iOS・Android向けのローグライクゲーム『1ビットローグ』をプレイしたので紹介。
プレイしたきっかけは、たまたま『アラスジクエスト』というゲームのプレイ動画を見たこと。2010年公開のブラウザゲームであり、当時自力でクリアしたような気もするが、流石に記憶が曖昧。
ドラクエ風RPGの「あらすじ」の部分をミニゲーム化した作品で、シンプルかつコンパクトながらひねりが効いた良いゲームである。すぐにクリアできるので是非プレイ一度して欲しい。
で、その『アラスジクエスト』を制作した「スキップモア」のWebサイトをチェックしたところ、トップページに載っていたのが今回プレイした『1ビットローグ』。配信開始日はつい最近の2016年10月21日。
どこかで見たことがあるなー、と思ったら、とあるインディーズゲーム製作者がTwitterで紹介していたのを見たからであった。面白そうだったのでさっそくiPod touchでプレイしてみたのである。
ゲーム内容
内容はいわゆるローグライクゲームと呼ばれるジャンルで、ランダムに生成されるダンジョンを、モンスターと戦い、アイテムで自分を強化しながらターン制で進んでいく、というのが基本。
グラフィックは白黒2色のドット絵という超シンプルで、さらにシステムの方もローグライクにしてはかなりのシンプルさ。
なにしろ所持できるアイテムが攻撃武器のいずれか一つのみ、ステータスはHP、攻撃力、そして武器の耐久度の3つだけという潔さである。
にも関わらず、ゲームバランスはかなり良好で、一つの行動が生死に直結するというローグライクならではのスリルを手軽に味わえる。
敵を1体倒すごとに自分のHPが1上がる(上がらない敵もいる)ので、なるべく敵を倒して進みたいのだが、攻撃武器は一つしか持てず、しかも使用回数に制限があるので、ムダ使いはできない。そこにジレンマが生じる。
なるべく攻撃武器入りの宝箱がマップ上にある状態で(宝箱に入った攻撃武器は、取得せずにキープしておくことが出来る)敵を狩り、攻撃武器が無い場合はさっさと下の階に降りるのがいいだろう。
宝箱の中には薬が入っていることもあり、取得するとHPを回復できるが、持ち運ぶことは出来ない。どのタイミングで使うかがかなり重要となる。
さらにダンジョン内には「魔神の像」および「女神の像」が置かれていることがあり、ダンジョン内で取得できる通貨を支払うことで「呪い」および「祝福」を得ることができる。
いずれもRPGにおけるステータス変化魔法のようなもので、ランダムのバフ・デバフ効果を一定時間得られる。
「呪い」はプラスとマイナスの効果が同時に発動する。例えば攻撃力が上がる代わりに攻撃する度にHPが減る、など。
一方の「祝福」はプラス効果のみが発動する。トラップを回避できる、薬の効果が2倍、など。
ピンチの状況であえて呪いを受けて一発逆転を狙う、敵をかいくぐってでも祝福を受けに行く、など、プレイにダイナミズムを与えてくれる要素だと言える。
攻撃武器には「武器(剣などの物理攻撃)」と「巻物(炎などの魔法攻撃)」の二種類があり、プレイキャラの職業によって使える武器が異なる。
職業は全5種類あり、初期攻撃力が高い「ソードマン(武器)」、「呪い」を無料で使用できる「ウィッチ(巻物)」、無料で「祝福」を使用でき、攻撃する度にHPが回復する「クレリック(武器)」などがある。
最初は「ソードマン」しか使用できないが、通貨を支払うことで職業を開放することが可能。さらに通貨を使って各職業のレベル(=初期HP)を上げることもできる。
自分はソードマンでラスボスを倒してエンディングを見た後、クレリックで再プレイし、あと一息というところでラスボスにやられて思わず心を折られそうになったが、それくらい熱中できるゲームであることは間違いない。……あそこで通路に追い込まれなければなぁ。
ちょっと気になる点
一応プレイしていて気になった点もいくつか挙げておく。
- 初めてプレイして祝福を受けたときに、いきなり「DYC+1」というような表記が出て、DYCってナニ? としばし困惑した。正解は武器の耐久度のことなのだが、最初のチュートリアルでも「たいきゅうど」という表記しか無いのでなんのことだかサッパリだった。まぁちょっとゲームを進めればわかることだが。
プレイ中、画面上部に出現するメッセージダイアログがけっこう邪魔。画面上部を確認したいときは表示が消えるまで待たねばならない。他のローグライクゲームではメッセージダイアログを透明にすることでこの問題に対処していたりするが、白黒2色のゲームなのでその手段は取れなかったのだろう。
→Twitterでユウラボ様から直々に「メッセージはタップすれば消せる」という情報を頂きました。実際に試したところ確かにタップで消せることを確認。ご指摘ありがとうございます。
ご紹介いただきありがとうございます!ちなみに上に表示されるメッセージはタップするとすぐに消えます! https://t.co/8A47Q6wZ8G
— ユウラボ (@skipmore) 2016年10月25日
- モンスターの中には、(多分)一定のアルゴリズムに従って移動するものと、(多分)完全にランダム移動をするものがいるのだが、ランダム移動する敵がいる状態でベストの行動を取ろうとすると、延々とその場で待機し続けなければならないことが多々ある。具体的にはゴーストやスケルトンなど。大抵のローグライクには同じ階層に居続けると追い出されるシステムがあるのだが、自分がプレイした限りこのゲームにそのシステムは搭載されていない模様。
- 職業について言うと、攻撃力が常時+1のソードマンが安定して強く、回復できるクレリックは序盤が楽。レンジャーのトラップ回避と薬倍加は後半になるほど恩恵が受けられる。一方で、ウィッチに関しては呪いコスト0のメリットを感じづらくかなり弱い。忍者は敵を倒してもHPが上がらないので相当キツい。っていうかレベル1でクリアできるんだろうか? 逆にレベルさえ上げれば最も安定しそうだが。
と、色々挙げてみたが、あくまでも個人的な要望として見ていただきたい。全体的には面白くプレイできたので。
まとめ
ガッツリやり込む系のゲームではないと思うが、気軽に楽しめるライトなローグライクゲームとしてはかなりのハイクオリティと言えるだろう。ドットもキレイだし、音楽もレトロで味がある。
気に入った人は課金(買い切り)をすれば、カラーが3色の3bitモードでも遊べるようになるとのこと。広告も出なくなるのかな?
このゲームを作った「スキップモア」は他にも多数のゲームを制作している。3DSの『ドランシア・サーガ』は先日のニンテンドー・ダイレクトでも紹介されたので知っていた。ちなみにこのゲーム、移植元のスマホ版は無料で遊べるらしい。今ググって知った。後でやろう。
さらにPS4、ニンテンドー3DS、Steam向けのゲーム『ピコンティア』を開発中とのこと。『マザー』っぽい雰囲気でスゴく面白そう。チェックせねば。
(画像は『1ビットローグ』Apple Storeページ(1-Bit Rogue: A dungeon crawler RPG! on the App Store)より引用)