【PS4】Horizon Zero Dawn Complete Edition
- 出版社/メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 発売日: 2017/12/07
- メディア: Video Game
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『ホライゾン ゼロ・ドーン』のメインクエストをクリアし申した。面白かったよ。久々に没頭できるゲームだった。
原始時代っぽいのに機械の獣が歩いてるという世界観。で、その機械の造形がまたスバラシい。メカ好きなら堪らないだろうなというギミックやモーション。特にストームバードやサンダージョーみたいな大型は迫力もスゴイ。
で、その作り込まれた機械獣のディティールが、戦闘システムに直接活かされている。部品を撃ち落として弱点を露出させたり、燃料タンクを火矢で撃って爆発させたり、更には向こうの武装をひっぺがして使うこともできる。斬新。
同じ狩猟ゲーであるモンハンとは似ている部分もある。地面に潜るロックブレイカーなんかはかなりヴォルガノスに似ている。サンダージョーはイビルジョー、ストームバードはフロンティアとかにいそうな飛竜系っぽい。
でももちろん違うところもある。基本的には弓矢でのシューティングメインなゲーム性なので、装甲が厚い部位を撃ってもほぼダメージが通らない。かわりに弱点をキッチリ狙って当てられるようになると楽しい。
武器の種類もわりと豊富で、槍、弓矢、スリングショット(パチンコ)、トラップキャスター(射出できる罠)、ロープキャスター(当てると敵をロープで拘束できるボウガン)などがある。
罠を張って待ち構えたり、こっそり忍び寄ってステルス攻撃を仕掛けたり、あえて弓矢だけで正面から撃ち合ったりと、好みの戦術で戦えるのも自由度が高くていい。
ストーリーも、ポストアポカリプスものの王道としてよくできている。目立った矛盾なども無かったと思う。
正直ちょっとどこかで見たような展開が多かったけど、スケールは壮大だし、本筋とは関係のない話もいちいち手抜かりが無い。
現代から1000年後、文明が衰退した世界に機械獣が跋扈している、という時点でちょっとSF作品をかじってる人なら察しがつくだろうし、実際ほぼその通りの展開なんだけど、それでも引き込まれちゃう。王道もののハリウッド映画を見てるような感じ。
終盤でメインストーリーの展開が「遺跡に行って情報集めてまた次の遺跡」って感じでワンパターンになっちゃうな、と思ったけど、メインクエストが2ルートあったので、単に自分が片方を先に進めちゃったせいかもしれない。
グラフィックの作り込みも非常に素晴らしい。未来文明が滅びてから1000年後、という設定を見事にビジュアル化しきっている。
まずキャラクターの服装。民族衣装っぽいんだけど、所々にSFじみた機械があしらわれている。スゴイ斬新。
村や街も、前近代を思わせる原始的な村や、(我々視点での)古代文明のような石造りの街など、「時代考証してる感」が満載。
この世界における遺跡は、現代の我々から見た未来の架空建築なわけだけれど、それらもスゴく凝っていて、未来感満載。満載がダブってしまった。
で、その未来の建築物が、長い時間を経て風化し土や植物にまみれた様子をちゃんと描いている。スゴイ手間。マップの使いまわしなんかも見当たらなかった。
きっと腕のあるデザイナーを雇ってコンセプトアートをいっぱい作って、それをゲームに落とし込んだんだろうなー、などとプレイしながら感心しまくっていた。
少し気になったのは、ちょっと他のゲームやメディア作品の影響が露骨だな、というところ。
『ウィッチャー3』のスタッフが制作に参加しているらしく、オープンワールドのシステムはそのへんの作品にかなり近かった。フォーカスなんか「ウィッチャーの感覚」そのものだし。トールネックに登るとこは「アサシンクリード」のビューポイントみたいだった。
atelierkarin.hatenablog.jp
機械獣の役割や禍ツ機の造形なんかは「ナウシカ」や「もののけ姫」といった宮﨑駿作品の影響を受けているらしい。製作者が公言している。「ストーリーがポストアポカリプスものの王道」と上の方で書いたが、悪く言えばありきたりと言えなくもない。
www.4gamer.net
上に挙げた戦闘システムやビジュアル面は間違いなく斬新なんだけど、それ以外も全てが斬新、と言ってしまうとさすがに嘘になっちゃうと思う。それでも十分スゴイんだけど。
あと、いわゆる「ポリティカル・コレクトネス」に配慮したのか、やたらと女が強くて男が情けなかったり、悪いヤツが大体白人だったりと、逆にやりすぎなんじゃないの? と思うこともあった。
ともあれ本作は「文明崩壊後の遠い未来を描いたオープンワールドRPG」という、いまだかつて無いジャンルの作品であり、しかも高クオリティであることは間違いなく、その意味で確実に名作である。制作陣に惜しみない賛辞を送るべき案件である。
タイトルの正式表記を見る限り、「ホライゾン」がメインタイトルで「ゼロ・ドーン」がサブタイトルっぽい。つまり今後「ホライゾンシリーズ」としてシリーズ化される可能性がある。ストーリー的にも続きそうだったし。スゲー楽しみ。
DLCの『凍てついた大地』の方は本編一気プレイの疲れが癒えたら手を出そうと思う。
それからもうすぐ出る「モンスターハンター:ワールド」に、コラボとして本作の主人公であるアーロイさんのなりきり衣装が登場するらしい。超使ってみたい。もちろん武器は弓矢で。ちなみにオトモ装備はウォッチャー。オーバーライドされたんだろうか。