコントローラーなら上部4ボタンを別のボタンとして使用可能になるので、投げやセービングも割り当てることが可能。自分はケンを使っているので移動投げが大変やりやすくなった。
SHARE・OPTIONSボタン(PS3だとSELECT・STARTに相当)がちょっと指から遠いのが気になるが、これは誤操作防止のためと思われる。その割にはTURBOボタンがちょっと近いが。上面のスイッチは十字キーの機能をデジタルパッド・左スティック・右スティックに切り替えるためのもの。
本体の形状は人間工学的で持ちやすく表面加工の質感もいい。ちょっと厚みがありすぎるのと、軽くて安定感が弱いのが気になるが、既存のあらゆるコントローラーの中でも最も持ちやすい部類に入ると感じる。
このコントローラー最大の難点はタッチパネルがついていないということだろう。PS4の格ゲーではタッチパネルにトレーニングモードのリセットが割り当てられていることがあるらしく、それが使えないのは地味にキツイ。
手前側についた切り替えスイッチはPS4・PS3・PCに対応した挙動に切り替えるためのもの。ちなみにPS4及びPS3に切り替えた状態でパソコンに接続しても、微妙にボタン配置が変わるだけで使用自体は可能。ゲームの挙動がおかしい場合は切り替えてみるといいかもしれない。
パソコンで使用する場合、マイクロソフト製のコントローラー用ドライバのインストールが必要となる場合がある。そのためか、Steamゲームで使用するとボタン表記がXbox360コントローラーと同じA・B・RT・LTなどと表示される。
http://www.hori.jp/products/p4/p4_newfc_forp4/driver.phpwww.hori.jp
PCに接続時、Steamがインストール済みならホームボタンを押すとSteamクライアントを起動できる。さらにもう一度押すとSteamのビッグピクチャーモード(全画面モード)が起動。これによりマウス操作無しでゲームを起動できる。
総じて言うと、操作性・機能性のいずれから見ても、6ボタンのデジタルパッドとしてはほぼ完成に近いクオリティであると言っていいと思う。唯一タッチパッドが無いことだけが悔やまれる。とはいえもしタッチパッドが搭載されていたら、価格が倍くらいになっていたかもしれない。
個人的には、十字キーが円盤型の方が好ましかったのと、もうちょっとボディが薄い方が握りやすかったかな、という程度で、他に不満点が見当たらない。
以前にサターンパッドやCT-V9といった6ボタンパッドを使っていたということもあるだろうが、使い始めてすぐに馴染むことができ、感想を書くために久しぶりに格ゲーをやったらついつい熱中してしまったほど。PS4で格ゲーをやるならコレを買っておけば間違いないだろう。
追記(2016/07/02)
最近になって、ファイティングコマンダーで「ギルティギア イグザード レベレーター」を本格的にやり込み始めたので、気づいたことについて追記。
何に気づいたかというと、このコントローラー、十字キーの左下方向(テンキー表記の1方向)の入力に若干の難がある。
おそらくこれはボディの構造的な問題で、1に入力した時に十字キーの天面がボディの天面と同じ高さくらいまで沈み込むため、結果的に1が入力されにくいのだと思われる。
必殺技のコマンド入力なら、ある程度意識すれば誤操作は無くなるのだが、一番困るのはガードする時。
特にギルティの場合、相手の攻撃が当たる直前にガードすることでガード硬直を短くすることができる「直前ガード」というテクニックがあるのだが、2→1と入力してしゃがみながらの直前ガードを狙おうとすると、間違って4まで入力されてしまい立ちガードになってしまうことが結構ある。かなり致命的。
試しに他のパッドでやってみたところ、PC用のCT-V9ではこのような問題は無かった。
一方純正パッドのDUALSHOCK3だと、わりと同じように4まで入力されてしまうことがあった。
十字キーの使いやすさのランクを付けるなら、CT-V9>ファイティングコマンダー>DUALSHOCK3という感じ。でもCT-V9ってもう売ってないんだよね……。ちなみに自分の中での歴代ナンバーワンはセガサターンの純正コントローラーです。
ボタンに関してはファイティングコマンダーの方がCT-V9より使いやすいので、どちらを選ぶかといったところ。自分は今もファイティングコマンダーをメインで使っているが。
もしホリさんがこのページを見ているなら、ボディの十字キー周りの盛り上がってる部分を平らにしていただくか、あるいはいっそサターンパッドのように円盤型の十字キーを採用するかしていただきたい。おそらく完璧なデジタルコントローラーが出来上がるのではなかろうか。