rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

Steam版『Gorogoa』をプレイ

 Steamのハロウィンセールで「Gorogoa」を購入しプレイした。

store.steampowered.com

 どことなく小林製薬の整腸剤みたいなタイトルだが、その内実は大変にアーティスティックなゲーム。そのゲーム性を言葉で説明するのは恐ろしく困難なのだが、あえてやってみるので覚悟せよ(謎テンション)。

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https://store.steampowered.com/app/557600/Gorogoa/?l=japanese
 基本はマウスでゲーム画面上をクリックして進めていくパズルゲーム。英語圏では「ポイント・アンド・クリック」と呼ばれるジャンルに属している。

 赤い服を着た男(少年?)をプレイヤーの操作で目的地に導いていくのが目的。

 最大の特徴はゲーム画面そのものがパネル状に最大で4分割でき、その画面同士が相互に影響を与え合うということ。

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https://store.steampowered.com/app/557600/Gorogoa/?l=japanese

 例えばリンゴがあるパネルの下にボウルがあるパネルを置くと、リンゴがボウルに向かって落ちてくる、という具合に

 さらにパネル同士を重ねたり、あるいは2枚の紙のように分割することもできる。扉の奥に人がいるパネルAの上に別の扉があるパネルBを重ねると、Aの人物がBに移動する、といった具合に、だまし絵的な物理法則を無視した現象も起こる。

 他にも、パネル内にある絵をクリックすることでその中の人や物が動き出したり、看板に書かれた風景を一旦別パネルに移してから元のパネルの壁の上に置くと風景の中に入れたり、といった摩訶不思議な出来事が、ゲームを進めるたびに次々と展開されていく。

 そのようにアンチリアリズム、つまり非現実的な現象ばかり起こるので、文章で表現するのが大変に難しくなっているのである。何を言っているかわからなくなってきたとしても、まったくもってあなたは正常です。

 僕自身、買う前にレビューや動画を見てもどんなゲームかさっぱり分からなかったのだが、「圧倒的に好評」というSteamページのレビューを信じて購入。そして結果的にそれは正解だった。

 一見すると派手さはないが、斬新なゲームシステム、斬新なギミック、そして美しいアートワークが堪能できる。どうやってこんなアイデアを思いついたのか、どうやってこのアイデアを言葉にしたのか、そしてどうやってゲームとして具現化したのかと、プレイ中は終始感心しっぱなしだった。ゲームは芸術たりうるのか? と考えるまでもなく、これは芸術の中でも優れた部類のものと言えるだろう。一度やってみて損はない。

 ただしゲームとして見るとボリュームはかなり少ない。自分は1時間15分ほどでクリアしてしまった。そこは理解の上でプレイしてほしい。


 本作のストーリーには言語による説明はほぼ登場せす、その内容は謎めいている。

 巨大な龍のような謎の生き物を見つけた赤い服の男が図鑑を調べると、5色の玉を捧げるべし、というようなことが描かれているのを見つける。これが冒頭。そして男は時間も空間も飛び越えながら、玉を集めることになる。

 途中に様々な姿の男性たちが登場するのだが、彼らはどうやら赤い服の男の未来の姿のようにも見える。

 個人的には男が赤い服を着ているあたりも含めて、『inside』というゲームに影響を受けているのかもしれない、という印象を受けた。ストーリー自体はまるっきり違うけども。


 ゲームとして、というより「驚きに満ちた体験装置」として万人にオススメしたい一作。Nintendo Switch版やスマホ版も是非その不思議感と美しさを体験してみて欲しい。