『モンスターハンターワールド:アイスボーン』の話。
ミラボレアス追加の大型アップデートの情報を見ていたら、ふと今更ながらクラッチクローの問題点について考えてみたくなった。
ガッツリプレイしてた頃は「クラッチクロー、あんまり面白く無いなぁ」という気持ちが強すぎて冷静に見られなかったクラッチクロー。でもそろそろ俯瞰で分析できるような気がしてきた。
ゲームの良くない点について考えることは「面白いゲームとは何か?」について考えることにも繋がるので決して無駄ではないだろう。多分。
モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション - PS4
- 発売日: 2019/09/06
- メディア: Video Game
クラッチクローの問題点
自分が考えるクラッチクローの問題点は主に以下の2つ。
- 操作・使用タイミングの単調さ
- ぶっ飛ばしダウンの使いにくさ
これに加えて「傷つけ2回組やスリンガー弾周りの性能による武器格差」「傷つけ効果時間の短さ」という問題点もあったけれど、これは次のアップデートである程度改善される模様。
クラッチクロー攻撃の単調さ
クラッチクローのモーション自体はスタイリッシュかつ(モンハンシリーズの中では)斬新で良かった。
でもクラッチクローを狙えるタイミングが限られすぎている。出会い頭の咆哮か、よろけ怯み(いわゆるクラッチ怯み)か、不動や転身の装衣を着ている間か。主にこの3つだけ。
結果的に、決められたタイミングに決められた攻撃をするだけの単調でつまらない作業感の強い要素になってしまっていたと思う。アクションゲームなのにQTEをやらされる感覚に近い。
特に後半のモンスターはクラッチクローでしがみついたハンターを振り落とす攻撃を積極的にしてくる思考ルーチンになっていた。せっかくの新要素をなぜプレイヤーに使わせまいとするのか、少々理解に苦しむ。
しかも傷つけ時間は短く、傷つけられる部位は1か所だけ。2回組はさらに倍の傷つけ回数が必要。
傷つけをしないと火力が出ず弱点特効も発動しないが、かといって傷つけを狙うほど攻撃できる時間が減るというジレンマもあり、特にソロプレイヤーにとっては目の上のタンコブに近いシステムだったと言っていい。次のアップデートでどれだけ改善されるだろうか。
ぶっ飛ばしダウンの使いにくさ
モンスターの向きが分かりにくい、壁までの距離を目測しなければならない、壁の角度によってはモンスターがぶつからずに壁をこするだけ、などの要素によってぶっ飛ばしダウンの難易度が必要以上に高くなっていた。
ただ単に難しいだけならそういうものとして受け入れられただろうが、フィールドの形状や位置などの偶然性が大いに絡むため、「運ゲー」と感じてしまい、使う意欲が失われた。「ゆらぎ」を入れるのは結構だが、大きすぎるゆらぎは理不尽さでしかない。
なのに導きの地で効率よく素材を集めるならぶっ飛ばしの利用が必須級で、こちらもやらされている感が強かった。
導きの地に追加された寒冷地のモンスターの休眠場所をぶっ飛ばし不可能な位置にするなど、開発者がぶっ飛ばしダウンを使わせまいとする調整もあったりした。ここでも新要素を開発者自らが否定してしまっている。
クラッチクローの改善案
まずクラッチクロー攻撃だが、もっとカジュアルに使えるようモーションの高速化をしたり、ハンマーや片手剣のようにクラッチクローに移行できる連携を全武器に増やして欲しい。
なんなら全武器いつでもクラッチクローに派生できるようにしても大した問題は無いと思う。一部の武器で使いにくい右スティック押し込みをしなくて済むし。
モンスターのスキを狙って使うことが可能になり、プレイヤーが上達を感じられることにも繋がると思う。
ロープで接近しながらすれ違いざまに斬る、というスタイリッシュなモーションにするのはどうだろう。当てやすくするかわりにダメージを低くすればゲームバランスはとれる。
あまりに使いやすすぎると、マルチプレイで操虫棍の低威力なジャンプ攻撃を繰り返すプレイヤーが多かった(今も多いらしい)のと同じような現象が起こってしまう可能性はある。でもモンハンがカジュアルなアクションゲームであることを考えれば、そのようなプレイングも許容範囲内ではないだろうか。カッコいいから使ってみたいと思う新規プレイヤーも増えるかもしれないし。
ぶっ飛ばしに関しては、壁に当てなくても発射した瞬間ダウンするようにすれば万事解決するはず。
元々怒り時はぶっ飛ばしが不可能なのでハメが成立する恐れはない。元々上から撃ちおろすようなモーションなので見た目の違和感は無いし、モンスターが自分の足でトコトコ走っていくリアリティの無いモーションも廃止することができる。
個人的には、従来のお手軽過ぎた閃光玉による拘束を弱体化して、接近してリスクを負う必要があるぶっ飛ばしを導入したこと自体は改善だった感じている。
リアリティという観点から言えば、傷つけがクラッチクロー攻撃でしか発生しないこと自体がかなり不自然ではある。
通常の攻撃を「高ダメージ+低傷つけ値」、クラッチクロー攻撃を「低ダメージ+高傷つけ値」にしてバランスをとるのもアリだろうか。
そもそも従来から部位破壊というシステムがあるのだから、傷つけを廃止してクラッチクロー攻撃を単に部位破壊ダメージの高い攻撃にして、部位破壊したら肉質軟化させる、という方向性も考えられる。ただそうなるとクエスト開始後部位破壊が完了するまで全員がクラッチクロー攻撃を狙い続ける、という流れになってしまうか。
クラッチクロー自体を無くせという意見もあるようだが、個人的には調整して乗りと同じように残していってほしい。